紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信 はてな版

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『エルヴィス』を見た

◯ スーパースターの実話、音楽で世界を変えたというキャッチに惹かれて見ることにした。

 

予告編

 

STORY

1950年代、エルヴィス・プレスリー(オースティン・バトラー)は歌手としてデビューする。彼の個性的なパフォーマンスは若者たちに熱狂的な支持を受ける一方で、批判や中傷にもさらされる。やがてエルヴィスは警察の監視下に置かれた会場でライブを行うことになり、マネージャーのトム・パーカー(トム・ハンクス)が彼に忠告を与える。

キャスト

オースティン・バトラー、トム・ハンクス、ヘレン・トムソン、リチャード・ロクスバーグ、オリヴィア・デヨング、ヨラ、ションカ・デュクレ、アルトン・メイソン、ケルヴィン・ハリソン・Jr、ゲイリー・クラーク・Jr、デヴィッド・ウェンハム、ルーク・ブレイシー、デイカー・モンゴメリー

スタッフ

脚本・監督・製作:バズ・ラーマン
製作・美術・衣装:キャサリン・マーティン
製作:ゲイル・バーマン、パトリック・マコーミック、スカイラー・ワイス
脚本:サム・ブロメル、クレイグ・ピアース
脚本・原案:ジェレミー・ドネル
撮影:マンディ・ウォーカー
編集:マット・ヴィラ、ジョナサン・レドモンド
音楽・音楽総指揮:エリオット・ウィーラー

上映時間
159分

◯ 私の見たまま、感じるまま ◯

 

いっせい風靡したエルヴィスの裏面史が描かれている。どんなスターにも裏面史がある。

 

彼をスターダムに押し上げたのはトム・パーカー大佐という男だ。「おれが50%エルヴィスの儲けを喰ったと言うが、エルヴィスは俺を信じていた」と語らせる。有能なこの興行師がいなければエルヴィスが世に出ることはなかったかもしれない。

 

彼の通称はスノーマン。スノー(雪)はカネだ。カネを降らす男=スノーマンだ。

スノーマンといういい方が気に入った。美空ひばりにも、プロレスの力道山にも、〇〇〇というスノーマンがいた。

興行師の世界はスターを発掘し、世に出し、売ることでみずからもカネを得る、いやいっしょに「夢」を見るのだ。

 

そのためにスターの見せ方、売り方の知恵に卓抜した能力が求められる。

上方流に言えば吉本興業の中興の祖「林正之助」みたいな存在がスターには必用なのだ。

 

彼は落語、講談が民心の時流変化による衰退を見極め、「漫才」を興業の中心に据えた。

エンタツアチャコという逸材を得て、今日の吉本興業の基礎を作った。

これがカネを降らす男、浪花のスノーマン。

興行師はスノーマンなのだ。

 

それが仮に大衆演劇の世界であっても同じなのだ。ああ、BIGなスノーマンが出て欲しい。そんなことを妄想しているうちに映画は終わってしまった。

 

私にとってはエルヴィスより、雪を降らす男に興味が尽きない。

 

エルヴィスはたった42歳で死をとげた。妻との別れの際、「俺が50歳で、お前が40歳になったらもう一度一緒になろう」と泣いたエルヴィスは人の子に帰った一瞬だった。しかし、彼は「家庭、愛、ふつうの幸せ」を捨てた人生と引換えにスターという勲章を得た。

 

しかし、時代を動かした快感は誰でも得られるものではない。スノーマンもまた同じ夢を見た。

 

興行師にとり世をドギマギさせ、有頂天にさせる痛快さをこの映画は教えてくれている。

 

あなたは、支え人に興味があるか?それともスターになりたいのか?人生は1度きりだ。パッと花を咲かそやないか