紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『台湾、街かどの人形劇』を見た さらに人形劇について考えてみる

〇まいどおおきに〜人形劇についてのメモでおます

一口に人形劇と言っても多様な形がある。思いつくまま列挙したみたら下記のようなものがある。

やはり日本では文楽だろう。

 

 

糸操り人形の糸あやつり人形劇団みのむし

 

 

腹話術

    川上のぼる

 

いっこく堂

 

東京コミックショー

 へびの人形と蛇使いの形によるコミックショー

 

人形劇団クラルテ

 なかでも、私がすきなのは有名な女殺し油地獄

 

パペット落語・笑福亭鶴笑

 数々の手作り人形で演じる新しい落語

 

傀儡回し  傀儡師

 古来からある門付き芸

 

 

横道にそれてしまった。

この映画の予告編

 

 

 

この映画に登場するのは手指を使い演じる台湾の伝統芸能である布袋戯といわれる人形劇である。この道の第一人者の父子・兄弟がさまざまな葛藤を経ながら後継の道の定着を賭けて格闘する様子をドキュメンタリー手法でたっぷり見せてくれる映画である。

 

映画の中で語られる言葉が「芸」の伝承において珠玉の名言となって突き刺さってくる。

 

特別な奥義などない。外国人にだってすべて惜しみなく伝える。公開していいに決まっている。

かくしてどうする。伝統に創作を持ち込んでもいいが伝統を守ることで創作も生きる。現代に通じるものにするためには、若者を引きつけ客層を拡げることが大切だ。

 

まさに、名人の言葉には大衆演劇のこれからを考える上でとても参考になる映画であった。

 

紀州屋良五郎事務所