紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『名も無い日』を見た

〇 まいどおおきに〜映画メモでおます

 

 

 

 


 


 


 

 

 

 

STORY

小野家の3兄弟、 長男・達也(永瀬正敏)、 次男・章人(オダギリジョー)、 三男・隆史(金子ノブアキ)は名古屋市熱田区で育つ。夢を追いかけて25年前に家を飛び出した達也は、今では写真家としてニューヨークで多忙な日々を送っていた。ある日、弟の訃報が届き、名古屋に戻った達也は、過去の記憶をたどるようにさまざまな場所を訪れる。

キャスト

永瀬正敏金子ノブアキ真木よう子、井上順、藤真利子大久保佳代子中野英雄岡崎紗絵木内みどり草村礼子今井美樹オダギリジョー

スタッフ

監督・企画・製作・原案・題字:日比遊一
音楽:岩代太郎
撮影:高岡ヒロオ
美術:Yang仁榮
エグザクティブプロデューサー:田中功二、長坂亮、山口寛、鈴木淑久
コンサルティングプロデューサー:御影雅良
プロデューサー:日比崇裕
脚本:新涼星鳥
ラインプロデューサー:大蔵穣
助監督:戸塚寛人
装飾:西村徹
衣装:新井正人
ヘアメイク:山内聖子
記録:中村愛由美
VFXスーパーバイザー:鹿角剛
整音:松陰信彦
音楽エディター:佐藤啓
ポストプロダクション管理:豊里泰宏
宣伝PRプロデューサー:右近和紗

上映時間
124分
 
〇みたまま・感じたまま〇
 
写真家の日比遊一が監督を務めた作品だけあって随所でカメラを構える構図はリアルだ。
 
テーマは孤独死なのだが重苦しさはない。仲がよかった兄弟だった。兄の奔放な生き方にどこか魅せられ育つ弟。ふとした出来事から閉じこもり死を選ぶ。特異なのは死後半年で腐乱死体で発見されることだ。兄弟、近親者が訪ねるもわからずじまいのことばかり。
 
そのことを通し幼き日々の邂逅、熱い思いが熱田神宮の神事と交差するように描かれている。ミステリーの謎解きに立会った感じがするようなタッチだ。
 
次第に映像の世界に引き込まれる。とてもユニークな展開だ。「名も無き日」は死亡の日が特定されないということか。
 
兄弟と近しい人たちが集まり在りし日の大切な「生の日々」を大切に思い語る。この光景は私には最高の故人への追善供養に見えた。孤独死は不幸ではない。手厚く大切で尊厳な孤独死は幸せだとさえ思える。