紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『Fukushima 50』を見た

〇 まいどおおきに〜映画メモでおます 


〇 470人のスペースに客が20人程度。新型コロナの影響が日増しに深刻になる映画館。


〇 FUKUSHIMA50の名称は福島原発事故の収拾のため現場にとどまり献身的作業にあたった人たちを海外メディアが名づけた。〇 娯楽作品としてはよく画かれている。〇 危機管理において福島原発事故から今日のコロナ対応もなんら経験に学んでいないと改めておもう。〇 吉田所長が更なる危機に対して「撤収してください」と頼むも民間の人たちがこれだけやっているのに撤収するわけにはいきませんと応える自衛隊の面目躍如のシーンだ。また、米軍の「友だち作戦」も画かれ日米同盟の必要性が画かれている。どうとるかは別だか。〇 ラストシーンで語られる人間の「傲慢さ」が自然の「脅威」超えた風に語られるが、そこらはやはり違う。原子力発電所地震大国日本につくること自体の是非を問い直すことが歴史に学ぶことになるのではないだろうか、今回のコロナが山場を過ぎれば価値観が大きくかわるようにおもう。
原子力発電所災害はやはり人災であった。設備の設計は万全であったのか、災害時の設計強度その他においても疑義がある。また、事故後の対応も現在の被災地を見ればわかる。建物、インフラの復興は進んでも人の心と生活、人生の復興の道のりはまだ見えてこない。現在も災害復興公営住宅では孤独死が後を絶たない。人は共生の場を失うとどれだけ心の支えを失うかの一つの証しともいえる。行方不明も未だ2529人に及んでいる。


人災FUKUSHIMAの貴重な経験に今こそ学ぶべきだ。最近、手塚治虫AIが作った漫画「ぱいどん」
を読んだ。そこでは2030年の近未来が描かれ、新クリーンエネルギーが及川博士の手で開発されたとあった。海水を電力に変える話だ。どうかこんな話が実現して欲しい。研究開発費用を投入し、既成利権と戦いながら‥と考えているうちいつしか、少年のこころに満たされた。
映画のあらまし

2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故で、未曾有の事態を防ごうと現場に留まり奮闘し続けた人々の知られざる姿を描いたヒューマンドラマ。2011年3月11日午後2時46分、マグニチュード9.0、最大震度7という日本の観測史上最大となる地震が起こり、太平洋沿岸に押し寄せた巨大津波に飲み込まれた福島第一原発は全電源を喪失する。このままでは原子炉の冷却装置が動かず、炉心溶融メルトダウン)によって想像を絶する被害がもたらされることは明らかで、それを防ごうと、伊崎利夫をはじめとする現場作業員や所長の吉田昌郎らは奔走するが……。現場の最前線で指揮をとる伊崎に佐藤浩市、吉田所長に渡辺謙という日本映画界を代表する2人の俳優を筆頭に、吉岡秀隆、安田成美ら豪華俳優陣が結集。「沈まぬ太陽」「空母いぶき」などの大作を手がけてきた若松節朗監督がメガホンをとった。

キャスト

佐藤浩市渡辺謙吉岡秀隆緒形直人火野正平平田満萩原聖人堀部圭亮小倉久寛和田正人石井正則、三浦誠己、堀井新太、邱太郎、池田努金井勇太、増田修一朗、須田邦裕皆川猿時前川泰之、ダニエル・カール、小野了、金山一彦、天野義久金田明夫小市慢太郎矢島健一、伊藤正之、阿南健治中村ゆり田口トモロヲ篠井英介、ダンカン、泉谷しげる津嘉山正種段田安則吉岡里帆斎藤工富田靖子佐野史郎、安田成美

スタッフ

監督:若松節朗
脚本:前川洋一
音楽:岩代太郎
撮影:江原祥二
照明:杉本崇
録音:鶴巻仁
美術:瀬下幸治
特撮・VFX監督:三池敏夫
原作:門田隆将

上映時間122分