紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 大衆演劇の至芸 劇団ふじ 香芝天満座 2022/06/06

○ 見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます

○ 捻る笑いもオリジナル、下ネタ、いじりと無縁の品格が魅力。喜劇の間合い、冴える殺陣、4代に亘る歴史が光っている。

 

○ この劇場は昼の部+イブニングショーの形式で夜の部はない

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メンバー

 

座長 藤仙太郎

座長 月姫之助

優馬

美月こと

美月楓

美月麻里

美月瑠奈

小月しのぶ

初代 藤ひろし

マンスリーゲスト   座長  大和あつし

 

 ★芝居『夜烏銀次兇状記』


【配役】

中乗り新三‥座長 月姫之助

母親‥小月しのぶ

夫婦の契りをしたおみつ‥美月こと

夜烏銀次‥藤仙太郎

役人‥大和あつし

 

 

<あらすじ>

 

勘当され旅に出た新三がふるさとの母が営む茶店に帰ってきた。

 

帰りを待ち、茶店を手伝うおみつと再会する。

 

ふたりは互いに名を呼び合い、ぐっと距離がうまる。

アドリブはベテランの掛け合いでユーモラスにきまる。

 

そこへ、訪ねてきた旅人銀次。この男と新三の掛け合いもまた絶妙

 

さらに子分がやって来て、親分と女将さんが中乗り新三にやられた告げる。

 

旅人銀次は新三が仇と聞き、勝負せよと挑む。

いきなりの言葉に一年の暇を願うも10両のカネを要求される。

 

じっと話を聞いていた女房のおみつ、10両をつくるからと仲裁に入る。

すると、そこへ役人が新三を捉えにやって来た。

 

すわ、取り縄という時に、旅人が新三の身代わりに名乗りでる。

 

これには、きっと訳がある。

 

この旅人には昔、別れたかわいい妹がいた。

その妹こそ、誰あろう、奇遇にも今目の前にいる新三の女房おみつじゃないか‥

 

*笑いを交え、泣きをちりばめ、人情を絡め、絶妙の芝居で魅せる。

せりふの言い回しと余韻に伝承の技が光っている。

 

「この冷てい十手にも温かい血が通うこともあるんだぜ」と役人。

 

この間、この所作、絶妙のきっかけで曲・旅烏がながれる。

0.5秒の絶妙の間合いと花道演出!

 

涙は間合いできまるもんだぜ。

 

*だから劇団ふじは旅芝居の大道をゆく。

これぞ、技量勝負のザ旅芝居・大衆演劇だ。

ああ喝采

 

 

口上挨拶   月姫之助

・演目、イベント紹介

・前売り券&グッズ販売

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この劇場のスケジュールは年末まで決まっている

 

新歌舞ショー  

・ラストショー  『花魁ショー』

 

【画像】

きまる所作、絶妙の間、珠玉のセリフを紡ぎだす劇団ふじ。わたしはこの両座長の人柄に惚れている・紀州屋良五郎