紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『バケモン』を見た

◯ まいどおおきに~映画つれづれメモでおます

 

上方落語の大看板・笑福亭鶴瓶ドキュメンタリー映画

 

 

 

 

 

◯ 予告編

 

 あらすじ(引用)

 

落語家・笑福亭鶴瓶を17年間にわたって追ったドキュメンタリー。「スーパーテレビ情報最前線」など数々のテレビ番組の企画・構成・演出を手がけてきた山根真吾監督が、自ら撮影した約1600時間にも及ぶ映像を基に、1本の映画として完成させた。2004年、鶴瓶の落語「らくだ」を無許可で撮影した山根監督は、その内容に衝撃を受け、正式に申し込んで自主制作として撮影を開始。ステージから楽屋、打ち上げの席や様々な人たちとの交流まで、ゴールを決めないまま密着を続けた。そして2020年、コロナ禍でエンタテインメントが次々と中止になる中、鶴瓶は「らくだ」で全国ツアーをすると宣言。「らくだ」は死を笑い飛ばす強烈なパワーに満ちた噺だが、鶴瓶の2020年版は、どん底の中でどう生きるのか導いてくれる、これまでにない優しさに包まれた新たな「らくだ」だった。香川照之がナレーションを担当。

 

◯私の見たまま雑感◯

極上のドキュメンタリー映画だ。笑福亭鶴瓶、落語ファンは勿論、すべての人に見て欲しい映画だ。散りばめられた鶴瓶語録が生身のつるべとしていつまでも余韻を残す。笑福亭鶴瓶が師・笑福亭松鶴に迫りながら口演し続ける「らくだ」の中でやっと辿り着いた落語の境地。それが「落語は変えていいのだ。変えることでその人の落語になる」

 

「人を明るくしないとダメよ、自分のことしか考えない人はダメ」という笑福亭鶴瓶。彼しかできない生き方だがこんな生き方ができれば最高と思わせくれる。

 

傑作「山名屋浦里」ができるまでがタモリの言葉で語られる。現代の古典がかくしてできたのかが丹念に紹介される。更に、主題となる笑福亭の「らくだ」が歴史を辿りながら丁寧に描かれる。

 

「たとえ、ひとりにしか通じなくても、わしはそのひとりに向かってやりたいんや」と語る笑福亭鶴瓶が益々巨大な落語家だと再認識される映画だ。

 

監督、ありがとう。笑福亭鶴瓶と同じ時代を生きれることにちょっぴり幸せを感じる。

 

 

 

 

STORY

新型コロナウィルスの感染拡大によって日本社会が苦境に立たされた2020年、落語家・笑福亭鶴瓶古典落語の傑作「らくだ」をひっさげ、全国ツアーを始める。「らくだ」は師匠・六代目笑福亭松鶴の代表作で彼にとっても大切な演目であり、山根真吾が2004年に撮影を始めるきっかけとなった演目でもあった。コロナ禍で行われたツアーに密着する中、山根は久々の舞台で披露された「らくだ」が、以前とは全く別の新たな落語へと変化したように感じていた。

キャスト

笑福亭鶴瓶

スタッフ

撮影・編集・構成・演出:山根真吾
ナレーション:香川照之
音楽:服部隆之
企画・プロデューサー:千佐隆智
プロデューサー:井上啓子
企画協力:吉田佳代
書:大木明子
写真:大西二士男
マネージメント:宇木正大
アシスタントプロデューサー:藤井愛子
撮影:津村和比古、山本景三、加藤智則、倉田修次
編集:青木観帆
演出補:百田綾香、中城よし子、小林清香

上映時間
119分