紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ ドキュメンタリー映画「さよならテレビ」を見ての雑感

〇まいどおおきに〜映画メモでおます

 

ドキュメンタリーはやはりいい。セブンシアターで興味深い作品が次々に上映される予定だ。

CS放送でも年始に放映があり録画している。

 

もうテレビは茶の間の団欒を形づくる主役ではなくなった。

家電店のメインに大型4K8Kテレビが展示されているが私には不思議に思える。

 

そんな大きなテレビを家庭で何人の人が見るのだろうか、仮に見たとして、果たして満足できる番組があるのだろうか?

もう、緊急放送を除き、時代はテレビを必要としていないとさえ感じる。

 

今回見た映画からいくつかの気づきがあった。

・テレビ局内部は正社員以外の製作会社や派遣社員で構成されていて一種の階層社会だ

・甘い利権の恩恵を受けて成り立つメディア・テレビ局に身を置き高額の所得を得るサラリーマン局社員に利益相反する場合、はたして信念を貫く報道番組ができるとは思わない

・スポンサーなくして経営は成り立たない、視聴率至上主義があるかぎり本当に伝えたいものをつくるのは至難である

東海テレビが自らのテレビ局現場にカメラをすえドキュメンタリーをつくったことは画期的だ。少なくとも見る人に今のマスコミのほんの一部が切りとって見える。

・ドキュメンタリーと言ってもあるフィルターを通しているので作りものだ

・テレビの視聴者の年齢は60才以上らしい、テレビ局はその世代をターゲットにした番組をつくっている。

テレビはあと5年で消滅すると言われている。

・新聞もまた購読者は60才以上で年々購読率は減少の一途をたどり、間もなく日本の新聞(紙媒体)は消滅する

 

今日、若い人たちは自らが情報発信の主役となりYouTuberとなる。

受け売り、お仕着せの情報より同じ目線の情報を確かなものとする。

 

間もなく5Gスマホが主役になると個人が情報、娯楽を選択する時代が本格的に到来する。

 

そこで、光を益すのがリアルとしての舞台、演劇であって欲しいと私は夢見ている。

いくら5Gになろうと8K画像になろうと涙が頬を流れる感触まで体験することはできないと一縷の望みを託している。

 

大衆演劇的視点からいうといい時代を迎えたともいえる。

 

これからのスターはTVからは絶体に出ない。

なのに、最近多くの劇団が写真を禁止し仮に黙認していてもSNSを宣伝の道具ぐらいにしか考えていないのは残念なことだ。

 

むしろ商業演劇や歌舞伎などにできないことであるのに敢えてそれを生かそうとせず、なにを構えておいでなさるのかといいたい。

 

一人一人が情報発信のツールをもち自分のメッセージを発信する時代にツールを活用し、観客ニーズをそこから吸収するぐらいの感覚がほしい。素人に舞台にまで踏み込んで貰いたくないという考えは古い。

 

劇団のあるべき姿は劇団独自の経営戦略とスポンサー(個人・法人)を幅広く獲得する営業戦略に尽きる。そのためにマーケッティングは必須だ。客は金ずるという考えが万に一つでもあればお客は去るだけだ。この件については改めて記す。

 

 

▩以下 第七芸術劇場  サイトからの引用

さよならテレビ

2019/日本/109/東海テレビ放送 配給

監督圡方宏史

公式サイトhttp://sayonara-tv.jp

薄っぺらいメディアリテラシーはもういらない

『ヤクザと憲法』監督&プロデューサーが描く

テレビの自画像

東海テレビドキュメンタリー劇場第12

今は昔。テレビは街頭の、お茶の間の、ダントツの人気者だった。豊かな広告収入を背景に、情報や娯楽を提供する民間放送は、資本主義社会で最も成功したビジネスモデルの一つだった。しかし、その勢いはもうない。「テレビは観ない」と公言することがクールだった時代を通り越し、今はテレビを持たない若者も珍しくない。マスメディアの頂点でジャーナリズムの一翼を担ってきたテレビが、「マスゴミ」と揶揄されるようになって久しい。これは市民社会の成熟か、あるいはメディア自身の凋落か。今、テレビで、何が起きているのか? 『ホームレス理事長』『ヤクザと憲法』のクルーが、自社の報道部にカメラを入れた。

 

本作は東海テレビ開局60周年記念番組「さよならテレビ」(77分)に新たなシーンを加えた待望の映画化である。自らを裸にしていくかのような企画は、取材当初からハレーションを引き起こした。そして、東海地方限定で放送されるやいなや、テーマだけでなく、その挑発的な演出が、異例の大反響を呼んだ。番組を録画したDVDが、まるで密造酒のように全国の映像制作者に出回った。テレビの現場は日々、何に苦悩し、何を恐れ、どんな決断を迫られているのか。果たして、今のテレビにレゾンデートルはあるのか?

 

薄っぺらいメディアリテラシーは、もうたくさん。テレビの今を活写する。

 

映画『さよならテレビ』予告編

 

紀州屋良五郎