紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 若手で決める名作の舞台 長谷川劇団 浪速クラブ 2022/11/21

☆ まいどおおきに〜観劇メモでおます

長谷川劇団公式Twitterより
 

☆ 夜の部 芝居から  

     お客様は夜は60余名、本日はトリプル

昨日は芝居・三婆のみの3時間でフィフスの大入。

今月の浪速クラブは熱すぎる

 

 

☆ コロナ禍の中で苦闘を続けて来た長谷川劇団だからこそ舞台を誰よりどこより必死に務める思いが客席まで伝わってくる。

 

メンバー

総座長  愛京花

座長  長谷川武弥

副座長  長谷川乱之助

花形 長谷川一馬

花形 京未来  

長谷川舞

京詩音

長谷川礼音

長谷川愁

長谷川桜

ゲスト

都京弥

藤仙太郎

駒澤輝馬

駒澤優輝

 

 

芝居からの始まり

 

芝居「狐狸狐狸ばなし」

 

<主な配役>

京未来‥おきわ

長谷川武弥‥寺男の甚平

愛京花‥又市

長谷川一馬‥伊之助

長谷川詩音‥弔いひと

長谷川桜‥牛娘おそめ

長谷川乱之助

長谷川舞‥弔いひと

都京弥‥福蔵

駒澤輝馬‥法印(重善)

駒澤優輝‥うどん屋

 

ほか

 

〈あらすじ〉

 

吉原田圃で手拭屋をしている伊之助はもと上方芝居の女形

 

その女房おきわも元下座で三味線をひいていた女だが、酒飲みで怠け者の上、今では近所の閻魔堂に住む法印の重善と深い仲である。

 

ところがその重善に婿養子の話が持ち上がった。

 

相手は上方下りの財産家「山権」の娘で世間では「牛娘」と評判のおそめ。

 

これを聞いて嫉妬するおきわに、重善は「伊之助が気がつかないうちに別れよう」と持ちかけるが、おきわは「亭主は自分たち二人の仲を知っている」と言い出す。

 

こちらは重善のすむ閻魔堂。

 

おそめとの間を仲介した福蔵がやってきて重善に婿入りを催促する。

 

そこへおそめも忍んできて重善に口移しでお酒を飲ませたり、ベロベロ嘗め回したりしていると、おきわがやってきて刃物をふりまわし、おそめは逃げ帰る。

 

おきわが「いっしょに逃げて」と頼むと「それなら亭主を殺せ」と重善は言う。

 

伊之助のうちでは、伊之助が女房のお腰を洗濯しているところ。

 

そこへ帰ってきたおきわと、用意しておいたふぐ鍋を食べ始める。

 

するとちょっと頭の弱い手伝いの又市が、染め粉を買って帰ってくる。

 

伊之助は「染め粉は毒だから注意するように」と言う。

 

それを聞いていたおきわは、伊之助が部屋を出た隙に、染め粉をふぐ鍋に入れる。戻ってきた伊之助はふぐ鍋を食べて、苦しみだし倒れる。

 

翌日、「伊之助はふぐにあたって死んだ」ということにして重善が経を読んで葬式をだし、火葬場に運ぶ。

 

又市を番に残し重善とおきわは閻魔堂へ引き上げる。その後から亡者の姿の伊之助が付いていく。

 

その次の朝、二人のところへ青い顔をした又市が「だんなさんがお上さんを呼んで来いといっている」と言いにくる。

 

たしか昨日火葬にしたはずなのにと、皆はぞっとする。そこへおきわを迎えに来た伊之助見て、重善は狂ったように木魚をたたき出す。

 

伊之助はどうも幽霊ではなさそうなので、重善、甚平、福蔵、又市とおきわは一計を案じ、古沼のほとりでもう一度伊之助を殺すことにする。

 

すると又市が「今までこき使われてきた恨みをはらしたいので、自分にやらせてくれ」と言い出し、後の連中はうどんを食べながら待つ事にする。

 

