紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『死刑にいたる病』を見た

◯ こんな映画を見ました

 

 

 

 

 

 

 
 
STORY

理想とはかけ離れた大学生活で悶々とした日々を過ごす筧井雅也(岡田健史)のもとに、ある日1通の手紙が届く。それは大勢の若者を殺害し、そのうち9件の事件で死刑判決を受けている凶悪犯・榛村大和(阿部サダヲ)からのもので、「罪は認めるが最後の事件は冤罪(えんざい)だ。犯人はほかにいることを証明してほしい」と記されていた。かつて筧井の地元でパン屋を営んでいた旧知の榛村の願いに応えるべく、筧井は事件の真相を独自に調べ始める。

キャスト

阿部サダヲ、岡田健史、岩田剛典、宮崎優、鈴木卓爾佐藤玲、赤ペン瀧川、大下ヒロト、吉澤健、音尾琢真岩井志麻子、コージ・トクダ、中山美穂

スタッフ

監督:白石和彌
脚本:高田亮
原作:櫛木理宇

 
上映時間 129分
 
 
◯見たまま・感じたまま◯
 
見終わってからも引っかかって引っかかって考え続けている。そんな映画である。
 
冒頭のシーンで水路の水があけられ犯人と思わしき男が花びらのようなものを蒔く、花びらではなくそれがこの連続殺人鬼が手にかけた子ども達の爪であることに後できづき背筋が凍る思いがする。
 
まさに「狂」と「惨」の世界だ。
 
それを演じるのが阿部サダヲで実に怪演としか云いようにない。阿部サダヲの目を見ていると
「仏眼」にしか見えない。そこには「慈光」が宿っている。そんな役者が狂気の殺人鬼を演じているから恐ろしさが増幅されて迫ってくる。
 
多くは書くまい、話題作だ。時間があればぜひ足を運んで欲しい。