紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『神在月のこども』(アニメ)を見た

◯ まいどおおきに映画メモでおます~アニメです

 

 

 
STORY

母を亡くしたことがきっかけで、大好きだった走ることが嫌いになってしまった12歳の少女カンナ。固く心を閉ざす中、母の形見に触れた彼女の前に神の使いである白いうさぎが現れ、出雲への旅にいざなう。出雲に行けば亡き母に会えるかもしれないといううさぎの言葉を信じ、神々を迎えて祭る神話の地でもある出雲に向かうカンナは、行く手に立ちふさがる鬼の子孫・夜叉を筆頭に、八百万(やおよろづ)のさまざまな神と出会うことになる。

 

キャスト

(声の出演)、蒔田彩珠坂本真綾入野自由、新津ちせ、永瀬莉子、茶風林高木渉神谷明

スタッフ

原作・コミュニケーション監督・脚本:四戸俊成
アニメーション監督・絵コンテ:白井孝奈
脚本:三宅隆太、瀧田哲郎
キャラクターデザイン・総作画監:佐川遥
神様デザイン:小田裕康
色彩設計:垣田由紀子
美術監督:佐藤豪志
撮影監督:高津純平
音響監督:岩波美和
クリエーション監督・絵コンテ:坂本一也
絵コンテ:望月智充
エグゼクティブプロデューサー:小金澤剛康、西出将之、関口忠宏
統括プロデューサー:オシアウコ
プロデューサー:三島鉄兵、吉田佳弘
プロダクションマネージャー:里見哲郎
スーパーバイザー:諏訪道彦
主題歌:miwa

上映時間  99分
 
◯ 私がみたままを感じるままに ◯
 
この映画にもちょこっと『鬼』がでる。鬼滅の影響は随分浸透している。
 
日本がもと、八百万の神の国だったことを思い出されるアニメだ。
そこに、あわれる神たち、例えば韋駄天とか大黒天などはインド仏教でも日本の仏教でも随所に融合し、取り入れられている。日本でキリスト教より仏教が広く受け入れられた一因は仏教の土俗融合性、融通性に起因しているように思える。
 
映画のタイトルがおもしろい。神無月とは旧暦の10月をさし、日本中の神様が出雲の地に集まり『神様のサミット』をおこなうところにこの名の由来がある。そんな神々しい集いだから全国からごちそうがお供物として集められた。それを運ぶのが足の速い神の使いである『韋駄天』なのだ。
 
主人公の名のかんなも「神無」に由来する。母は韋駄天の末裔として育ち娘にもその血が受け継がれた。母とともにマラソンの練習に励む毎日をおくるカンナであったが……だが、病気のため母は早逝し、そんな母に会うため遺品の勾玉をまもりとして神の使い因幡の白ウサギや夜叉むの助けを借りて出雲のサミットへと向かう。
 
「縁はむすぶ」ものだと大国主の尊はかんなに諭す。
 
全編通じて「人は自分を超えた大いなる力があることを忘れたときにいつしか自らが神になったと錯覚する」そこに傲慢・我欲をほしいままにする。
 
やがて引き起こされる乱世は人・リーダーが恐れる物を欠いたとき大いに民を抑圧する事をこの映画は教えているように思えた。きいてるか麻生・安倍・甘利。あなた立ちだけが許されるルールはないんだょ
 
癒やされる作品だ。出雲地方に旅したくなった。