しばらくたって又市が「死体は沼の底に沈めた」と帰ってくる。

 

しかしまたもやその後から伊之助の亡霊がついてくるので皆恐れおののいて逃げ出す。

 

閻魔堂ではおきわが重善に一緒に逃げてくれるよう必死にたのむが、重善は伊之助の亡霊から逃れたい一心で、牛娘の親の世話になることにひそかに決めている。

 

それを悟ったおきわは重善に、伊之助に飲ませたと同じ毒を酒にまぜて飲ませ、自分もそれを飲みほす。

 

毒を飲まされたと知って重善はも今にも死ぬと動転するが、なぜだか何事もおこらない。

 

しかしここにも伊之助の亡霊がやって来るので、重善は泡を喰らって逃げ出し、おきわは気を失う。

 

それからしばらくたったある日、伊之助の家では気のふれたおきわが庭先で三味線を弾いている。

 

実は伊之助を殺したはずの又市は狂言作者で、おきわの浮気に気をもんだ伊之助に頼まれて一芝居うったのだった。毒だという染め粉もわざと仕掛けた嘘だった。

 

何もわからなくなったおきわの口にご飯を食べさせてやる伊之助も、今ではちょっぴり後悔している。だが「もう浮気される心配もなくなった」と伊之助はおきわをおいて又市と遊びに出かける。

 

ところがそこへ寺男の甚平がやってくると、皆がてっきり気がふれたとばかり思っていたおきわは、なんとウキウキしながら重善からの便りを聞いているではないか。

 

だましたと思ったらだまされていた、狐と狸の化かしあいのような夫婦だったのだ。

 

 いや〜恐れいりました。テンポも間もよい、お色気もちりばめた素晴らしい喜劇だ。

しかも、若手でこれだけ演じるとは長谷川劇団は盤石の体制だ。

 

 ほんまに、細かい芝居するな〜おっさん、たまらんで〜

 

 おきわに扮する京未来が三味線で金比羅ふねふね奏で余韻残して幕となる。

 

 

北条秀司作の傑作喜劇、「狐狸狐狸ばなし」は昭和36年に伊之助に森繁、重善に勘三郎、おきわに山田五十鈴、又市に三木のり平に当てはめて書かれた芝居である。

 

 

☆ 口上挨拶 

     座長  長谷川武弥、駒澤輝馬、長谷川一馬

 

 

☆ 舞踊ショー

写真はすべて公式Twitter、公式ブログからの引用です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

画像★ *劇団発表で当面禁止

 画像はすべて、長谷川劇団公式ブログ、長谷川劇団公式Twitterからの転載です

 

洋々とした未来が見える長谷川劇団、溌剌と若手が実力磨く・紀州屋良五郎

▩ 名作「瞼の母」熱演の若座長 花柳願竜劇団 木川劇場 2022/11/19

☆ 見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます

 伝統受け継ぐ姉妹競演

 

 

【花柳願竜劇団スケジュール】

12 御所羅い舞座

01 南座

 

【木川劇場の予定】

◉名物のおでんが復活、味は関西ベスト10に入る

大阪の劇場では「おでん」はここだけだ。

5点セットで500円+すじはサービス

出汁は秘伝、すじはデリシャス本場仕込みの味

 

12  劇団あやめ

01  一竜座

 

メンバー

座長  花柳願竜

若座長  花柳竜乃

花形  二代目 香賀峰子

花柳さつき

若頭 あつし

蓮志

みずき

ほか

 

☆ 顔見せミニショー

※ラスト かみなりの歌

 

 ★芝居「瞼の母

 

*花柳竜乃の渡世人口調が伝統の芝居を光らせる

 

*竜乃の忠太郎、そして、花柳さつきのおはまのやりとり証拠に示した備前長船、ハッと気づいたおはま、こみ上げる堰愛の情を押し殺した細かい演技がひときわ冴える。

 

*いろんな劇団で見ているこの芝居。花柳劇団でも明生座と今回で2回目になるが、前回を遥かに超える泣ける芝居になっている。飛躍的に厚みを感じる。とても、感動し涙した。

