紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『アウシュビッツレポート』を見た

○ まいどおおきに〜映画メモでおます

 

 

◯ 予告編 ◯


 


 

 

 

STORY

1944年4月のアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所。遺体の記録係を務めるスロバキア人のアルフレートとヴァルターは、毎日多くの人命が奪われる収容所の惨状を外部に訴えるため脱走を決行。同じ収容棟の囚人らが過酷な尋問に耐える中、やっとのことで収容所の外に脱出した二人は国境を目指して山林を歩き続ける。その後救出された二人はアウシュヴィッツの実態を赤十字職員に告白し、大虐殺の真実を報告書にまとめる。

キャスト

ノエル・ツツォル、ペテル・オンドレイチカジョン・ハナー、ヤン・ネドバル、ミハル・レジュニー、フロリアン・パンツナー、ラース・ルドルフ、クリストフ・バック、ヴォイチェフ・メツファルドフスキ、ヤツェク・ベレル、カミル・ノジンスキー、アレクサンデル・ミンツェル、クサヴェリ・シュレンキエル、ジュスティナ・ワシレウスカ、ルカサス・ガルリッキ、ルツィア・ジャシュコヴァー、オンドレイ・マリ、マルチン・ナハルカ、トマーシュ・ミシュラ、アントン・シュリーク、レベカ・ポラーコヴァー、カミル・ポルニシャク、セルゲイ・サンジャ、ダーヴィット・ツィンマーシー

スタッフ

監督・脚本:ペテル・べブヤク
製作総指揮:ナターリア・ラウ・グジンキエウィツォヴァー
原作:アルフレート・ヴェツラー
脚本:ジョセフ・パシュテーカ、トマーシュ・ボンビク
脚本・製作:ペテル・べブヤク
撮影:マルティン・ジアラン
編集:マレク・クラーリョヴスキー
音響効果:セバスチャン・シュミット
音響:オラフ・メル、ユライ・バラージュ
音楽:マリオ・シュナイダー
美術:ペテル・シュネク
衣装:カタリナ・シュトルボヴァ・ビエリコヴァー
メイクアップ:ミハエラ・キツコヴァー
製作:ラスト・シェスターク

上映時間
94分
 
 
◯ 私の見たまま・感じるままに ◯
 
かつて、『夜と霧』という作品を見た。衝撃をうけホロコーストの事実に釘付けになった。
その時と同じような思いに引き込まれた。ほんとうに映像のちからはすごいものだ。
 
逃亡シーンにおけるカメラワークは自らが当事者のような低いアングルから、時に斜めから撮影されていて真に迫る迫力があった。
 
アウシュビッツの全体像や政治的背景・戦争そのものの悲惨さより組織の非常さ、冷徹さ、人間の心理がよく描かれている映画だ。
 
もちろん絞首刑や殴打などの残虐なシーンはでてくるが私には心理的にいたぶる言葉の暴力や人としての尊厳を踏みにじる行為もまた深く耐えがたい傷を負わせることが伝わってくる映画に思えた。
 
勇敢な二人の脱走が多くの人達を救った事実は燦然と歴史に刻まれている。
 
心を痛めるのは時間が事実を風化させることである。
 
それにしても、収容所で囚われた人たちを残忍でかつ何かに怯えるような目をして拷問をする官吏達の顔を見て、どこかで見たような顔なのに思い出せなかった。
 
映画館を出てハッと気がついた。あの目、あの顔つきはまさしく「菅義偉」その人と同じであった。