紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 森川劇団 華舞台 星天座 2023/03/05

○ まいどおおきに〜観劇メモでおます

老舗実力派劇団

 

★この日若座長の森川煌大が熱のため、声が出ず急遽出演を見合せた。

検査もしたが陰性でコロナではないらしいが心配はつきない。

 

役者は身体が第一だ。激闘の日々が続く、休む時は休んで欲しいというのがファン心理だ。

 

しかし、煌大は舞踊ショーで「山河」を舞うのである。

心は舞台とともに、父子相伝の役者魂を見た。

 

 

劇団メンバー

座長  森川竜二

若座長  森川煌大

リーダー  森慶次郎

夢川なみ

夢川美空

夢川結月

夢川かのこ

竜大豆

竜小豆

 

大夫元 2代目梅澤秀峰

 

ゲスト   咲良綺蝶二

 

華舞台 星天座スケジュール

04 市川おもちゃ劇団

05 澤村慎太郎劇団

 

 

芝居「河内の次郎長」

 

  真山一郎  「河内の次郎長」

 

 

▪️配役

 

・森川竜二  座長‥次郎長

・森慶次郎‥越中 息子弟・新吉

・夢川結月‥越中 息子兄・新三

・咲良綺蝶二‥ヤクザの男

夢川なみ‥越中屋女将

・夢川美空‥新三の女房・おちよ

・轟純平‥ヤクザの女房

ほか

 

 あらすじ   

 

「河内の次郎長」と呼ばれるヤクザ一家親分の暴れ者の兄を持つ妹が若い男と結ばれた。

 

兄は「妹を幸せにしてくれるなら」という条件で、結婚を許す。この男、実は大坂の大店の長男で、家出をしていた身。二人手を取り合って、親の元に帰ることになる。

 

1年あまり経過。男は隠居した父の商売を継いで、店の主人に収まっているがこの男、兄との約束は反故にし、連日「寄り合い」と称して茶屋通い。次男もフラフラした全く責任感のない男で、何かと嫁いだ妹を苛めている。

 

今日も手文庫からお金を持ち出してたと嫌疑がかかる。それを庇ってやる兄だったが‥

犯人は弟とわかり大騒ぎとなる。

 

そこへこの不良長男に自分の妻を寝取られたと、ヤクザものが殴り込みをかけてくる。次男、長男の嫁を嬲り、店先で大暴れとなる。

 

そこへ妹の様子が気になり大坂に出てきた兄、ちょうどこの場にきあわせる。散々このヤクザ者をいじり倒す。

 

☆ ドタバタの喜劇で舞台はグダグダだ。

 

ややあって、この兄が嫁ぎ先の兄弟、義母に説教する。

 

☆ いつの間にかスジが飛び、グダグダの展開となる。煌大がアクシデントで急遽欠演とはいえ、ド派手アクション、ど突き芝居も大衆演劇ならではとしておこう。

 

 

結局、長男は改悛、嫁を大事にすることを兄に誓う。次男も今までの仕打ちを嫁に詫びる。これを見届けて一安心した兄は、河内に帰ってゆく。

 

 ちょい役だったが「轟純平」も登場した。

 

☆ ドタバタの喜劇ナノだがこれもまた、大衆演劇。なにがどうあれ、森川竜二。

スジをまとめて、最後はピシッと決める。

 

 

★ 口上挨拶  座長  森川竜二

・煌大の体調がすぐれずご心配おかけします。

かなりのプログラム変更があり申し訳ありません と謝る座長だった。

・さまざまなグッズ紹介など

・流暢な口上

 

 

舞踊ショー      

「組舞踊まつり」

 

・ラストショー

     

 

【画像】

 

 

伸びしろ大きな若座長、殺陣冴える森川煌大・紀州屋良五郎

 

▩ 映画『BLUE GIANTS』を見た

〇 アニメだが濃厚なジャズライブにいった気がした。初めて轟音設備のあるシアターで見たが、さすがに素晴らしい。重低音がここちよく響く。

〇 予告編

 

 

 

 

 

https://theater-ods.toho.co.jp/bluegiant/

 