 

<あらすじ>

 

主役  花柳竜乃‥番場の忠太郎

香賀峰子‥お登世

座長‥夜鷹

花柳さつき‥おはま

あつし‥水熊屋板前喜助明神一家松五郎

ほか

 

 

若座長の渡世訛りの語りから始まる〜

ふらりと訪ねてきた夜鷹が女将に会わせろと喜助に頼むもすげない応対

 

そこに、現れた忠太郎

場所は料亭・水熊屋の店先

 

番場の忠太郎は、五歳の時に生き別れになった母親を探して旅をする渡世人

 

江戸へ出た忠太郎、道すがら出会った老いた夜鷹に尋ねてみると‥柳橋の料理屋水熊の女将が昔江州に子供を残してきたことを聞く。

 

忠太郎は水熊の女将おはまに会いに行く。

 

店先で妹、お登世と出会う、すれ違いにふと‥

因縁めいた予感が‥

 

余韻のある所作が綺麗な無言劇‥効果と所作でみせる芝居はなかなかの演出だ。

 

「おっかさん〜」と叫ぶ忠太郎‥

 

場面かわり水熊店のなか

 

いきなり、入り来た忠太郎

最初は身代をゆすりに来たやくざと勘違いしたおはまだったが、すぐに倅であると気づく。

 

だがおはまは再婚した相手との間にもうけた娘・お登世の縁談もあり、自分の子ではないと突っぱねて忠太郎をすげなく追い返す。

 

やくざ渡世で訪ねてきたに、身代目当てと邪推され、

堪忍袋も切れた忠太郎、黄金が袋からちゃりん、ちゃりんと威勢よく床にこぼり落ちた。大枚の小判が悲しい音をたてる。

 

母よ、達者でいてくれと念じて、ためにためた命の黄金。

無念じゃないかおっ母さん、忠太郎は泣けるんだ。

はらりとこぼれる涙を‥うち払い、泣いてたまるか泣くものか、おいらの瞼にゃにっこり笑う母がいる。

 

失意のうちに出てゆく忠太郎とすれ違ったお登世は、それがいつも母から聞かされていた兄だと悟る。

 

忠太郎は手柄目当ての浪人・金五郎に狙われていることを知ったお登世は、荒川堤へと母と二人で籠で忠太郎の後を追う。

 

しかし忠太郎はそれと気づくも、母と妹に名乗ることなく、一人姿を消すのだった。

 

*ご存じ長谷川伸原作の著名な芝居。

*忠太郎に一瞬会える再会バージョンで一層高まる感度‥‥

 

*将来のことを考え冷たい態度をとる母のせりふの応酬、名ぜりふがこの芝居の見どころだ。

 

★参考★

朗読劇  「瞼の母」 

忠太郎‥市川中車   おはま‥坂東玉三郎

 

 

舞台口上   花柳竜乃若座長

三重大学で講義をしたときの学生たちとのエピソード、大衆演劇についての質疑応答

・前売り券&グッズ販売

 

舞踊ショー 

・ラストショー  極楽浄土

 

【画像】

女剣時代を彷彿とさせる花柳竜乃の熱演が燦然と光る・紀州屋良五郎

▩ 見海堂劇団 ゲスト・三代目藤ひろし 八尾グランドホテル 2022/11/18

見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます。

かわいい女形大衆演劇トップランナー18才で総座長襲名以来10年。

 

★ 八尾グランド劇場初乗り。この劇場に初めてのれば全国一の座を手にする。3度のれば不動の地位得るという都市伝説がある。劇団美山がそうであったように。これはリップサービス

 

★ 藤ひろし座長を関西で見る絶好の機会。

 

開演前の英語によるアナウンスはこの劇団のオリジナル。

 

ゲスト

劇団 ひろしプロジェクト  座長  三代目  藤ひろし

               

