紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 春陽座 梅南座 2021/11/11

☆ 見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます。

☆ 今月、夜の部、17 開始  

★ 入場料金  1500   前売り券  1200

☆ 春陽座結成時に載ってから15年ぶりの梅南座公演。

★ 毎日、大入が続く

 

☆ 南座スケジュール

12  嵐山瞳太郎劇団

01  嵐山瞳太郎劇団

 

☆ 春陽座 スケジュール

12  大江戸温泉ニュー塩原

 

メンバー  

劇団責任者 澤村新吾

二代目座長 澤村心

澤村京弥

澤村煌馬  

澤村優夢(ゆず)  

澤村かな

澤村美樹

澤村みらい

澤村姫々

澤村愛夢(あんず)

 

  

 

顔見せミニショーはなし

 

〇芝居「藤十郞の恋」 100 熱演

・主演  座長・澤村心

 

*若手が活躍する新世代の春陽座の舞台だ

 

  

澤村心‥藤十郞

澤村新吾‥宗清旦那・清兵衛

澤村煌馬‥宗清使い

澤村京弥‥座元

澤村優夢‥藤十郞の弟子

澤村かな‥お梶

澤村姫々‥座院

 

ほか

 

【あらすじ】

 

近松門左衛門の昔暦おさん茂平にまつわるはなし。坂田藤十郞は團十郎と芸の上でしのぎを削っていた。

 

元禄時代、稀代の人気役者坂田藤十郎は只ならぬ芸熱心。

 

藤十郎は不義を演じなければならない演目(近松門左衛門作の「昔暦おさん茂平」)の役作りに苦悩する。

 

不義の経験の無い藤十郎は困り果て、宗清女将のお梶を使うことが浮上する。

 

お梶が祇園、宮川町の舞妓であったころ藤十郞は出会う縁があった。20年前のことであった。

 

お梶は諭す「自然体で嘘がつける、それが男の色気というものです」と何気なく語った一言が藤十郞のこころを捉えた。

 

やがて、藤十郞とお梶は互いに惹かれ、忍びつつ、道ならぬ恋のけもの道へと踏み込んでいくのであった。

 

お梶は祇園の料亭宗清の女将。まして、夫のある身、苦悶のはじまり、恋の炎で身を焦がす。幼馴染の藤十郎に心の奥底で想いを寄せていたお梶は落ちた。

 

藤十郎は、お梶に偽りの恋心を伝える。

実直で貞女のお梶は苦悩のゆえ、座敷きに訪れた。

 

呼び出したお梶の後ろめたさを含んだ女の表情を見取った藤十郎は夜の闇に去ってゆく。

 

お梶は、芸の工夫の為の偽りの口説きだと気づきき、一瞬でも亭主を裏切り不義をしようとした自分の心を責めて自害する。

 

*世間では藤十郞は芸のため詐心の恋をしたと噂され、お梶の死の知らせに望んでもたじろぐことなく墓前にまで赴く。そして、清兵衛がお梶の書いた遺書を読み聞かせてみると‥‥

 

中程までは夫・清兵衛へあてた思い、が、半ばすぎるところから恋する藤十郞と連舞を舞ったいにしえの恋慕がつづられる。清兵衛はしりつつ、お梶の思いを伝えてやるために墓前に藤十郞を呼び寄せ手紙を読み聞かせるのだった。

 

もとより、藤十郞も芸のためと偽りつつも、片時も忘れ去らない恋ごころ。やがて、白無垢の着物を着た「お梶」が現れ、二人で舞う。

そして、心底、惚れた女は「お梶」お前しかいない、生涯、妻は迎えないと藤十郞は嗚咽する。

 

嗚呼、なんとお梶の全てをうけとめ、純愛をつらぬく描き方の芝居か。

 

この「お梶」はまさに新吾演出の真骨頂だ。

 

気高く、度量が大きい男、お梶の旦那・清兵衛を演じる澤村新吾が眩くみえた。

 

