紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 戟党 市川富美雄一座 木川劇場 2021/10/03

〇見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます 

1年ぶりの大阪の劇場公演、木川劇場は昨年に続いて3回目

 大衆演劇とは少し違った劇風、小演劇風というか新派風というか  出し物も演出、口説も、かなり違う劇団だ。しかし、これから大きく伸びる新しい大衆演劇のかたちだ。見るべし見るべし。

 

〇演劇ユニット劇団晴空(はらから)を座長の子供さん達5人で立ち上げ幅広く活躍の場を広げる

 

大衆演劇だけではなく、OSK、宝塚、商業演劇、映画界等ウイングの広い人脈をもつユニークな劇団だ。

 

洗練された舞踊レベルと目を見張る芝居!

☆()夜の部は18時ではなく1730分開演です。

 

🔸劇場スケジュール

11  劇団殿下

 

メンバー

座長  市川富美雄

紀訥紀乃

實川加賀女

實川菜々美

實川結

市川千也

小川紗矢香

實川樹

實川輝那

中海加津治

谷川恵那

NOBU

北斗

花島直也

 

☆ 特別ゲスト「演楽表現集団 飛花~Hibana~

 

 

芝居「十六夜恋慕」  一幕四場

 

・旅人を追う女・おさよ‥實川加賀女

・旅人・十六夜月太郎‥實川輝那

・小九郎親分‥市川富美雄 座長

・子分市川千也

・子分‥實川菜々美

・子分‥中海加津治

・母・侍の妻お菊‥紀訥紀乃

・飴や(萩原勝之進)‥北斗

・武士塚口‥小川さやか

・武士の母‥谷川恵那

ほか

 

【あらすじ】

 

△ 八王子街道

親分が腹を立てて何も言わない。十六夜月太郎が賭場で景気のいい勝負を挑んできたが大負けした。子細を子分達に語る親分。子分が変わりに仕返しの算段。

 

やってきた母お菊が子分達に切られ、いまわの際に旅人に助けられる。子・勝之助のこれからを託す。

 

萩原勝之進が父。その父を探してやってくれと言い残し母が死ぬ。左頬に刀傷が目印。

そこへ旅人を追ってやってきた女が母代わりをかってでる。

 

△ 息子を見送る母

武士の妻が息子の旅路を見送る

 

 旅の途中、飴やに扮した探し人、萩原勝之進と合うも、子を持った覚えはないと拒絶する。「坊や、ちゃんのことは諦めて帰ろうな」

結局、旅人と女が自分たちの子として預かることになる。

 

そこへ、通りかかった小九郎親分。何かと因縁をつけ、それが十六夜の月太郎とわかり仇討ちが始まる。

 

△ 月太郎の家

・月太郎の家まで押しかけてきた、親分一味。喧嘩するなら御成門の馬場先でとなった。

喧嘩場に行こうとする月太郎に、せめて別れの杯をと女が促す。

 

大衆演劇ぽくない台詞まわし、形式美がしっくりと決まる。

 

△  御成門の馬場先

 

・喧嘩は無腰で向かい、相手三人を倒す。

そこへ親子名乗りを避けたあの萩原勝之進がやって来て親子名乗りをさせてくれと月太郎に頼もうとするが断る。

 

・父は断念し、やがて徳川の世が終われば勝之助にこの扇を渡してくれと頼む。

 

・そこへ生き残った子分たちがやって来た。萩原勝之進と月太郎は倶に戦い退ける。

 

萩原はひしと子を抱き親子名乗りをせず去っていく。余韻の中、幕。

 

中々、よく出来た芝居だ。こういう作品はこの劇団でしか見れない。

 

劇団口上  座長 市川富美雄

・今日の芝居は祖母が浅草で女剣戟をしていた時の芝居です。と座長。珠玉の作品群が飛び出す宝箱のような劇団なのだ。ぜひ、1度でも多く足を運んで欲しい。

 

・前売り券&グッズ販売

・オリジナルお面手ぬぐい

 

特別ゲスト「演楽表現集団 飛花~Hibana~

 

歌と踊りのバラエティショー  

・座長の歌から

 

舞踊の水準は極めて評価は高い

・ラスト『遊侠子守唄〜多喜雄のソーラン節』

 

【画像】

 

姉弟が心を合わせ紡ぎだす珠玉の芝居がなんとも新鮮、白熱・紀州屋良五郎

 

★ コロナは第六次感染拡大もなく終息していくのだろうが社会は随分変わった。

新劇場オープン、来たれ大衆演劇のメッカ・大阪