 

 

〇 概要 (サイトより引用)

 

2013年から小学館ビッグコミック」にて連載開始した石塚真一の人気ジャズ漫画「BLUE GIANT」をアニメ映画化。


仙台に暮らす高校生・宮本大はジャズに魅了され、毎日ひとり河原でテナーサックスを吹き続けてきた。卒業と同時に上京した彼は、高校の同級生・玉田俊二のアパートに転がり込む。ある日、ライブハウスで同世代の凄腕ピアニスト・沢辺雪祈と出会った大は彼をバンドに誘い、大に感化されてドラムを始めた玉田も加わり3人組バンド「JASS」を結成。楽譜も読めずただひたすらに全力で吹いてきた大と、幼い頃からジャズに全てを捧げてきた雪祈、そして初心者の玉田は、日本最高のジャズクラブに出演して日本のジャズシーンを変えることを目標に、必死に活動を続けていく。


主人公・宮本大の声を人気俳優の山田裕貴が担当し、沢辺雪祈を間宮祥太朗、玉田俊二を岡山天音が演じる。「名探偵コナン ゼロの執行人」の立川譲が監督、原作の担当編集者でストーリーディレクターも務めるNUMBER 8が脚本を手がけ、「幼女戦記」シリーズのNUTがアニメーション制作を担当。世界的ピアニストの上原ひろみが音楽を手がけ、劇中曲の演奏も担当した。

 

〇 わたしのみたまま・感じたまま

 

映画を見るというより音を楽しむと言ったほうがよい映画だ。原作を読まなかったからかもしれないが心地よいジャズは私を和ます。

 

そういえば足繁く通った大阪ブルーノートや梅田のバーボンハウス。その頃が蘇る。

とくに、道頓堀にあったジャズ喫茶・ファイブスポットは私の青春を投影している場所だった。

 

恋もあった。その人が「ジャズの曲と曲の間の静寂がすき」といった言葉がテェイクファイブの曲とともにいまも耳についている。

 

思い入れの曲と問われても即答できない、あまいファンだがこの映画が新しい刺激を与えてくれた。映画を見終えてもここちよいリズムに体が揺れた。ジャズファンでなくてもおすすめの映画である。

 

 

 

 

▩ 優木劇団 此花演劇館 2023/03/04

☆ 見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます。

☆ 今、大衆演劇で一番期待する若手、優木直弥に加え、天海翼とくれば、こり見なくちゃなるまい。加えて期待しているのは白富士宗歌馬だ。

私は、信州大勝館ではじめてみた12歳の「宝海大空や今はなき「三代目鹿島順一」、を見たときと同じく未来の大器を見るひとときが至福の時間なのだ。

★★

 

 

 

メンバー

座長  優木誠

若座長  優木直弥

水姫琴実

水姫希実

 

二代目 花房研二郎

 

★ ゲスト出演

天海翼  (10日までの出演)

下町歌舞伎組 千葉優太

戟党市川富美男一座 實川菜々美

 

★ 木劇団スケジュール

4  木川劇場

5  七福座

 

★ 此花演劇館スケジュール

4  正舞座

 

顔見せミニショー

 

☆ 芝居

     甲州遊侠伝・黒駒勝蔵」 

 

一幕五景

   

【おもな配役】

・優木誠‥ 黒駒勝蔵

・優木直弥‥血桜一家銀次

・天海翼‥血桜一家金次

・千葉優太‥御神楽一家親分

・實川菜々美‥女房・血桜おまん

水姫琴実‥芸者梅香

水姫希実‥御神楽一家子分・樊噲

 

ほか

 

【あらすじ】

 

親分の黒駒勝蔵は旅にでる中、女房のおまんと、勝蔵の左右の腕と謳われる子分の金治と銀次が、留守中の血桜一家を守っていた。

 

血桜一家の縄張りに目をつけた御神楽一家親分は、腕が立ち仲の良い金治と銀次を対立させようと一計を案じる。

 

顔にアザのある金治を呼びだし、弟分の銀次が、陰でおめえの顔のアザを嘲笑い悪口を言ってるぞと騙す。

 