★ 本日はショーが先、芝居が後の二部構成バージョン。通常、この劇場は昼は芝居+ショー、夜はショーのみだが、見海堂劇団は土日は芝居も昼夜替えで奮闘。

 

細部に拘る小道具、セット、降りしきる雪、殺戮の効果音、雪の華をつけた枝、更に照明を駆使した舞台づくりは素晴らしい。

 

花道や通路まで使った殺陣、芝居演出は巧み。

 

メンバー  (劇団連名表より)

総座長  見海堂真之介

代表  見海堂駿

風吹あさと

見海堂獅子

見海堂斗士希

見海堂光

花形  見海堂虎之介

見海堂卓哉

見海堂亮

富士野静華

富士野竜花

富士野竜子

あっぱれ水晶

おまつり野郎

わっしょい海奏

 

 

 

 

花の新歌舞ショー 

・ゲスト出演紹介  

     ひろしプロジェクト  座長・藤ひろし

 

【画像】

 

 

 オリジナル狂言「女座頭市〜宿命〜」

 

キャスト

 

 

・見海堂真之介‥女座頭市いち

・藤ひろし‥黒塚一家親分

・見海堂虎之介‥源蔵

・キラリかのん‥いちの幼少の頃

・見海堂駿‥おこも

・風吹あさと‥岡倉大八一家親分

・富士野竜花‥嫁

・ほか

 

<あらすじ>

 

病で目の見えなくなった娘を思い、人に預けて自分は死ぬ覚悟をした父。忘れ形見として、鈴をもたせる。題目を唱え幼きおいちを捨てる。

たった二分のカネで売渡した後悔がよぎる‥

 

 

ところが、因縁の鈴が娘と父を引き合わせる。それが宿命なのか‥‥

 

 ドラマチックなタイトルパネル演出はまさに、劇画の世界、私がこれからの大衆演劇界に期待してきた演出だ。照明の演出も効果的で新時代の大衆演劇の一端がみえる。また、このタイトルパネル演出は芝居のダイジェストともなっている

 

幕前で展開される 話のあらましは、芝居をわかりやすくしている。

 

場面は休み処

 

賭博場での出来事をかたる子分たち。そこに、現れたのが三味線ひきの盲目の女おいち。

 

剣士となったのは盲目で生きる支えとしてだった。

生きる為に剣を夫から教えてもらった。人を斬ると心も暗くなると諭されながら‥

 

おこもが食べものに手をつけたと責め苦を与えるヤクザものに、止めに分け入るおいち。自らの宿命を見たおいち。

 

彼らが突きつけた条件は黒塚一家親分を始末するなら、おこもの命は助けてやると‥

 

引受けたおいちは、おこもから身の上話をきかされる。そして、自らもまた身の上を話すのだった。

 

瞽女は芸能伝承の伝道者でもあった。三波春夫瞽女歌こそ民謡、浪曲、阿呆陀羅経、チョンガレの源流であると説いた。

 

おいちは、きっと「おこも」に自らの宿命を重ねたに違いない。人を斬るために使ってはならない剣の道、呪われたおのれの定めと一纏めにして、斬ってやる。鬼が身には入ったおいちは一心に駆け出した。

 

向かった先は、黒塚一家親分。

 

 盲目を演じながら殺陣をこなす。この至難な立ち回りを舞台狭しと繰り広げる見海堂慎之介座長に拍手だ!

 

果たし合いの場は雪深い山中、だが現れたのは親分ではなく名代を勝手に名乗った若親分の源蔵だった。源蔵がいちに斬り殺される様をまじまじと見る駆けつけてきた黒塚一家親分。

 

いちと黒塚親分の命のやりとりが今、始まろうとしている。名画を見るような凄まじい殺陣と殺陣。

 

藤ひろし座長と見海堂慎之介座長。これが大衆演劇の見せ場だ。

 

父は命を込めて、語りだす。おいちと別れた宿命の糸をたぐりだすように。とっつあんのせりふは火のように‥喉が焼けるように

 

ああ、こんな、形で出会うとは、これが俺たち二人の宿命なのだ。

 

いち〜生きてて良かった。お前に斬られてほんもうだ。もう俺を苦しめないでくれ〜

 

お前のさだめ  俺たち親子の宿命

 

これで、厄介ものの親分は片づいたとほざく、岡倉一家親分、女房を一網打尽に始末する

おいちは座頭市〜ならぬ 座長一だ。!?

