〇見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます。
大河一心、芝居の鬼と化す!
〇 大熱演の親子競演。
〇 きょうも客席の半分は男性客。
〇河内十人斬り 三部作 三日間
・男の契り
・恨みの殴り込み ←本日はコレ
・金剛山鉄砲腹
〇 浪花劇団スケジュール
【メンバー】
近江新之介
浪花めだか
大河一心
浪花しめじ
浪花こころ
浪花小福
三枡家ゆたか
他
〇鹿島劇団 参加
二代目鹿島順一
雷鉄命
他
剣友会メンバー
※
★ 鈴成り座スケジュール
8月 剣戟はる駒座 料金アップ全日2000円
☆特選狂言「河内十人斬り 妹との別れ 恨みの殴り込み」
(配役)
- 大河一心‥弟・谷弥五郎
- 浪花めだか‥松永一家若い衆
- 近江新之介‥兄・城戸熊太郞
- 三枡家ゆたか‥松永一家親分・松永伝次郎&巡査
- 浪花しめじ‥おぬい
- 二代目鹿島順一‥おぬいの母おかく
- 雷鉄命‥松永伝次郎の弟・虎吉
- 浪花こころ‥熊太郞の妹おやな
★配役と芝居の背景は全てプロジェクターで紹介
【あらすじ】
※明治26年の物語 今でいう新聞読み
※河内弁がきっちり決まる
※小道具にもこだわりを見せる舞台づくり
〇 堪えに堪えた、熊太郞と弥五郎。力を貯め、いよいよ松永一家への殴り込みとあいなった。節劇的手法。
熊太郞を訪ねる刑事(三枡家ゆたか二役)。
弥五郎が堀川の刑務所に入り変なうたを歌っている。変なマネするなとの忠告する。
熊太郞は弥五郎の獄中からの手紙を手に取りる。そこには仕返しの覚悟が切々と綴られていた。弥五郎は堀川の監獄に入っていた。
それも、これも兄貴の傷を治す、薬代を稼ぐため博打場へいき捕まったのだった。
釈放されて、熊太郞のもとに飛んで帰ってきた。
戦の銃の準備は出来ているがまず、妹に会いに行ってやれと諭す熊太郞。妹の顔を見て、殴り込みがいやになったというんやったら帰らんでもええんやで‥あほ、ぬかせ、きっと帰ってくるさかいと妹おやなの所へ駆けていく
妹おやなの奉公先
感動的な別れの場面を実の兄妹が演じる。
元気一杯、天真爛漫の明るさの妹おやなを巧みな「河内弁」で演じた浪花こころ。
兄はこれから九州へ石炭掘りにいくんやと。九州って遠いんか?東京のきだ向こうか?学校にもやれなかった不憫な妹。兄の悔しい思いがにじみ出る。なにもしてやれない無念の別れが切ない弥五郎。しばしの別れと思い明るく努めるおやな。
買ってやった着物を渡す兄。涙する妹。
石炭掘りで穴が詰まったら息でけへんやんか。
もしものことがあったらいやや。
博打打ちたいなら、うちの給金前借りしたらええやないか、そんな、あぶないとこ、いかんといてえなぁ。いや、どうしても行かな、あかん男の義理があるんや。第二部の大きな山場だ。
「兄やん、こんど、いつ河内に帰ってくるんや‥来年の盆には、‥」が泣かせる。
おやな、お前、亭主貰え、ほんで、大事にしてもらえよ‥
※浪花こころの成長ぶりに感嘆!河内弁の台詞も見事にこなし、細かい所作もきっちりと。泣かせる天真爛漫な妹役が決まる。15才の役者魂がひときわ光っていた。いつの日か浪花こころ主演で、堀江事件を題材にした「妻吉物語」が見たいものだ。
一家を後にし、親分の名代で宇治の花会へ旅立つ虎吉(雷鉄命)。見送る親分とおぬい。
※舞台はこの芝居の為めに本格的なセットが組まれている。
いよいよ松永一家に乗り込んだ二人。激しい死闘が始まる。激しさます嵐を光と音で再現。
☆いま、はやりの大爆音映画の迫力みたいやね!
鮮やかな殺陣が幾度も決まる。ふすまを破りおぬいの母を殺す弥五郎。五人相手のとめどない斬り合い。
抗うおかく(二代目鹿島順一)の迫力の芝居は花道までもつれ込む。
17才の若座長、大奮闘、名場面を鈴成り座の檜舞台ところ狭しと大暴れ。
・憎きおぬいはどこだ!寅太郞はどこや‥
・最後は、松永一家親分だ、親分はどこだ‥
・血だらけの死闘が‥‥豪雨の中、果てしなく、今回は本水を使わず、すべて光と効果音で構成。
まさに、当時を再現するかのような凄惨さ、幾度も、幾度も、幾度も、拍手鳴り止まず
嗚呼、大衆演劇の肝を見るような舞台だ。
※血糊も使い、剣友会メンバーを交えての本格的立ち回り、見どころいっぱいだ。
気を抜くと怪我人が出るともいわれる伝説の場面。
・いざ‥いざ‥ところが、ところが肝心の寅太郎がいない‥
虎吉をやるまでは‥舞台が‥朱でそまる。
これぞザ・大衆演劇‼
これだから、やめられない、止まらない。
カメラを止めるな!観劇も止めるな!
走り出したら止まらない、おいらは暴走トレインになっちまったじゃ あ〜りませんかぁ
舞台は明日へと続く。このまま、いっそ、オールナイトで、あかんか。体がつづかん?なるほど。
*厚みのある泣き笑いの芝居は見事な浪花劇団。
*この劇団の、本気の舞台はたまらんでー
【口上挨拶】(近江新之介座長)
・独特の節回しの挨拶。
・切れのある座長噺
・演目紹介。
・エピソード‥「妹のおやな」さんはご健在で、あるとき大衆演劇(剣戟はる駒座)を見に来ておられた。芝居が終わり、「実在の兄、弥五郎はあんな優しい人やなかたった」と語っておられたらしい。実話が元になっているといっても泣かせる場面は芝居の妙味だ。
・前売り券&グッズ販売。
☆舞踊ショー
・ラストショー 中国ショー「joker」
■画像■
思えば私の子守唄は幸枝若節の河内十人斬りの浪曲だったな・紀州屋良五郎
【参考資料】
<産経新聞・河内幻想紀行>凄惨、内臓引き出し顔の皮剥ぐ…「河内十人斬り」なぜ起きたのか
https://www.sankei.com/article/20130720-GCPDFSGBXFN67GX4MY26ZXMYY4/