紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『竜とそばかすの姫』を見た

〇 まいどおおきに〜おなじみの映画メモでおます

 

 









 

 

 

〇 2021年7月15日に第74回カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクション「カンヌ・プルミエール」部門にてワールドプレミア上映細田監督作品がカンヌ国際映画祭で上映されるのは『未来のミライ』以来。

 


 


 

 

STORY

高知の田舎町で父と暮らす17歳の女子高生・すずは周囲に心を閉ざし、一人で曲を作ることだけが心のよりどころとなっていた。ある日、彼女は全世界で50億人以上が集うインターネット空間の仮想世界「U」と出会い、ベルというアバターで参加する。幼いころに母を亡くして以来、すずは歌うことができなくなっていたが、Uでは自然に歌うことができた。Uで自作の歌を披露し注目を浴びるベルの前に、ある時竜の姿をした謎の存在が現れる。

キャスト

(声の出演)、中村佳穂、成田凌染谷将太玉城ティナ、幾田りら、森川智之津田健次郎小山茉美宮野真守、森山良子、清水ミチコ坂本冬美岩崎良美、中尾幸世

 

登場人物

すず / 内藤鈴(ないとう すず) / ベル
本作の主人公。母親を亡くし、心に傷を負っている。
 
しのぶくん / 久武忍(ひさたけ しのぶ)
すずの幼馴染み。バスケ部所属。
 
カミシン / 千頭慎次郎(ちかみ しんじろう)
すずの同級生。カヌー部所属。
 
ルカちゃん / 渡辺瑠果(わたなべ るか)
すずの同級生。吹奏楽部所属でアルトサックス担当。
 
ヒロちゃん / 別役弘香(べつやく ひろか)
すずの親友で彼女を〈U〉に誘い、「ベル」としてプロデュースするキーパーソン。
 
すずの父
すずの父親。妻を亡くし、娘との距離が掴めずにいる。
 
ジャスティ
自警集団「ジャスティス」のリーダー。
 
イェリネク
「竜の正体探し」で候補に挙がる現代美術アーティスト。
 
スワン
「竜の正体探し」で疑惑の人として挙がる貴婦人。
 
ひとかわむい太郎 & ぐっとこらえ丸
「竜の正体探し」を盛り上げるYouTuberコンビ。
 

 

吉谷(よしたに)さん
 
漁師。鈴の母が所属していた合唱隊のリーダー。
喜多(きた)さん
酒屋を営む合唱隊のメンバー。
奥本(おくもと)さん
自作農家をしている合唱隊のメンバー。
中井(なかい)さん
医師。合唱隊のメンバー。
畑中(はたなか)さん
大学講師。合唱隊のメンバー。


〈U〉(ユー)の世界は、本作に登場するインターネットの仮想世界。そこでもう一人の自分となるアバターは、〈As〉(アズ)と呼ばれている。

竜(りゅう)
〈U〉の世界にて忌み嫌われている謎の存在。の姿をしている。
 
スタッフ

監督・脚本・原作:細田守
作画監督青山浩行
CG作画監督山下高明
CGキャラクターデザイン:Jin Kim、秋屋蜻一
CGディレクター:堀部亮、下澤洋平
美術監督:池信孝
プロダクションデザイン:上條安里、Eric Wong
音楽監督・音楽:岩崎太整
音楽:Ludvig Forssell、坂東祐大

上映時間
122分
 
〇 見たままを感じるままに 〇
 
現実と「Uの世界」という仮想現実の世界を行き来することでかえって現実に向かい合う力を得て立ち向かう爽やかさがいい。仮想現実(インターネットの世界)はアバターとしてあらゆるしがらみを断ち切り、ASとして自由に生ききることができる。
 
すずがUの世界で手にしたものはベルという歌手として自己表現出来る歓びだった。しかし、その仮想の世界で出会った竜という不思議な存在をとおして現実に向き合う勇気を得る。
 
竜は過酷な家族の虐待の中で弟を守る兄弟の兄であった。助けたい一心で仮想のUの世界を飛び出し現実の発信者のもとに向かうすず。ここでUという仮想世界から現実への挑戦が描かれている。
 
逃避ではない。そこは、限りない挑戦。現実と向き合う勇気なのだ。
 
生きづらいこんな世の中で傷ついても生きる人を助ける勇気とUの世界というコンピューターが作り上げた非現実の世界から逃避するのではなく知恵と勇気を得て現実に立ち向かうストーリーはとても素晴らしい。
 
なにか、作者の込めた願いをあなたも受け取ることが出来るだろう。テーマ曲は素晴らしくいい。心地よい音楽の世界が広がる。必見の一作だ。