紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 必見!宝海大空・至芸のお面ショー3 宝海劇団 オーエス劇場 2020/11/16

☆ 見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます。

★コロナ禍の新世界界隈の惨状は想像以上だ。

たくさんの店が閉めていて涙が出そうになる。

☆ 扇といえば宝海大空、お面といえば宝海大空空也と大心が座長5年目の宝海大空を支える。

☆大入りだ!

 

☆ あまりに美しい宝海大空の舞姿、指先の動きに美。女形は勿論、立役にもオーラ。

女性ファンが集まるのは当然だ。

 

★ オーエス劇場の予定

12  飛翔座

01  大川良太郎

02  劇団昴  大和みずほ

 

宝海劇団  予定

12  八尾グランドホテル

 

メンバー

座長 宝海大空

花形 宝海蘭丸 

宝海空也

宝海大心

宝海竜也  太夫元・園長

宝海真紀

宝海愛輝

城つかさ

ちび丸

三代目ボーイ豆タンク

 

吉本興業ぼんちきよし宝海大空との思い出語る

 

芝居「阿弥陀の光」

座長が創作したオリジナルの芝居 

ラストシーンに新演出の味わい

【配役】

座長‥善吉

宝海空也‥取立ての男

宝海大心‥侍 新十郎

宝海蘭丸‥おこい

宝海竜也‥虚無僧

宝海真紀‥母

ほか

 

【あらすじ】 

母の病の為に博打でカネをつくろうとする善吉、取立てに困るところを恋人が助ける

家に帰ると母は善吉に切々と話すのであった。母は在りし日の父のことを語り始める

 

大金を手にした父は浴びるように酒をのみやがて嫌われものになっていき、清玄寺の墓地で人に殺されていたとの知らせが届いた。父が殺されて死んだと初めて聞いた善吉は驚いた。

 

そして、母に初めて胸の内を明かす。自分は母の病を治すための資金稼ぎながら、仕事と嘘をつき博打に通いカネをつくっていたと詫びる。

 

言い終わると母の病状は急変する。やがて、医者にみせることもできず非業の死を遂げる。

その時、カネさえあれば世間を見返してやることができるとの思いが頭をよぎる善吉は人が変わったように守銭奴になった。

 

時流れ  場所は清玄寺の墓地

 

善吉は虚無僧にあう。その男は善吉にある男を殺せばカネをやろうと告げ去っていく。

苦悶する善吉、母の名を呼びどうしたらいいのだと呟く…とうとう、悪事に手を染め大金を手にする善吉。いつしか、そのカネを元にカネ貸しになっていた。

 

場面かわり

善さんの恋人だった女・おこいは苦界に身を沈めていた。そこに身受けを申し出る侍がいた。

遊女となったおこいは今でも善吉の事を忘れられずにいた。

 

そこへやってきたカネ貸の善吉。その侍に向かってカネがないなら身受けなぞできないと大金を見せ必要なら用立ててやると啖呵を切る。躊躇う侍。

おこいは侍に一緒に駆け落ちしようと促し二人は手に手を取って抜け出す。

 

この世は何もかもカネだ‥善吉が呟くセリフは今の日本そのものの気がしてくる。

俺は鬼だ、鬼で上等だとうそぶく善吉。

 

やって来た子供の辻占売りから札を買った善さん。その辻占には「月も届かぬ闇のなか‥3年たったら命なかりける」との言葉。

 

場面かわり、清玄寺の墓地

感慨迫る年月、あれから3年たったのだ。ふと思い立ち母が墓前に行き佇む善吉。

 

今では善吉のことを人は心がわからないカネ貸金兵衛と言われている。

それ故に母の元に来ることができなかったのだった。

だが、墓前に来てみて母の諌める声が聞こえた。自分を取り戻すことができた善吉。

 

数数の悔恨をして…唯々、墓前で母に詫びるのであった。

そして、カネは墓前に置いていくよと言い放ち命を絶つ。虚無僧がさっととおりすぎる。

 

この話、信じるか信じないか、おまえさん次第と語る宝海大空

 

 実に不思議に満ちた余韻のある作品だ。初めて見た。

 宝海大空、全力の演技で観客を魅了する。大空ワールドの新境地を見た。

 

*母役を母が演じ息子を息子が演じる。

大衆演劇ならではだ。やはり、大衆演劇は家族が原型なのか、そこに旅芝居の郷愁と家族の原風景を見る。

 

舞台口上   宝海大心  城つかさ

・今日のお芝居は大衆演劇としては不思議なお芝居で座長のオリジナルです。

・前売り券販売はなし

 

グランドショー  

美空ひばりで舞う 宝海大空

*ラスト  お面ショー3 見る度にバージョンアップしている

 

【画像】

私の目にはいまでも信州・大勝館で初めて見た13才の宝海大空が焼きついて離れない以来見続けている・紀州屋良五郎