☆ 見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます。
☆ 今月、夜の部、17時 開始
★ 入場料金 1500円 前売り券 1200円
☆ 春陽座結成時に載ってから15年ぶりの梅南座公演。
★ 毎日、大入が続く
☆ 梅南座スケジュール
12月 嵐山瞳太郎劇団
01月 嵐山瞳太郎劇団
☆ 春陽座 スケジュール
12月 大江戸温泉ニュー塩原
★メンバー
劇団責任者 澤村新吾
二代目座長 澤村心
澤村京弥
澤村煌馬
澤村優夢(ゆず)
澤村かな
澤村美樹
澤村みらい
澤村姫々
澤村愛夢(あんず)
他
☆顔見せミニショーはなし
〇芝居「藤十郞の恋」 100分 熱演
・主演 座長・澤村心
*若手が活躍する新世代の春陽座の舞台だ
他
澤村心‥藤十郞
澤村新吾‥宗清旦那・清兵衛
澤村煌馬‥宗清使い
澤村京弥‥座元
澤村優夢‥藤十郞の弟子
澤村かな‥お梶
澤村姫々‥座院
ほか
【あらすじ】
近松門左衛門の昔暦おさん茂平にまつわるはなし。坂田藤十郞は團十郎と芸の上でしのぎを削っていた。
藤十郎は不義を演じなければならない演目(近松門左衛門作の「昔暦おさん茂平」)の役作りに苦悩する。
不義の経験の無い藤十郎は困り果て、宗清女将のお梶を使うことが浮上する。
お梶が祇園、宮川町の舞妓であったころ藤十郞は出会う縁があった。20年前のことであった。
お梶は諭す「自然体で嘘がつける、それが男の色気というものです」と何気なく語った一言が藤十郞のこころを捉えた。
やがて、藤十郞とお梶は互いに惹かれ、忍びつつ、道ならぬ恋のけもの道へと踏み込んでいくのであった。
お梶は祇園の料亭宗清の女将。まして、夫のある身、苦悶のはじまり、恋の炎で身を焦がす。幼馴染の藤十郎に心の奥底で想いを寄せていたお梶は落ちた。
藤十郎は、お梶に偽りの恋心を伝える。
実直で貞女のお梶は苦悩のゆえ、座敷きに訪れた。
呼び出したお梶の後ろめたさを含んだ女の表情を見取った藤十郎は夜の闇に去ってゆく。
お梶は、芸の工夫の為の偽りの口説きだと気づきき、一瞬でも亭主を裏切り不義をしようとした自分の心を責めて自害する。
*世間では藤十郞は芸のため詐心の恋をしたと噂され、お梶の死の知らせに望んでもたじろぐことなく墓前にまで赴く。そして、清兵衛がお梶の書いた遺書を読み聞かせてみると‥‥
中程までは夫・清兵衛へあてた思い、が、半ばすぎるところから恋する藤十郞と連舞を舞ったいにしえの恋慕がつづられる。清兵衛はしりつつ、お梶の思いを伝えてやるために墓前に藤十郞を呼び寄せ手紙を読み聞かせるのだった。
もとより、藤十郞も芸のためと偽りつつも、片時も忘れ去らない恋ごころ。やがて、白無垢の着物を着た「お梶」が現れ、二人で舞う。
そして、心底、惚れた女は「お梶」お前しかいない、生涯、妻は迎えないと藤十郞は嗚咽する。
嗚呼、なんとお梶の全てをうけとめ、純愛をつらぬく描き方の芝居か。
この「お梶」はまさに新吾演出の真骨頂だ。
気高く、度量が大きい男、お梶の旦那・清兵衛を演じる澤村新吾が眩くみえた。
* 座長と澤村かなが演じる絶妙な演出、暗転のなかで二人の睦言が交わされる。余韻と深み、奥行きが上手く、綺麗な絵になった。やはり、芝居の春陽座だ。
*名女優・澤村かなが演じる恋の情念に生きるお梶は出色の出来栄え。
その夫、演じる澤村新吾の飄々とした中にも隠し味が効いた渋い芸が冴えに冴える。
〇劇団口上 澤村心座長
・スケジュール紹介
・前売り券&グッズ
〇グランドショー
はるよこい〜
※ラストショー「泉州まつり節」
【画像】
春陽座の芝居には味と演出の細かさ、そして、余韻がある・紀州屋良五郎