紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 特別公演『里の秋』すわん江戸村 劇団紀州 2021/07/05

◯ 今日は特別公演、ひと味違った力作を見たくて足を向けた。

 すわん江戸村特別公演、新作書き下ろし『秋の日』脚本・演出  市川昇次郎

 

 

 

 

★ すわん江戸村については雑誌カンゲキ20198月号にも特集で詳しく掲載されている。

 

★ 江戸村のSiteには詳しい案内がある

 

 

 

 

家族で来ても楽しめる江戸の街並みが再現されている。

 

 

 

▲やがて滝が流れるらしい 制作中

 

▲ちょっと涼しい感じがする

▲お弁当を食べる場所はあちこちにある お見合いやカップリングパーティにも使える

▲マスコット犬 小鉄

▲お昼寝中の大御所・石松

▲近づくと起きてくれた この後、尻尾をふって近寄ってくるかわいいヤツだ

 

〇全国で公演場所の閉鎖が続くなか、ここ和歌山・海南すわん江戸村は怪気炎をあげている。その源泉は師匠、市川昇次郎先生が不死身の尽力でコロナの荒海で舵取りしているからだ。

 

毎週  火・水 休演

   木・金・土・日・月の昼/1300 /1800

*昼夜公演は土日のみ

外部公演もあるので詳しくは電話で確認…073-482-5758

和歌山県海南市且来645-1

 

メンバーは師匠・市川昇次郎を慕って全国から集まって来ている。

 

ここのスタイルがこれからの大衆演劇の一つの形だ。

教育委員会自治体の協賛を得た公演や学校で上演される郷土由来の芝居の創作をとおしてしっかり地域に根ざしている。

 

メンバー

市川昇  

市川福介

市川勇車  

市川太仁志  

市川こより

歌手・春菜美保

ほか

 

後見/市川昇次郎

 

☆ゲスト・高橋茂紀

 

(あらすじ概略)

 

凛として生きる昭和の女、筋の通った生き方があまりにも神々しい、そんな時代があった。

そんな人たちがいて今の私たちがある。戦争の酷さを爽やかな人情劇にくるんだ芝居はじーんと胸に迫る名作だ。

 

昭和28年。玲子は娘と疎開先で暮らしていた。夫が戦死した知らせを聞いたのは10年前の秋。

 

父親は鈴の音を聞くのがすきだったので娘を美鈴と名づけ幸せを戦地で願った。

 

フィリピンで亡くなったと知らされてはいたが遺骨すら採取されず壺には石ころが‥

 

玲子は女手一つで子育てをしながら働いた。

夫の死を忘れるほどに。でもこの時期だけはどうしても思い出してしまう。何年たっても傷は癒えない。今年もこの季節がやってきた‥‥‥。

 

鈴子は女工として働くことにした。

そんな話を交わしているところに中野先生がやってきて町長選挙にでると切り出す。ついては応援頼むと。更に、戦地帰りの原さんが嫁を探しているのだが玲子さん、その気はないかと打診されるも亡き夫の愛に生きる玲子であった。

 

☆ 舞台セットは全て座員による手作り。昭和の20年代がみごとに再現されている。仏壇、掛け軸、柱時計、囲炉裏、鞴、苔むした墓石、栗の木、竈門に至るまで博物館並みの手の込んだ造作だ。唸るほどの出来映えだ。

 

随処に笑いを散りばめ話がすすむ。ご案内はここまで、ぜひ江戸村でお待ちしています。

 

■ 配役

 

市川昇‥玲子の夫 陸軍中野学校出身

春菜美保‥戦争未亡人玲子

市川福介‥玲子の娘・美鈴

市川太仁志‥近所のおばさん  およね

高橋茂紀‥中村町長

市川勇車‥原さん

市川こより‥再婚した若き妻

市川昇次郎‥住職

 

 これからの大衆演劇の軸になる珠玉の作品がいくつも、いくつも生み出されていく。

まるで、江戸村はアンパンマンの芝居工場のようだ。

 

三丁目の夕陽のような時代が大衆演劇の舞台に今、蘇る。

その芝居に魂が吹きこまれ幾度も幾度も共感の拍手に包まれ上演されていくことを願ってやまない。

 

*芸達者の劇団メンバーが繰り広げる喜劇も絶品だ。

関西弁の喜劇にご当地、和歌山弁がちりばめられた舞台はほっこりとした味わいがある。何より掛け合いがうまい。

上質の上方漫才のエッセンスがふんだんに詰まっている。

 

舞台口上   市川昇次郎

・イベント紹介

・前売りチケット1500

・期間なしで利用可能。

 

歌と踊りのSPECIAL SHOW

ラストショー

     「幡随院長兵衛」

 

【画像】

ここは大衆演劇の新天地・万歳‼ 紀州すわん江戸村。

 

毎日、稽古に余念ない若き役者さん達。

極めた芸道と人気が天まで届けと七夕の夜空に願掛ける・紀州屋良五郎