紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信 はてな版

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『PLAN75』を見た

カンヌ映画祭で話題を集めた映画を見た

予告編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

STORY

高齢化社会を迎えた日本では、75歳以上の高齢者が自ら死を選ぶ「プラン75」という制度が施行される。それから3年、自分たちが早く死を迎えることで国に貢献すべきという風潮が高齢者たちの間に広がっていた。78歳の角谷ミチ(倍賞千恵子)は夫と死別後、ホテルの客室清掃員をしながら一人で暮らしてきたが、高齢を理由に退職を余儀なくされたため、「プラン75」の申請を考える。

キャスト

倍賞千恵子磯村勇斗、たかお鷹、河合優実、ステファニー・アリアン、大方斐紗子串田和美

スタッフ

脚本・監督:早川千絵
脚本協力:ジェイソン・グレイ
エグゼクティブプロデューサー:小西啓介、國實瑞恵、Wilfredo C. Manalang
エグゼクティブプロデューサー・プロデューサー:水野詠子、フレデリック・コルヴェ
プロデューサー:ジェイソン・グレイ、Maeva Savinien
コプロデューサー:Alemberg Ang
ラインプロデューサー:古賀奏一郎
撮影:浦田秀穂
証明:常谷良男
録音:臼井勝
美術:塩川節子
スタイリスト:岡本華菜子
ヘアメイク:宮内三千代
音楽:レミ・ブーバル
サウンドデザイン:Philippe Grivel
編集:アンヌ・クロッツ
キャスティング:細川久美子
助監督:近藤有希
製作担当:金子堅太郎

上映時間
112分
 
https://news.yahoo.co.jp/articles/2e20a16978e32eb5e77ec419cac5de769aa0244e

 

 

〇 私の見たまま、感じたまま 〇

 

この映画は是枝裕和監督が総合監督を務めたオムニバス映画「10年 Ten Years Japan 」の一編として発表された短編「PLAN75」(早川千絵監督)を長編化したものである。

 

数年前、見たとき深く考える契機を得た忘れ得ない作品だった。このたび、倍賞千恵子の主演で見応えのある作品となった。

 

背景にあるのが国家財政の問題、世界一の高齢化が深刻の度を増す日本の政治課題である。

 

描かれているのが低年金で暮らしに行き詰まる老人達で富裕層は登場しない。

 

そして、元気だが高齢ゆえに社会から疎外され、職を失うと低年金で暮らせない老人達なのだ。皆、五体不自由ではなく、健康なのだ。なぜに、画一的に75歳で一律に死を選び旅立たせるのだろうか。

 

投げかけているのは貧しい福祉、そして心が枯渇した悲しい日本の未来だ。富裕層には命の選択の自由度が大きく、貧困層は国家財政のために死ぬ。つまるところ命の沙汰も金次第ということか。

安楽死を選んだ人達には10万円が支給される。

 

主人公は、この世の名残に上にぎりの出前を頼む。それが最後の晩餐とは儚くなる。

廻りが安らかに死を迎える中、主人公は自らの意思で安楽死施設から抜け出し夕焼けを眺め人生を邂逅する。

 

最後の夕映えのシーンは救いでもであり国と政治への不信と抵抗と思えてならない。

 

きんも100さい、ぎんも100さいといっていたあの長寿大国日本はどこへいってしまったのか

100年安心年金といっていたのは嘘だったのか

 

合法的な尊厳死はあっていいと私は思う。法制化も反対ではない。しかし、それは病気を原因とする場合にかぎるべきだ。経済的・社会的、家庭的条件により差別化されては絶体にならないことが条件だ。そして、なにより、自らの意思表示を大前提に厳格に行われるべきであると思う。

 

生きたいと思う意思がある以上、可能なら1000歳まででも生きられるように保障するのが政治と国家の果たす安心への役割であると強く願わずにはいられない。

 

すべての人に見て欲しい映画である。そして、生きるとは…を考える契機にしてみたい。