まんまと御神楽一家の離間の計に嵌った金治は、銀次を匕首で刺す。

 

だが、銀次から真実を聞かされ、金治は後悔し、御神楽一家に一人で殴りこみをかける。

 

御神楽は詫びる姿勢を示し、渡世から足を洗い酒も絶つので、命だけは勘弁してくれと許しを請う。

ならば、勘弁してやる、と金治は許す。

 

最期の一献につきあってくれと御神楽に言われるまま、金治は酒を口にした。

 

だが、これが痺れ薬の入った酒で、金治は激しく斬られ死んでしまう。

 

満願かなった御神楽一家だったが、やがて笠に合羽の渡世人が現れた。その人こそ‥

 

旅先で金治が殺されたことを知り、急ぎ帰ってきた黒駒の勝蔵だった‥

 

 

 セリフ回しにキレと迫力、戯れ言ナシの緊迫の芝居。しかも、若手だけで名場面を決める。若座長優木直弥、天海翼は大したものだ。鬼人の女房おまんを演じた實川菜々美も素晴らしかった。大拍手だ。

 

 

 口上挨拶  優木直弥若座長

 

 

 

 

 

・旅役者子ども時代編トークはすさまじく巧み

・前売り券&グッズ販売

・劇団スケジュール

 

舞踊ショー

・ラスト  

 

 

 

【画像】

 

 

1020代が縦横無尽に繰り広げる夢舞台は見なきゃ損だ・紀州屋良五郎

 

▩ 映画『湯道』を見た

〇 話題作、湯道を見た。とてもおもしろい。おすすめだ。

 

〇 概略

 

あらすじ・ストーリー 建築家の史朗は、亡き父が残した実家の銭湯をマンションにしようと帰省する。しかし銭湯を切り盛りしてきた弟の悟朗は都会へ出た史朗の案に反対し、冷たい態度を取る。ある日、ボイラー室の騒ぎで入院した悟朗に代わって史朗は銭湯の店主として過ごすことに。

解説 『おくりびと』で脚本を務めた小山薫堂が提唱する、日本人の入浴に対する精神をつきつめた“湯道”を、『HERO』シリーズのスタッフ陣が映画化したドラマ。弟の代わりに銭湯の店主として過ごす兄と、常連客たちとの日常を描く。監督は鈴木雅之。主演は生田斗真。共演は濱田岳、橋本環奈、戸田恵子寺島進柄本明ら豪華俳優が名を連ねている。

〇 予告編

スタッフ

監督:鈴木雅之

キャスト

生田斗真 
濱田岳 
橋本環奈 
戸田恵子 
寺島進 
厚切りジェイソン 
浅野和之 
笹野高史 
吉行和子 
ウエンツ瑛士

〇 わたしのみたまま・感じたまま  〇

 

湯道とは古来からあるものではなくごく最近に小山薫堂氏がはじめたものらしい。

しかしながら、湯につかる文化は古のものであり、今日まで引き継がれている。

 

スーパー銭湯は日本全国に展開されているが、ここに登場するのは、いわいる街の銭湯と云われるものである。

 

いま、銭湯は急激な燃料高騰で廃業の危機にある。大阪でも下町に数十軒あるかなしかの状態である。そのなかで、必至の工夫で生き残りを図っている。

 

落語会やコンサート、菖蒲湯などの季節イベント、怪談の会や芝居興行とさまざまな企画が人をよぶ。

 

一例を挙げてみよう。大阪・住吉区の朝日温泉が有名だ。

ぜひ、以下のサイトを見てください。たのしい企画が盛りだくさんだ。

 

 

 

https://services.osakagas.co.jp/portalc/contents-2/pc/tantei/1270845_38851.html

 

 

 

 

 

 

 

 

 https://news.yahoo.co.jp/articles/3830d90f50c881085d82e0fe6972d2f04028f077

 

 

 

 

主題から離れてしまった。この映画はミュージカルなのだ。いや、ゆーじかるかもしれない。

不思議で、ミステリアスで、そして家族で楽しめる映画である。数々の名言・至言が飛び出し

はっとする学びがある。ホットで暖まるストーリーは冷え切った身体と頭をリラックスさせてくれ

湯船に身を浸けたくなる。

 

