紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

■ ほろりとする人情芝居 南條隆とスーパー兄弟 鈴成り座 2021/09/02

〇見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます

 

〇現在の体制では鈴成り座は初乗りになる

 

〇芝居の醍醐味がいつ来ても見られる

 

◉日本一座員が多いのがこの劇団、関西公演は今月が最後になる。

 

★ 鈴成り座スケジュール

 

 

10  おもちゃ劇団

11  劇団九州男

12  劇団九州男

 

メンバー

総座長  龍美麗

座長  三代目南條隆

副座長  南條勇希

花形 魔裟斗

花形 一城風馬

 一平

一條春己

一條星弥

一美皇也

一條嵐志

南京弥

天生蛍

北條めぐみ

一條椿

一條みずき

一條花火

紅ほっぺ彩羽

係長 倉之介

大路にしき

はちみつ十和

二代目  コピーたかし

ベビーかつとら

どすこい琴羽

和・一信会会長  南條隆

 

☆ 顔見せミニショー

 

☆ 芝居「孝行出世桜」

 

配役

 

・龍美麗‥兄まさのすけ

・三代目南條隆‥おりく

・大路にしき‥母おしげ

・南條勇希‥青山の殿様

ほか

 

【あらすじ少し】

 

兄まさのすけは父を早くに亡くし貧しい家で育つ。勉強し佐々木家の婿養子となり、武士として立派な姿をしている。

 

家付き娘の妻・おりくには頭が上がらない。おりくはまさのすけが佐々木家に連れてきた義母・おしげが気に入らずいびる。

 

肩を揉むようにマサノスケに言わせ、力が入っていないから全く効かないと文句を言い、挙げ句にちょっと力を入れてと頼んだだけなのにアザがつくほど力を入れて揉み殺すつもりかと言い掛かりをつける。

 

今日は青山三千石の殿様が佐々木家自慢の吉野桜を見に来る日、母さんは奥へ行って顔を出さないでくれとマサノスケは言い付ける。

 

ところが、おしげは大事なお客様にお茶を出そうと気を使ったが、そのお茶を青山の殿様にかけてしまう。まさのすけは母に責任をとり出ていけという。

 

そこへ、弟・まさきちがうちに来たらいいじゃないかと登場!

 

今も親子三人で貧しく暮らしていた家に住む建大工のマサキチ、離れて暮らす母をいつも労い差し入れを持って行き来していた‥‥

 

歯向かう、まさのすけは耳を貸さず、まさきちの額を割る。額の割り返しがしたいなら、私と同等かそれ以上の身分になって来いと言い捨てる。

 

兄さんは悪い夢を見ているんだ、俯いた母にまさきちは優しく声を掛ける。さあおっ母負ぶって帰るよ、と背中を向けます。

 

母を背負ってまさきち吉野桜を見上げる。きれいな吉野桜だ。俺もいつかこの吉野桜のような立派な男に出世したいなぁ。花道を歩く座長。

 

さきちの後ろ姿を見送る殿様の妹・千歳に気付いた青山の殿様。今時珍しい親孝行な若者、娘の様子を見て妹の危ないところを助けた男がまさきちと知らされ、妹のよき良い婿が見つかったと喜ぶ。

 

時流れ、青山三千石のお嬢様の良縁の挨拶に、佐々木まさのすけ、おりく夫婦が青山家を訪ねる。その折、うちの婿殿だ、と紹介されたのが何と弟のまさきちだった‥‥

 

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紀州屋のみたまま、感じたまま

 

大衆演劇 姑の嫁いびりの原則

肩のもみかた、お茶の入れかたのいびりが定番メニュー

 

小気味よい仕返しに人情が絡む。せりふの間がいい、芝居が映える。

わかりやすい話だが所作とセリフで深みを増す。演者が違えば芝居も重厚。

 

 

☆ 劇団口上  座長 三代目南條隆ほかメンバー

・雨降る中のお運び厚く御礼申し上げます

・鈴成り座は親父の時代に乗って以来です

・関西公演はここが最後になります。来月からは九州になります。

・演目イベントは別記当ブログ参照

 

☆ 舞踊ショー

 

・ラスト「よっしゃこい」

 

【画像】

余韻ある舞台演出、王道の芝居が蘇る・紀州屋良五郎