 座長と澤村かなが演じる絶妙な演出、暗転のなかで二人の睦言が交わされる。余韻と深み、奥行きが上手く、綺麗な絵になった。やはり、芝居の春陽座だ。

 

*名女優・澤村かなが演じる恋の情念に生きるお梶は出色の出来栄え。

その夫、演じる澤村新吾の飄々とした中にも隠し味が効いた渋い芸が冴えに冴える。

 

 

〇劇団口上   澤村心座長

image

・スケジュール紹介

・前売り券&グッズ

 

〇グランドショー  

はるよこい〜

※ラストショー「泉州まつり節」

 

【画像】

春陽座の芝居には味と演出の細かさ、そして、余韻がある・紀州屋良五郎

▩ 春陽座 梅南座 2021/11/06

☆ 見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます。

☆ 今月、夜の部、17 開始  

★ 入場料金  1500   前売り券  1200

☆ 春陽座結成時に載ってから15年ぶりの梅南座

☆ 毎日が大入!

 

☆ 南座スケジュール

12  嵐山瞳太郎劇団

01  嵐山瞳太郎劇団

 

☆ 春陽座 スケジュール

12  大江戸温泉ニュー塩原

 

メンバー 

劇団責任者 澤村新吾

二代目座長 澤村心

澤村京弥

澤村煌馬  

澤村優夢(ゆず)  

澤村かな

澤村美樹

澤村みらい

澤村姫々

澤村愛夢(あんず)

北條真緒

 

顔見せミニショーはなし

 

〇芝居「瞼の母 

・主演  座長・澤村心

 

*若手が活躍する新世代の春陽座の舞台だ

 

  

座長・澤村心‥忠太郎

北條真緒‥女将おはま

澤村煌馬‥雇人

澤村京弥‥渡世人金五郎

澤村優夢‥雇人

澤村かな‥娘お登世

澤村美樹‥おまつ

ほか

 

あらすじ】

 

やくざ渡世の番場の忠太郎は幼い頃母親に別れ、父親は十二で死に天涯孤独の身の上。

 

その忠太郎が葛飾に弟分の金町の半次郎の家を尋ねる。

 

半次郎の母は気質になろうとしている半次郎を会わせまいとするが、そこへ飯岡一家が半次郎を殺しに来たので忠太郎は彼らを殺し、半次郎の母に字を教えてもらい自分が犯人であると書いて立ち去る。

 

それから母親を探して江戸へ出た忠太郎は夜鷹の老女に柳橋の料理屋水熊の女将が昔江州に子供を残してきたことを聞く。

 

忠太郎は水熊の女将おはまに会いに行くが、おはまにはすでにお登世という娘もあり娘のために忠太郎は自分の子ではないとつっぱねて追い返す。

 

忠太郎とすれ違って兄と悟ったお登世は素盲の金五郎が忠太郎を殺して手柄にしようとしているのを聞き母と二人で荒川堤へ忠太郎を追い駈ける。

 

しかし忠太郎は物陰に隠れて二人には会わず再び股旅の路へと出て行く。

 

*******

 

春陽座の芝居はここから 場所は水熊

 

お登世と女将が和やかに語らうところから

 

そこへ、現れた金五郞。おどし、すかしカネをせしめようと企む。

なにやら、店先が騒がしい。ヤクザものが訪ねてきたようだ。

 

仁義をきりつつ、年ごろに話を切り出す忠太郎。

 

**

 

どの劇団がやっても、ほぼ同じスジの芝居だが、何故に、こうまで違うのか。

 

息をのむ間と丁々発止のセリフ回し、深み有る、表情‥

まるで、沼のように引き込まれる世界だ。

 

さすがは、芝居の春陽座だ。

この母と子の掛け合いは名人芸だ。

 

母親の無情な返答に身体を振るわせ耐え、己の定めに我が身を攻め独白する忠太郎。

 

前非を悔い、お登世にわび、早駕篭で追い返した忠太郎を追う母親と娘。

 