単なるサクセスストーリーでなく立ち止まって考えてみようよと呼びかけているのがとってもやさしい。

 

湯に貴賤なし。湯は太陽…YOU are My SUNSHINEなのだ。

湯はそれぞれの思いをつなぎ、そして幸せにする。

 

そう、思わせてくれる映画である。

 

何事も、あなたが実行してみること…YOU DO が大事なんだと教えてくれた映画がこの『湯道』である。

 

 

参考 資料引用

 

 

 

 

 

 

 

▩ 森川劇団 華舞台 星天座 2023/03/02

○ まいどおおきに〜観劇メモでおます

老舗実力派劇団

 

劇団メンバー

座長  森川竜二

若座長  森川煌大

リーダー  森慶次郎

夢川なみ

夢川美空

夢川結月

夢川かのこ

竜大豆

竜小豆

 

大夫元 2代目梅澤秀峰

 

ゲスト   咲良綺蝶二

 

華舞台 星天座スケジュール

04 市川おもちゃ劇団

05 澤村慎太郎劇団

 

 

芝居「恋の石松・三五郎」

配役

・森川竜二  座長‥浪人 清水角之進

・森慶次郎‥角之進一家身内

・若座長  森川煌大‥森の石松

・咲良綺蝶二‥おいちの幼馴染み三五郎

夢川なみ‥お市

・夢川美空‥鳥追いお仙

ほか

 

 

▩あらすじ▩  

 

女にもてると三五郎と石松コンビの奏でる恋と反目と友情の痛快時代劇。

 

一匹狼追分三五郎は、石松の兄弟分だ。

お市を巡って浪人に言い掛かりをつけられ果たし合いになる。

 

 アドリブで引っ張る、引っ張る‥くすぐりの言い合い続く、竜二座長と咲良綺蝶二。

まぁ、私も最近疲れている、息抜きにこれを楽しむのも大衆演劇道楽やね。

 

最中に、果たし合いの加勢に駆けつけた石松。

角の進の刀を落とし覚悟を迫る。

 

落とす命があるのなら日の本に尽くせと言われ、

再起を誓う浪人。

 

一区切りついたところで、白黒つけようと石松が三五郎にせまる。そこへ駆け込むお市

 

三五郎とお市の仲が揺るがぬものと知った石松は二人の仲を認め堅気になれと誓わせる。

 

諦めきれない石松は二人を残し男修行の旅に出る。

 

こうして、時はながれる‥

 

いまだに諦めきれない浪人は親分になっていた。

子分にも愛想をつかれても堅気の亭主三五郎がいるお市にご執心だ。

 

俺のおんなにするという親分はなかなか諦める気配はない。子分にも次々に亭主三五郎にお市をよこせと迫らせるも決意は揺るがない。

 

意を決した三五郎は堅気を捨てるハラを決め、刃片手に浪人に立ち向かう。

 

そこに、再び現れた石松。そして、その石松を追う女お仙。果たし合いがはじまると知り、足早に式見橋へと向かう。

 

さて、さて、その結末は??  おあとは舞台で。

 

 

口上挨拶  座長  森川竜二

・さまざまなグッズ紹介など

・流暢な口上

 

 

 

 

 

舞踊ショー      

「美空・竜二、煌めく煌大の夢舞台」

 

・ラストショー

     sugar~フライングルパン

 

【画像】

伸びしろ大きな若座長、殺陣冴える森川煌大・紀州屋良五郎

▩ 映画『エゴイスト』を見た

〇 LGBTQが議論される中でこんな話題作を見た

〇 予告編

 

 

〇 概要

STORY

東京の出版社で、ファッション誌の編集者として働く浩輔(鈴木亮平)。自由気ままな日々を送る彼だが、14歳で母を失い、田舎町でありのままの自分を隠しながら思春期を過ごした過去があった。ある日彼は、シングルマザーである母親を支えながら働く、パーソナルトレーナーの龍太(宮沢氷魚)と出会い、惹(ひ)かれ合っていく。亡き母への思いを抱える浩輔は、母親に寄り添う龍太に手を差し伸べ、彼を愛する日々に大きな幸せを感じる。あるとき浩輔は、龍太とドライブの約束をするが、龍太はいつまでたってもやってこなかった。

