紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 花乱舞のメモリアル公演 劇団雪月花(桜川翔) 庄内天満座 2020/01/28

〇見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます

〇桜川翔座長  誕生日公演

〇開演かなり前から満席、盛況である

〇劇団の踏ん張りも凄いが献身的な後援会がほんとうに凄い。

劇団菊太郎さんところにひけをとらない。座長の仁徳だろう。

 

〇通常料金でたくさん記念品まで詰まったお祝い袋まで頂く。

中身は赤飯・祝い餅・岩おこし・お水・お茶のパックなど 

ひとつひとつが丁寧に包装され熨斗もあり真心が詰まっている。

ご準備の労にこめた劇団の思いが伝わってくる。

 

○38歳 いよいよ大海へ 船出のお祝いだ

 

★ 2019年度 庄内天満座のトップは大入り42枚

劇団心  碧月心哉  

 

劇団スケジュール   

02 大阪・鈴成り座

03 尼崎・三和劇場

04 和歌山・夢芝居

05 大阪 ・大江戸温泉箕面

 

新緑5月の箕面  年間200万人の観光客が集まる

修験道のルーツでもある箕面の大滝には龍伝説、天女の伝説がある。昇龍は翔龍に、天女の舞を舞うか桜川翔。ショーが映える興業地であることを添えておきたい。
 

 

メンバー

座長 桜川翔

近藤光

桜川明音

桜川れいか

桜川明澄心

大和 

ほか

 みゆり

 

二代目鹿島順

日舞

菊章吾

雷鉄命

顔見せミニショー  (20)

・山河舞う座長、桜川翔

・ラスト  群舞  大江戸ディスコ

*光る扇の演出

 

芝居  「電気とへそ」(55)

・雪月花オリジナル作品  現代劇

(鹿島劇団で上演されていた作品)

・「あべこべ」「取り違え」をベースにした笑劇

 

★ 芝居の流れと感想

天王寺公園にやってきた金貸しの親父(二代目)がやっと見つけた借り方の男(菊章吾)とその息子(雷鉄命)

 

いきなり200万円を取立てにかかると助っ人の大工の翔ちゃん(座長・桜川翔)が仲立する。

 

掛け合い巧みに喜劇が繰り広げられる。

 

ところがこの大工の翔ちゃんには金はない。

しかし、その心意気をかった親父は証文と引換えに公園の電気がつく6時まで待つと猶予を与える。

 

*こうして、現代劇で役者さんを見てみると全く違う人に見えてくるのも一興だ。

*掛け合いで笑い運ぶ喜劇。

 

万一、金策できないその時には翔ちゃんの身体をカタに、ただ働きする事となった。

カネが返済出来た暁は親父は「へそ」を差し出す事になり…

 

ヘソの由来をひとしきり話始める親父。

 

通りかかった翔ちゃんの妹・芸者あかね(桜川明音)に泣きつく翔ちゃん。

 

やむなく引受けた妹は通りかかった親父に色仕掛けで金づるにしようとたくらむ。

 

*古くからやっていた喜劇のようで、古い漫才のネタが随所にちりばめられている。

見せ場を手堅く固めた鹿島の芝居だ。

 

金策できたと200万円を渡す翔ちゃん。

約束を守れたなら「ヘソ」を差し出すといった親父は逃げ廻る羽目に‥さて結末は?

 

*人間思い切り笑うのもストレス解消になるが最近の研究では思い切り泣く「涙活」も自分を癒し安らぐ薬らしい。

 

大衆演劇はそんな「笑い・なみだ」の要素を詰め込んだ芝居がたくさんある。これが人生の活力源になるかもしれない。

 

 

舞台口上   桜川翔座長

38才を迎えました。あと12年目の50才を目標に大きな舞台を目指し頑張ります。

・きょうのためオリジナル芝居を立ててのぞみました。

・毎日、今日ぐらい来ていただける劇団を目指していきます。

・前売り券&グッズ販売

歌謡舞踊ショー  (60)

・浪花のがしんたれを客席分け入り熱唱する座長の姿はどんな場所でも一貫している。

・舞姿に隠れた精進が垣間見える雷鉄命、客席の大拍手が認める

・心で舞う舞踊家・近藤光

・名刀の冴えを思わせる鋒鋭い舞姿・満みゆり

・客席を楽しませる工夫も更にバージョンアップ

・厚みあるショーは劇団の肝

 

桜川翔のなにがすごいかといえば、「女形美」の追求に精進する役者根性だと言える。

 

*舞台が活きるラストショー  

 

【画像】

浪花のがしんたれ座長、客の鈴なりで来月は西成、鈴成り座・紀州屋良五郎