紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『朝が来る 』を見た

〇 まいどおおきに〜映画メモでおます

 

【雑感】

 

子どもが出来ない夫婦が不妊治療の果てに偶然にたどり着き知った「特別養子縁組」という制度とそれを橋渡しする活動。それが『ベビーバトン』(映画での呼称)だった。

 

実在する団体で出産しても育てられない生みの親から、子どもを育てたくても授かることができなかった夫婦へ、命のバトンをつなぐサポートをする活動をされている。特徴は出産するまえから生活の場の提供、産前・産後のサポートを無料で提供されている。

 

河瀬さんの映画らしく季節、自然、奈良、赤裸々に生きる人間、空気と時の流れが全編にながれ心地よい時を過ごせる映画だ。

 

母の疲労感、格差の社会、存在感をなくした父、少年少女の恋愛と性…現代のいくつもの課題がリアルにうつし込まれている。

 

映画をみながら、命とはと深く考えさせられた。父になる、母になるとはの本質的意味に向き合いたい。そんな、映画は極めてまれだ。幾度も泣けた。ラストでたまらなくなった。

 

 

STORY

子供に恵まれなかった栗原佐都子(永作博美)と夫の清和(井浦新)は、特別養子縁組の制度を通じて男児を家族に迎える。それから6年、朝斗と名付けた息子の成長を見守る夫妻は平穏な毎日を過ごしていた。ある日、朝斗の生みの母親で片倉ひかりと名乗る女性(蒔田彩珠)から「子供を返してほしい」という電話がかかってくる。

キャスト

永作博美井浦新蒔田彩珠浅田美代子、田中偉登、佐藤令旺、中島ひろ子、平原テツ、駒井蓮山下リオ、森田想、堀内正美山本浩司、三浦誠己、池津祥子若葉竜也青木崇高利重剛

スタッフ

原作:辻村深月
監督・脚本:河瀬直美
共同脚本:高橋泉
音楽:小瀬村晶、An Ton That
主題歌:C&K
製作総指揮:木下直哉
プロデューサー:武部由実子
撮影:月永雄太、榊原直記
照明:太田康裕
録音:森英司
録音・サウンドデザイナー:ロマン・ディムニー
美術:塩川節子
編集:ティナ・バス、渋谷陽一
スタイリスト:小林身和子
アメイク:小泉尚子
ラインプロデューサー:齋藤寛朗
制作担当:小野山哲史
助監督:甲斐聖太郎

上映時間
139分