キャスト

鈴木亮平宮沢氷魚中村優子、和田庵、ドリアン・ロロブリジーダ柄本明阿川佐和子

スタッフ

原作:高山真
監督・脚本:松永大司
脚本:狗飼恭子
音楽:世武裕子
企画・プロデューサー:明石直弓
プロデューサー:横山蘭平、紀嘉久
ラインプロデューサー:和氣俊之
撮影:池田直矢
照明:舘野秀樹
サウンドデザイン:石坂紘行
録音:弥栄裕樹、小牧将人
美術・装飾:佐藤希
編集:早野亮
LGBTQ + inclusive director:ミヤタ廉
スタイリスト:篠塚奈美
ヘアメイクデザイン:宮田靖士
ヘアメイク:山田みずき、久慈拓路
助監督:松下洋平
制作担当:阿部史嗣

上映時間 120分
 
〇 私の見たままを、感じるままに 〇
 
まずもって、鈴木亮平の演技を称賛したい。じつに、うまいとしか云いようがない。
おそらくこんな表現が難しい映画はそうないだろう。
センシブルな男性間の性行為シーン、自然なキスシーン。
 
美しく、さりげなく、せつなく、清潔感をもって描くこれは難題だ。見ていて不思議な気持ちにさえなった。性の境がないのである。いやらしくないのである。
なんといってよいか、言葉が見つからないが…自然なのである。
好きという感情の果てに自然な行為としてあるものとでも云っておくか。
 
世間一般に云う嫌悪感など吹っ飛んでしまうほど自然なのである。開き直りではなく「男と男」が結婚して何が悪いのと思える映画なのである。
 
それも、これも鈴木亮平宮沢氷魚の演技のうまさがなせるワザ、MOVIEマジックなのかもしれないが、ともかく自然なのだ。
 
この映画のキモは龍太の母〈阿川佐和子〉のことばに集約されている。それは、龍太が浩輔を好きになった人として母に会わせたときの言葉だ。
 
母は云う「あの人があんたの大事な人でしょ それが、男であろうと女であろうとなんでもないことよ 母さんはそう思うの」
 
息子はひたすら母に何度も「ごめんなさい」と繰り返す。切ないシーンだ。
そこにあるのは、ゲイでもバイでもホモでもない あるのはただ生身の人間なのだ。
 
そこで、私流のタイトル解釈だが「エゴイスト」とはいったい誰なのか…それは、きっと、かたくなに「男」「女」の性にこだわる偏狭な考え方の人のことなのだろうと悟った。
この映画が描こうとしたものは「に・ん・げ・ん」そのものの本質なのだろう。
 
できれば、多くの人に見てほしいと思う映画である。

▩ 芝居『三婆』長谷川劇団 梅田呉服座 2023/02/05

☆ まいどおおきに〜観劇メモでおます

 

有吉佐和子の文藝大作を舞台に。

     本妻vs小姑vs妾のバトルと「老境」を女優陣が演じる

☆ 京花、かな、桜。3人の女優魂が舞台で炸裂。見事に個性的な芝居で魅了

☆ 着実に実力を蓄えてきた劇団。陣容を整え大衆演劇の中心地大阪のど真ん中で勝負する劇団に駆け上がった。

☆ 先月の都若丸を超える大入りを積む。

☆ 今月、京未来、長谷川一馬の若座長襲名も成功刻む。

 

梅田呉服座スケジュール

3  桐龍座恋川劇団

4  桐龍座恋川劇団

5  たつみ演劇BOX

6  劇団美山

 

長谷川劇団スケジュール

3 池田呉服座

 

メンバー

総座長  愛京花

座長  長谷川武弥

副座長  長谷川乱之助

花形 長谷川一馬

花形 京未来

長谷川舞

京詩音

長谷川愁

 