 

気も振れんばかりの激演の座長。

27才座長はすさまじい天賦の才。

 

オールキャストによるエンディングで幕

 

可愛い仕草の女形と野太い腹の座った立役の使い分けは見事、あっぱれ見海堂慎之介・紀州屋良五郎

 

両座長の真博の芝居に涙す。多謝多謝!

拍手やまず‥‥

 

 

参考

観劇ファンポータルサイト  最善席

https://saizenseki.com/oochi/20210715/

 

 

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▩ 映画『すずめの戸締まり』を見た

〇 欠かさず見ている新海誠作品

🔻入口でもらった冊子より

 

 

 

 

 

 

〇 予告編

 

〇 STORY

九州の静かな町で生活している17歳の岩戸鈴芽は、”扉”を探しているという青年、宗像草太に出会う。草太の後を追って山中の廃虚にたどり着いた鈴芽は、そこにあった古い扉に手を伸ばす。やがて、日本各地で扉が開き始めるが、それらの扉は向こう側から災いをもたらすのだという。鈴芽は、災いの元となる扉を閉めるために旅立つ。

キャスト

(声の出演)、松村北斗原菜乃華深津絵里染谷将太伊藤沙莉、花瀬琴音、花澤香菜松本白鸚

スタッフ

原作・脚本・監督:新海誠
キャラクターデザイン:田中将賀
作画監督:土屋堅一
美術監督:丹治匠
音楽:RADWIMPS、陣内一真

上映時間
120分
 
〇 わたしはこのように見た 〇
 
やはり、期待を裏切らない新海誠作品だった。
 
まさに、監督が云う「観客の何かを変えてしまう力が映画にあるのなら、美しいことや正しいことにその力を使いたい」という新海ワールド全開の作品だ。
 
君の名は。」「天気の子」そして今作。一貫して描かれる神話の世界。大いなる自然のなかで人は生きている。天岩戸を開かせるきっかけをつくったのは「神楽」を舞う芸能の神。そのアクションを行う主人公がアメノウズメだ。地を鎮め、扉を開けて開放するウズメから主人公「鈴芽・スズメ」が生まれた。
 
とっても素晴らしい映画だ。なぜか、母と別れた幼き鈴芽に出会うスズメ。ここまで見ていて、このシーンで、一気に涙が溢れた。こんなに感性を震わせてくれた映画はかつてなかった。
 
それでいて、各世代の女性の生き方、コミカルな生活感溢れるシーン、そしてほんのりした恋。エンターティメントとしての要素ももりこんだとても贅沢な作品だ。120分間、飽きさせない大作なんぞそうあるものではない。
 
ベースになっているのは東日本大震災津波にさらわれた母と残された少女・スズメ、神話の世界を借りながら自然と人間ありようを描く。流れる曲はどれも素晴らしい。
 
「おはよう」「いってきます」「いってらっしゃい」なにげない日常の中にすべてがあるなんてすばらしすぎるじゃないか。
 
おそらく、だれもがはっと気づく、何かを感じる映画だと思う。

▩ 花柳願竜劇団 木川劇場 2022/11/14

 まいどおおきに〜観劇メモでおます

 

 

 

 

★ 

 

 

【花柳願竜劇団これからの予定】

12  御所羅い舞座

01  南座

 

【木川劇場の予定】

12 劇団あやめ

 

メンバー

座長  花柳願竜

花柳さつき

若座長  花柳竜乃

花形  二代目 香賀峰子

若頭  あつし

麗志

ゲスト

 

 

ミニショー  

・あつし中心に峰子ほか  千恵っ子よされ〜

・花柳さつき

・若座長  花柳竜乃

・花柳四人衆   ラスト  

 

