紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『アジアの天使』を見た

〇 まいどおおきに〜映画メモでおます

 

〇 予告編  〇


 


 


 

 

 

 

STORY

妻に先立たれ、男手ひとつで一人息子の学を育てている青木剛池松壮亮)は、疎遠だった兄(オダギリジョー)が暮らすソウルに移る。韓国で仕事があると聞かされていたものの、実際には兄は経済的に困窮しており、剛は怪しい化粧品の輸入販売を手伝うことに。一方、そのソウルでタレントとして活動するチェ・ソル(チェ・ヒソ)は、所属事務所の社長と関係を持ちながら自身をとりまく環境や兄妹との関係に悩みを抱えていた。

キャスト

池松壮亮、チェ・ヒソ、オダギリジョーキム・ミンジェ、キム・イェウン、佐藤凌

スタッフ

脚本・監督:石井裕也
エグゼクティブプロデューサー:飯田雅裕
プロデューサー:永井拓郎、パク・ジョンボム、オ・ジユン
撮影監督:キム・ジョンソン
音楽:パク・イニョン

上映時間
128分
 
 

〇 見たまま感じるまま 〇

 

ひとことで言えばけったいな映画だ。要所要所に出てくるけったいな天使。しかも、この天使は人の肩を噛むのだ。汚いキューピットは人に希望の灯火を点火して回る。言わば背中を推してくれる存在ナノだ。

ソウルでいい加減に暮らす兄の甘い言葉に乗せられ、全てを処分して幼き子を連れ海を渡る弟。

この兄弟はそれぞれの夢に生きるが確かな手だてはない。ソウルで出会った兄妹達とひょんなことから旅をともにすることになる。よく似た境遇の二組の兄弟。交わす言葉は片言の英語だけだ。

不思議なことに単語とボディアクションだけでも通じあうものだ。それは「業、運命」の匂いが引き合うかのように親密さを増幅させていく。こんなふうにアジアの人たちが心を通わすことができたらなんと素晴らしいことだろうと思わせてくれた映画だった。見終わったらほっこり温かくなる作品だ。