特別ゲスト

藤乃かな

 

◉マンスリーゲスト出演

長谷川桜

 

芝居のみの夜の部・公演 3時間

 

★ 芝居『三婆』

 

■ 配役  

 

武市浩蔵の正妻 武市松子   愛京花  

武市浩蔵の妹  武市タキ 長谷川桜

武市浩蔵の妾  富田駒代    藤乃かな

武市産業専務  瀬戸重助   長谷川武弥

本宅 女中   花子   京未来

八百屋           まき  長谷川舞

武市産業社員     田所    長谷川一馬

サラリーマン    山田五郎  長谷川乱之助

山田五郎の娘    京詩音

福祉事務所員     山川  

衆議院立候補者   小林徳二郎   長谷川愁

花子の息子         正吉  タイガ (子役

ほか

 

★わたしの所感★

 

この芝居を舞台に掛けたことに賛意と讃辞を送る。

 

芝居だけでこれだけ沢山のお客様を集める。やはり大衆演劇の本道はこれが真骨頂。芝居で唸らせる劇団が生き残ると改めて思う。

 

3時間の芝居だ。しかも夜の部、だが梅田呉服座はほぼ満席。

 

先月の若丸を遥かに越える集客数。私はうれしくてたまらない。

 

歌舞伎でも新喜劇でもない、大衆演劇の芝居だけを見にお客様が集まる。

 

待ち望んでいた公演の見事な有様だ。しかも、主演は全て女優さん。

 

残念だが‥

 

老境の味をだすのがむつかしそう。若くみえすぎナノだ。  (長谷川武弥座長を除いて、失礼!)

いくら役づくりしても現代劇のむつかしさか実年令がやはりでてしまうように思えてならない。

 

随所で老人ホームということばが浮くのである。

 

また、老人ホームの意味合いも時代とともに変わってきた。

 

この作品が書かれたころの老人ホームのイメージは姨捨山的なもので、2世代、3世代同居は当たり前だった時代だったから、ホームに入るといえばどこか悲愴感が漂い、促す側もある種の痛みを感じたものだった。

 

そういう意味で今の核家族化、ホームの多様化はかなり、印象が変わってきた。

 

その意味でこの脚本は有吉さんの原作をベースに現代喜劇として上演するには、更なる改編の必要性を感じたのは深読み過ぎるかもしれない。

 

しかし、自然な笑いを呼び込む個性的な演技は全てを呑み込み、観客を長谷川版喜劇の世界に引き込んでいった。ユーモアとアドリブ満載の笑いは見事な出来栄えだった。

 

 

【関西人のひとこと】

 

お妾さん、とかお手かけさんとか云うのは 関東風で浪花では古くは「お妾さん」を「こなからはん」と云った。語源は一升の半分(五合)を「なから(半)」といい、ニ号はんだから(ニ合半)を「こなからはん」  となった。関西では隠し味がイキとされたからだ。いまは、残念だがそんな文化すらない。明るく「パパ活」じゃー風情はないなぁ?!

 

 

あらすじ

 

有吉佐和子の小説を三婆に扮した主演三人の演技合戦が見もの。 武市産業社長の武市浩蔵が妾の駒代の家で死亡した。浩蔵が借金を残して亡くなったため、本妻の松子が住む本宅の一部と、浩蔵の妹であるタキの家が売却された。松子が住む本宅には家を失ったタキが住み着くようになり、さらに料理屋を開業するまでの間だけ住まわせてほしいと、妾の駒代まで押しかけてくる。こうして"三婆"の不思議な共同生活が始まった。さらに女中の花子と八百屋の辰夫、部屋を借りにきた山田夫妻、そして娘に追い出されて転がり込んできた瀬戸専務までが家を訪れ...

 

 

■ 画像は芝居のみの公演につきありません。

 

■ より詳しい内容については【桃象さんのBlog】をご案内いたしますのでご参照下さい。

 

『長谷川劇団 4/10夜 三婆 ① 』

 

『三婆』

 

『長谷川劇団 4/10夜 三婆 ② 』

 

『長谷川劇団 4/10夜 三婆 ③』