 ★芝居「忠臣蔵外伝  神崎与五郎の生い立ち」

▩配役 

 

花柳竜乃‥与一の母

座長‥神崎与一兵衛

香賀峰子‥神崎与五郎の幼少期、与一

花柳さつき‥大名

あつし‥若様の家来

麗志‥若様

ほか

 

 簡単なすじ 

 血の通う親子より主君への忠義を貫く子を後継者に〜このテーマが今に通じるかの芝居と見た。

 

・魚釣り禁制の沼で鯉を釣った与五郎。

咎められるも母の救命という事情に免じ許される。

が、しかし、次いで止めに入った若様を傷つけてしまう。逃げる与五郎。

 

* しかも、釣り上げた鯉はピクンと動くしかけまで施し活きのいいところを表すというこだわりはこの劇団ならでは小道具のこだわり。唸りまっせ。

 

場面かわり、与一兵衛の家

さっそく母親に鯉の生き血を献じる。不審に思った母親は与一を問いただすと浅野家の禁制の沼でとり、責められた いざかいから若様まであやめたとつげる。

 

行く末は身命を賭す覚悟と与一は告白する。

命を落とすその際に帰り来た父。

 

父は魚釣りを禁じた所以を順々とかたりだす。

 

すべてを聞いて、わが子を引き連れ引き回し、神崎邸へと赴く。

 

母親はかねて用意の死に装束を涙ながらに着せて送りだす。

 

見届けた母は自害を遂げる。ああ、憐れなるかな‥悲しすぎる物語。

 

場面かわり浅野邸

 

父に荒縄で引き回された与一が入ってくる。

子細を聞き、若様の父、神崎主人は主従の因縁を問いただすと見事に的を得た返答に、荒縄解いてやる主人。

 

実子の死を超える主従の倫理、武士道の真実。

赤穂浪士の物語は共感できる処と今には通じない部分があることが有り体にわかるお話である。

 

*この話、やはり、義士傳の中ではレアなもの。

 

若様の死に寄せる親としての情より忠義・武士道。

孝道は忠義に通じる。

しかし、現代ではやはり、忠君は理解しがたい時代だな

 

 講談がベースの芝居。たぶん、この劇団でしか見れないレアな魅力の芝居。

 

忠臣蔵外伝のような家臣が閣内にもいれば岸田内閣は盤石なのだが‥お友達や我が子重用の政界。

現今の日本はどこを探しても寝首をかく奴ばかり、

道も孝道も、夫婦道も荒れ放題だから『大衆演劇』が唯一の水鏡なのだ。

 

しゃんとしろ日本!カツを入れましょう!大衆演劇で。

 

★ レアなお芝居だが私はこんな芝居に巡り会い今日は大満足なり‥‥

 

孝子庄吉 浪曲

https://engei-yanbe.com/archives/3018

 

 

☆ 講談の『赤穂義士傳』は、「本傳」「銘々傳」「外傳」の3つから成り、実に、全て合わせると五百席を超えると言われており、誰も全部聴いた事がないと言われている。

 

口上挨拶  若座長 花柳竜乃

・前売り券&グッズ販売

三重大学で講義(民俗学の講座で大衆演劇についての講座を担当されている)をするので若座長は一日だけお休み頂きます。  先生になって頑張ってね

 

舞踊ショー 

・秋田大黒舞〜俵積み歌でオープニング

 

・ラスト  お祭りマンボ

 

〜この劇団で 創作ラストショー

『天の岩戸・アマテラスーすずめの戸締まり(新海誠アニメ作品)より』が見たい。←これは若座長への要望リクエストです ヒントは明日の当ブログにて。

 

【画像】

 

緻密な時代考証、芝居のこだわり練り上げたショー構成で魅了 芝居の宝庫・大衆演劇本格派は花柳願竜劇団・紀州屋良五郎

 