金五郞は気をきかせた店のものからカネを掴まされ、忠太郎をなき者にしようとしていた。

 

ところが、金五郞は女将から頼まれたと切り出したため金五郞一味と真剣勝負とあいなった。

 

みごと、決着はついたが忠太郎の胸のうちは「なぜに、なぜに、そこまで俺が憎いのか‥」の火がメラメラと燃え盛る。

 

母子が会わない悲しいラスト

 

数ある劇団でみたこの芝居。見終えて春陽座、ブラボーと叫びたい。

 

〇劇団口上   澤村心座長

・スケジュール紹介

・前売り券&グッズ

 

〇グランドショー  

 

北條真緒  おんな桐龍院

※ラストショー「純情花吹雪」

 

【画像】

春陽座の芝居には味と演出の細かさ、そして、余韻がある・紀州屋良五郎

▩ 映画『そして、バトンは渡された』を見た

〇 まいどおおきに〜映画メモでおます

 

予告編

 

 

 

第16回本屋大賞で大賞を受賞した、瀬尾まいこの小説を原作にしたドラマ。

STORY

血のつながらない親たちをたらい回しにさせられ、名字を4回も変えた森宮優子(永野芽郁)。いまは義父・森宮さん(田中圭)と二人暮らしをする彼女は、不安ばかりな将来のこと、うまくいかない恋や友人たちとの関係に悩みながら、卒業式で弾く「旅立ちの日に」のピアノの特訓に打ち込んでいた。やがて彼女の人生と運命は、かつて深い愛情を注いでいた娘みぃたんを残して姿を消した女性・梨花石原さとみ)と不思議な形でつながる。

キャスト

永野芽郁田中圭、岡田健史、稲垣来泉朝比奈彩安藤裕子戸田菜穂木野花石原さとみ大森南朋市村正親

スタッフ

原作:瀬尾まいこ
監督:前田哲
脚本:橋本裕志
音楽:富貴晴美
インスパイアソング:SHE'S
製作:高橋雅美、池田宏之、沢桂一、堀義貴、中部嘉人、高津英泰、弓矢政法、渡辺章仁、細野義朗
エグゼクティブプロデューサー:下枝奨、伊藤響、菅井敦
プロデューサー:田口生己、飯沼伸之、白石裕菜
アソシエイトプロデューサー:古林茉莉
撮影:山本英夫
照明:小野晃
音響:白取貢
美術:倉本愛子
装飾:西尾共未
衣裳:宮本茉莉
ヘアメイク:百瀬広美
編集:高橋幸一
VFXスーパーバイザー:諸星勲
音響効果:北田雅也
音楽プロデューサー:千陽崇之
キャスティング:田端利江、山下葉子
記録:井手希美
助監督:山下久義
制作担当:白石治
ラインプロデューサー:伊藤学

 

◯ 見たまま・感じたまま ◯

キャッチコピーは「この感動は一生忘れない」「92.8%が泣いた」「原作と異なるラスト。この感動は一生忘れない――。」となっているが私は泣けなかった。

 

とても、恵まれた家庭環境、実母も素晴らしいし、義母は奔放だが人生を楽しんで生きる。石原さとみほど母親には似つかわしくない演技を見るのも珍しい。血の繫がりがないとはいえ親子のイメージがなぜかわき上がってこないのだ。

 

また、主人公の父が次ぎ入れ替わるがだれも傷つく人も傷つける人も見当たらないのが不思議でならない映画だ。まるで善人だらけのミュージカルを見る思いがした。

 

本作は、優子目線で語られているので、梨花の本心が分かるのはラスト近くになってからである。

 

第2の母、梨花の奔放な振る舞いは全て優子への愛からだったと締めくくることも不自然さがつきまとう。

 

4人もの父、母に愛され、楽天的に生きる浮き世離れした少女の話に涙を流す機会をなくした。

 

世の中、平和だ。映画「ひとくず」をまた、見たくなった。

 

この映画で泣けた人は現実の人生を順風満帆で過ごしている人だけだろう。

 

