紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 劇団松丸家 オーエス劇場 2021/11/15

〇見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます。

メンバー

座長  松丸家小弁太  

副座長 咲田せいじろう

松丸家美寿々   

松丸家こもも   

松丸家ちょうちょ

松丸家りへいどん

松丸家あ~ちゃん

 

【劇団スケジュール】

12 四日市・ユーユー会館

2022

01  大阪・千鳥劇場

02  和歌山・夢芝居

 

【オーエス劇場のスケジュール】

12  劇団新

 

顔見せミニショーはなし

 

芝居「幻の八九三(やくざ)

 

(あらすじ)

 

配役

馬篭の伊三郎‥松丸家小弁太

伊三郎の父‥松丸家こもも

伊三郎の弟・伊之助‥松丸家ちょうちょ

 

立場一家

親分の権助‥龍太

ほか

茶店の娘おみつ‥松丸家美寿々

目明しの稲荷の平次典‥咲田せいじろう

 

(立場宿の茶店)

みかじめ料の取立に来た権助親分達。

来月から倍にと言う権助親分に、母も病がちで、今まで通りでと頼むも冷たくあしらわれる。

 

そこへ、「権助親分の身内になりたい。」と伊之助がやって来る。

 

権助親分は、十両の金を持って来たら、身内にしてやる。と言う。十両あったら、やくざになれるかと呟く伊之助に、おみつは叱咤するが、聞く耳持たず帰って行く伊之助。

 

旅人がやって来て、お茶を二つ頼む。いぶしがるおみつに、もう一人来るから。と言う旅人。

 

茶店の前を、足早に通り過ぎようとする男に、「お前さん、馬篭の伊三郎さんだね。」と言って、呼び止める旅人。

 

旅人は、江戸の目明しの稲荷の平次と名乗る。

平次は、地元のやくざと結託し悪事を働く韮山の代官を調べにやって来ていた。

 

「俺と同じ旅籠屋に泊まり、俺がおめえの話し相手になってやる。」と言う平次だがその話を断ると、おみつを呼び、とっつぁんは元気か?と尋ねる伊三郎。

 

おみつは、伊之助がやくざになりたいと言って、権助親分の身内にして欲しいと頼み込んでいる事を告げ、伊三郎には、家には帰らない方がいいと言う。

 

話を聞いた伊三郎が茶店を後にしようとした時、困っているなら、俺が手を貸してやろうかと言う平次。

 

(兄弟の父の営む居酒屋)

父親の許へ帰り、孝行もせず旅に出たままを詫びる伊三郎に、お前は詫びる様な事は何もしておらん。だが、何も言わずに、このまま旅に出てくれないかと頼む父親。

 

おみつから、伊之助の話を聞いていた伊三郎は、折角、ここまでやって来たからおっかさんの位牌に手を合わせたいと言う伊三郎。

 

伊三郎と父親が、奥へ行ったところへ、「とっつぁん、金くんなぁ。十両くれ。」と言い伊之助が帰って来る。

 

お金はあるはずがない。勝手に探してこいと言う父親。

「あった!あった!」と財布を握りしめて出て来た伊之助。

 

伊三郎が、母親の位牌に供えた十両だった。

十両を持って出て行こうとする伊之助の前に立ちはだかった平次は、「この俺はやくざなんだぞ。やくざは強えんだぞ。」と抵抗する伊之助から十両を取り返し、父親に戻す。

 

そこへ、奥から出て来た伊三郎は、伊之助の奴は、俺が必ず連れ戻してやると伊之助の後を追う。

 

(街道)

やって来た伊之助に、金は出来たのか?と聞く権助親分。

 

十両は一旦は手にしたが、持って来る事が出来なかった。」と答える伊之助に、権助親分は、「伊三郎が帰っているはずだ。代わりに、伊三郎をここに連れて来い。と言う。 

 

間髪をいれず、そこへ、伊三郎が現れる。

この俺の渡世の身内になる気はないかと伊三郎に尋ねられ、頷く伊之助。

 

伊三郎は、権助親分たちを斬る。

権助たちもいなくなったし、ここに、伊三郎・伊之助兄弟一家を構える気はないかと伊之助に言う伊三郎。

 

そこへ、目明しの平次が現れ、いとも簡単に、伊三郎をお縄にしてしまう。

 

死罪、晒首は免れない。と平次に言われ、「助けてくれ。俺は死にたくない。助けてくれよ伊之。俺と代わってくれよ。俺はまだ死ぬのは嫌だ。俺の代わりに死んでくれよ。」と伊之助に哀願する伊三郎だが、平次に引かれて行く。

 

一人残された伊之助の許へ、父親がやって来て、伊三郎に会ったかと尋ねる。

 

兄ちゃんなんか見ちゃいないよ。やくざって馬鹿だよな。やくざは弱いよな。おいらはやくざは嫌いだ。やくざなんか大嫌えだと号泣する伊之助。

 

伊之助の気持ちが変わったのは、伊三郎のお陰と気付いた父親は、姿の見えない伊三郎に、伊三郎、何も言わぬ。この通りだと手を合わせ礼を言う。

 

二人が去った後、伊三郎と平次が現れる。

伊三郎に行く当てを尋ねる平次。

「弟にとって、やくざは幻だったんだ。この馬篭の伊三郎も幻。幻の身には行く当てなんかない。」と答える伊三郎。

 

 かわいい弟を改心させるため渾身からヤクザの業を示し、立ち直らせる兄。兄弟愛が滲む任侠芝居は人の情けをじーんと伝える名作だ。

 

 

口上挨拶   座長 松丸家小弁太

・前売り券&グッズ販売

・演目スケジュールの紹介

 

舞踊ショー  

 

ラスト    いっぽん釣り

 

【画像】

芝居よし、舞踊よし、歌唱よし三方よしな総合力は都若丸に並ぶ劇団・紀州屋良五郎