★ 外題の選択は集客のバロメーターなのか?、深みのある芝居を求める・コアな10%の客を満足させるか、一般客の60%を満足させるか、難しい選択やなぁ。

▩ 早乙女紫虎公演 劇団一旗 華舞台 星天座 2022/11/06

 見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます

 

 たくさんの祝い花輪とゲスト出演で一座華やぐ。

フリー座長としての一つの公演形態。これができるのはやはり人脈、仁徳、そして何より実力がものをいう。本日昼の部は約60(定員111)

 

▲自転車が並ぶのは地元のお客様が定着している証

 

▲座り心地のよい椅子は松山のシネマから移設。 ドリンクホルダーもある。

 

★ 大入り御礼はつづく。最少の日でも昼夜で150は入る。それにしても、この華舞台 星天座の快進撃は凄いものがある。並々ならぬ劇場の取り組みは関西オンリーワンだと言い切りましょう。わずか、1年だよ。

image

★今月のゲスト出演の日は予約でほぼ席が完売、立ち見になったり、入場制限があります。宝海大空大川良太郎など華やかなゲスト多数を予定している。劇場さんへ要確認。

 

 

★劇団一旗の構成メンバー

座長  早乙女紫虎

澤村龍聖

音羽屋幸枝(山戸一樹 改め)

城津果沙

沢村千華

㐂樂屋斎右衛門

 

 

 

☆ 華舞台 星天座スケジュール 

12 劇団神龍

 

1 澤村千夜

2 嵐瞳劇

3 森川竜馬劇団

 

 

☆ 狂言 「人情深川流し」  (80)

大川お堀端

 

老境の親爺が仲立のカネにめがくらみ、抵抗する可愛い娘のお花を油問屋伊勢屋の旦那(老人)に嫁がせ、亡くなったあとの財産を狙おうと企てようとしていた。 

 

元はといえば、長吉とお花の二人は棄て子。それを育て面倒を見てきたのがこの親爺だった。

義理と人情が絡む大衆演劇的ワールドのはじまりだ。


長吉が止めに入り、揉み合っている間に過って父っつあんを斬って逃げて行く。しかし、これはかすり傷。
それを見ていた十手持ちの七五郎は、親爺を殺し、長吉に罪をなすりつけ、借金もチャラにしてしまう。

長吉の家

十手持ちの七五郎が長吉を親殺しの罪で捕まえに来る。

そこへ長吉の兄貴分の徳蔵が長吉を囲まい、七五郎に面を割られながらも長吉のために辛抱して、知り合いの船頭のいる渡し場から木更津に逃げるられるように助ける。

渡し場

長吉が渡し場に来たところを七五郎に見つかり、七五郎一家と長吉が対決。
長吉が船頭の佐吉に長吉を縛る縄を要求するが、佐吉は短い縄や中途半端な縄を渡して笑いを誘う。

 

首尾よく、逃がしたところで幕。
 

所感

 

音羽屋幸枝さん(山戸一樹さん)が加わるだけで芝居の深みがかわるのだ。こんな方はほんとうに少なくなった。

 

 

****

 

****

 

 

口上挨拶  早乙女紫虎

 

 

 

・楽しく元気よくをモットーにやっております。

・支えてくれる周りのメンバーがたいへんですが隣のコーナン鯛焼きをエサにして釣りながらやっております。ぜひ、ご来場をと座長。

 

・この明るいキャラが客席と楽屋をあきさせないのか 不思議な魅力の早乙女紫虎座長なのだ。

 

舞踊ショー  

・工夫こらした飽きさせないショー構成

・ラスト舞踊  リザード

  

【画像】

早乙女紫虎はなんて嫌味のない役者だ。キラキラ光る芸風と引きつけ力に人は集まるのか・紀州屋良五郎

▩ 映画『耳をすませば』を見た

〇 まいど、おおきに。こんな映画を見ました。

 

〇 予告編

 

 

 

 

 

 

 