りょうごろう拝

▩ 春陽座 梅南座 2021/11/05

☆ 見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます。

 

☆ 今月、夜の部、17 開始  

★ 入場料金  1500   前売り券  1200

☆ 春陽座結成時に載ってから15年ぶりの梅南座らしい。

 

☆ 南座スケジュール

12  嵐山瞳太郎劇団

01  嵐山瞳太郎劇団

 

☆ 春陽座 スケジュール

12  大江戸温泉ニュー塩原

 

メンバー 

劇団責任者 澤村新吾

二代目座長 澤村心

澤村京弥

澤村煌馬  

澤村優夢(ゆず)  

澤村かな

澤村美樹

澤村みらい

澤村姫々

澤村愛夢(あんず)

 

  

 

顔見せミニショーはなし

 

〇芝居「お千代人形」 

・主演  座長・澤村心

 

*若手が活躍する新世代の春陽座の舞台だ

 

  

澤村心‥島蔵

澤村煌馬‥新吉

澤村京弥‥悪い親分

澤村優夢‥子分

澤村かな‥桔梗屋の女将

澤村姫々‥女中おたけ

?‥お千代

 

ほか

 

【あらすじ】

 

役人に追われる盗賊の島蔵は弟分の新吉の勧めもあり、母親がつくった千代紙の人形と一緒に赤ん坊のお千代を「桔梗屋」の前に捨て子する。

 

新吉は桔梗屋の女将が子供を欲している事をかねて、知っていた。

 

新吉は島蔵が生きて帰ってきたら必ずお千代に会わせると約束する。

 

桔梗屋に捨て子し、それを、そっと見守る島蔵と新吉。

 

島蔵は新吉に堅気になり、お千代を見守って欲しいと頼み自首する。新吉は桔梗屋に奉公を願いでて女将に頼み込む。

 

女将は新吉をやとい、乳母がわりとして働いてくれということになった。

 

それから、15年の歳月がながれた‥

 

新吉は桔梗屋の番頭となっていたお千代の成長をきっちり見守っていた。

 

そのお千代は結婚することに。しかし、お千代に横恋慕する悪い親分はお千代を誘拐しようと企てる

 

それを知った新吉は悪い親分一家に仕置き受け痛めつけられる。そこに、あらわれたのが島から戻った島蔵にだった。

 

島蔵はお千代に会いたいと新吉に頼むも、父親としてお千代に名乗らせる訳にはいかないと約束を破り申し出を断る新吉。

 

島蔵は島流しでの生活を語る。生きようと必死で頑張ったのはお千代に会いたい‥その思いだけであったと切々と訴える。

 

しかし、新吉は入れ前科者が父親だと知れたら

お千代は結婚できなくなると会わずに去ってくれと頼む。

 

自分の命よりお千代の命が大事だと育ててくれた女将への恩義に報いるためにもお千代に会って父親だと名乗ることだけはやめてくれと訴える。

 

心動かされお千代に会うこと、父親と名乗ることを諦める島蔵。

 

お千代が悪い親分に拉致されることを話し助けてくれるように島蔵に頼む新吉。これを引き受ける島蔵。争いがはじまる‥

 

 闘いで深傷を負う島蔵。その前をお千代が花嫁姿で通りかかる。

 

思わずお千代に父親だと言おうとする島蔵だが‥その口を手で閉じさせる新吉。

 

お千代に土産の花かんざしを渡す島蔵。

そして、お千代の胸元に千代紙で作った人形がある事に気付く島蔵‥う、うっとくる場面や。

 

紙人形の来歴と御守りについて語る娘

 

**舞台が泪で霞む‥ええ、芝居やなあ

最後の最後まで、泣かしょんなぁ

たまらんなぁ、また、大衆演劇に魂を魅入られる

 

 

〇劇団口上   澤村心座長

・スケジュール紹介

・前売り券&グッズ

 

〇グランドショー  

※ラストショー「花城」

 

【画像】

春陽座の芝居には味と演出の細かさ、そして、余韻がある・紀州屋良五郎

▩ 映画『脳天パラダイス』を見た

◯ まいどおおきに映画メモでおます~奇想天外・豪華キャストの映画を見ました

 

 

 

 

脳天パラダイス

2020年 / 日本 / 95分 / 企画 シネインパクト C・C・P / 配給 TOCANA / R15+

監督山本政志

出演南果歩いとうせいこう、田本清嵐、小川未祐、玄理、村上淳古田新太柄本明、大河内健太郎、小竹原晋、星野園美、沢井小次郎、安田ユウ、李丹、張天屹、野村陽介、ニール・ターリセッチィ、アレック・アスギャリー、和川ミユウ、植田紗々、髙橋里恩、江波里香、渡瀬うみな、齋藤勇真、森川貴、庄司浩之、ノブヲ、畑中タメ、吉田茂樹、牧山みどり、 紀那きりこ、藤本国彦、島津志織、小林敏和、菊地敦子、清水ひさを、にぼし、にぼしの声:山下ケイジ、鳳ルミ、柳川竜二、永山愛樹/竹舞(TURTLEISLAND/ALKDO)

公式サイトhttp://no-ten.com/

 

それはささいなツイートから始まった… 「観たら、キマる」この鮮烈なキャッチフレーズととも独創的な作品で常に時代を先行してきた山本政志監督の最新長編映画だ。

 

 とにかく、理屈抜きにブッ飛んだ映画

 

コメディー、SFX、ミュージカル、動物、ワイアーアクション・・・あらゆる映画要素が目まぐるしく投入され、しだいに、頭の中はパラダイス化され、多幸感に包まれてくる。映画の枠組みを完全超越し、超絶体験の連発!新型コロナウイルスが吹き荒れる中で

 

あらゆる厄わざわいを吹き飛ばす「脳天パラダイス」へ、ようこそ

 

 

◯ 私の見たまま・感じたまま ◯

 

とにかく度肝を抜く映画だ。はじまりはSNSのつぶやきだった。それが、こんな奇想天外な展開を生むとは想像もつかないのがおもしろい。

 

生も死も乗り越え、エロスもタナトスもごちゃ混ぜにして、まさに脳みそをジューサーにかけたような映画だ。個性派俳優が沢山登場するだけでも見応え充分だ。

 

ただ、そこにいるだけで不思議な空間が出現する。この映画が狂乱なのではない。世の中が狂乱過ぎるから、かえって癒やされるという不思議な感覚に浸れる。

 

まあ、一見の価値はあるぞ。

 

▩ 映画『神在月のこども』(アニメ)を見た

◯ まいどおおきに映画メモでおます~アニメです

 

 

 
STORY

母を亡くしたことがきっかけで、大好きだった走ることが嫌いになってしまった12歳の少女カンナ。固く心を閉ざす中、母の形見に触れた彼女の前に神の使いである白いうさぎが現れ、出雲への旅にいざなう。出雲に行けば亡き母に会えるかもしれないといううさぎの言葉を信じ、神々を迎えて祭る神話の地でもある出雲に向かうカンナは、行く手に立ちふさがる鬼の子孫・夜叉を筆頭に、八百万(やおよろづ)のさまざまな神と出会うことになる。

 

キャスト

(声の出演)、蒔田彩珠坂本真綾入野自由、新津ちせ、永瀬莉子、茶風林高木渉神谷明

スタッフ

原作・コミュニケーション監督・脚本:四戸俊成
アニメーション監督・絵コンテ:白井孝奈
脚本:三宅隆太、瀧田哲郎
キャラクターデザイン・総作画監:佐川遥
神様デザイン:小田裕康
色彩設計:垣田由紀子
美術監督:佐藤豪志
撮影監督:高津純平
音響監督:岩波美和
クリエーション監督・絵コンテ:坂本一也
絵コンテ:望月智充
エグゼクティブプロデューサー:小金澤剛康、西出将之、関口忠宏
統括プロデューサー:オシアウコ
プロデューサー:三島鉄兵、吉田佳弘
プロダクションマネージャー:里見哲郎
スーパーバイザー:諏訪道彦
主題歌:miwa