STORY

本を読むことが好きな中学3年生の月島雫は、最悪な印象を抱いていたクラスメートの天沢聖司が懸命に自分の夢を追いかけている姿を目にして徐々に心惹(ひ)かれていく。対する聖司も彼女が小説家になるという夢を抱いているのを知って意識し始める。お互いに夢をかなえようと誓い合う二人だったが、それから10年が経って24歳になった雫(清野菜名)は出版社に勤めて児童小説を編集していた。いつしか小説家になるのを諦め、夢を追って海外で暮らす聖司(松坂桃李)との間に距離も生じていたが……。

 

読書が大好きで元気いっぱいな中学生の女の子・月島雫。
彼女は図書貸出カードでよく見かける、
ある名前が頭から離れなかった。
天沢聖司―――全部私よりも先に読んでる―――
どんなひとなんだろう。
あるきっかけで“最悪の出会い”を果たした二人だが、
聖司に大きな夢があることを知り、
次第に惹かれていく雫。
聖司に背中を押され、
雫も自分の夢を胸に抱くようになったが、
ある日聖司から夢を叶えるため
イタリアに渡ると打ち明けられ、
離れ離れになってもそれぞれの夢を追いかけ、
また必ず会おうと誓い合う。

それから10年の時が流れた、1998年。
雫は、児童書の編集者として
出版社で働きながら夢を追い続けていたが、
思うようにいかずもがいていた。
もう駄目なのかも知れない―――
そんな気持ちが大きくなる度に、
遠く離れたイタリアで奮闘する聖司を想い、
自分を奮い立たせていた。
一方の聖司も順風満帆ではなかった。
戸惑い、もどかしい日々を送っていたが、
聖司にとっての支えも同じく雫であった。
ある日、雫は仕事で大きなミスをしてしまい、
仕事か夢のどちらを取るか選択を迫られる。
答えを見つけに向かった先は―――。

 

 

キャスト

清野菜名松坂桃李山田裕貴内田理央、安原琉那、中川翼、荒木飛羽、住友沙来、音尾琢真松本まりか、中田圭祐、小林隆森口瑤子田中圭近藤正臣

スタッフ

原作:柊あおい
監督・脚本:平川雄一
主題歌:杏
撮影:中山光一
照明:藤井勇
録音:豊田真一
音楽:高見優
美術:相馬直樹
装飾:田中宏
スペシャルスチール:カンヤダ

上映時間
115分

 

〇 私が見たまま、感じたまま 〇

 

ジブリ製作のアニメ版は以前見ていた。実写を見てやはり、異なった印象をもった。

 

私としてはイメージが膨らむアニメに軍配をあげたいところだが見るのを進めていけば実写の良さもわかった。アニメはイメージの広がり、実写は舞台ミュージカルの感触という感じだ。

 

カントリーロード」も「翼をください」も名曲である。聞いているだけでも幸せな気分にさせてくれるいい作品だ。

 

幅広い年代が、それぞれに楽しい気分を味わえる数少ない映画のひとつだろう。

 

雫が挫折しかけたとき、たとえ、音が聞こえてこなくなっても「耳をすませば心の声が聞こえてくる」と話す老人の語りかけはこの作品の魂だ。

 

公衆電話ボックス、テレフォンカード、地球の歩き方の本を携え海外へなど限りなく昭和のアイテムがちりばめられているのはとても懐かしい。

 

イタリア行きで気持ちの整理をつけようとした雫だったが10年の遠距離恋愛に区切りをつけ失意の中に帰国する。

 

しかし、想像もしなかった、ここからのどんでん返しには一気に佳境へと駆け上がる。

素晴らしいラストのつくりかただ。

 

でも、なぜか少し後味が悪い。こんな形では聖司の本意があまりに自分本位に見えてしまうのは私だけだろうか。もう少し聖司にとっても救いのあるストーリーにならなかったのだろうかしこりが残った。

 

実写版はまるで舞台でミュージカルを見る思いがした。見終わっても余韻に浸かれるいい作品である。家族で見ながらそれぞれに楽しめる映画だ。

 

いまからでも、遅くはない、バロンとともに、さあ、夢をみよう。