上映時間  99分
 
◯ 私がみたままを感じるままに ◯
 
この映画にもちょこっと『鬼』がでる。鬼滅の影響は随分浸透している。
 
日本がもと、八百万の神の国だったことを思い出されるアニメだ。
そこに、あわれる神たち、例えば韋駄天とか大黒天などはインド仏教でも日本の仏教でも随所に融合し、取り入れられている。日本でキリスト教より仏教が広く受け入れられた一因は仏教の土俗融合性、融通性に起因しているように思える。
 
映画のタイトルがおもしろい。神無月とは旧暦の10月をさし、日本中の神様が出雲の地に集まり『神様のサミット』をおこなうところにこの名の由来がある。そんな神々しい集いだから全国からごちそうがお供物として集められた。それを運ぶのが足の速い神の使いである『韋駄天』なのだ。
 
主人公の名のかんなも「神無」に由来する。母は韋駄天の末裔として育ち娘にもその血が受け継がれた。母とともにマラソンの練習に励む毎日をおくるカンナであったが……だが、病気のため母は早逝し、そんな母に会うため遺品の勾玉をまもりとして神の使い因幡の白ウサギや夜叉むの助けを借りて出雲のサミットへと向かう。
 
「縁はむすぶ」ものだと大国主の尊はかんなに諭す。
 
全編通じて「人は自分を超えた大いなる力があることを忘れたときにいつしか自らが神になったと錯覚する」そこに傲慢・我欲をほしいままにする。
 
やがて引き起こされる乱世は人・リーダーが恐れる物を欠いたとき大いに民を抑圧する事をこの映画は教えているように思えた。きいてるか麻生・安倍・甘利。あなた立ちだけが許されるルールはないんだょ
 
癒やされる作品だ。出雲地方に旅したくなった。
 

▩ 映画『人と仕事』を見た

◯ まいどおおきに映画メモでおます~ドキュメンタリー映画でおまんねや

 

 

 

STORY

2020年、新型コロナウイルスの感染者数が増加し、政府は緊急事態宣言を発令する。保育士や農家、児童相談所の職員などリモートではできない仕事に従事するエッセンシャルワーカーの人々を、有村架純と志尊淳がそれぞれ訪ねる。また、コロナ禍の街で出会った学生やシングルマザーなどにその実状を聞く。

キャスト

有村架純、志尊淳

スタッフ

監督:森ガキ侑大
企画・製作・エグゼクティブプロデューサー:河村光庸
製作:堀内大示、森田圭
プロデューサー:長井龍、花田聖
プロデューサー・撮影:小松原茂幸
音楽:岩代太郎
編集:鈴尾啓太
編集助手:藤井遼介
撮影:Junpei Suzuki、西山勲、佐野円香、森英人、山崎裕
録音:森英司、黒木禎二
歌:吉田美奈子& W.I.
作詞:土城温美

上映時間 97分
 
◯ 私の見たまま・感じたまま ◯
 
まだ、コロナが終息したわけではないが若い人達の手で声にならなかった人達を訪ねて丁寧に聞き取り、その受け止めを改めて考え思う。そうすると、この国のかたちが見えてくる。
 
ほんとうに、光を当てなければならない人達はここにいる。でも、ドキュメンタリーにしては底が浅く、軽く撫でていく風のような仕上がりにやや不満だ。
 
ヤクザも出ないし、テキ屋遊郭で働く人達、ストリッパー、宗教者、旅役者、大道芸人、清掃業者、葬儀関係者、などなど。もっと見えない人達がこのコロナ禍でどう生きているのか、そのあたりを掘り下げて欲しかった。政治家・宗教家の大半がなにもしなかった・なんの役にも立たなかったこともね……
 
ありのママを紡ぎ出せばドキュメンタリー映画になると思うなら浅はかだ。とはキツすぎる所感。