紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『サバカン SABAKAN』を見た

〇 長崎は憧れの地、まだ一度しか行ったことがない。ただ、それだけの理由で見たくなった映画だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

STORY

1986年、長崎。小学5年生の久田(番家一路)は、愛情深い両親(尾野真千子竹原ピストル)と弟と共に時にはけんかもしながら暮らしていた。彼はあることを機に、家が貧しいためにクラスメートから避けられている竹本(原田琥之佑)とイルカを見るためにブーメラン島に行くことになる。この冒険をきっかけに二人の絆は深まっていくが、ある事件が起きる。

キャスト

番家一路、原田琥之佑、尾野真千子竹原ピストル村川絵梨福地桃子ゴリけん、八村倫太郎、茅島みずき、篠原篤、泉澤祐希貫地谷しほり草なぎ剛岩松了

スタッフ

監督・脚本:金沢知樹
エグゼクティブプロデューサー:飯島三智、小佐野保
プロデューサー:佐藤満、高橋潤
脚本:萩森淳
音楽:大島ミチル
音楽プロデューサー:丸橋光太郎
ラインプロデューサー:福田智穂
監督補:小川弾
撮影:菅祐輔
照明:渡邊大和
録音:田辺正晴
美術:岡田拓也
装飾:佐藤孝之
衣裳:松下麗子
スタイリスト:細見佳代
ヘアメイク:永嶋麻子
スクリプター:外川恵美子
助監督:新谷和弥人
制作担当:林みのる
編集:河野斉彦
主題歌:ANCHOR

上映時間 96分
〇 わたしのみたまま、感じたまま 〇
ローカル線と海の見える駅、輝く子ども達の笑顔、いやー映画って素晴らしいですね。
映画は感性のトレーニング、観劇は人生のスパイスというのがわたしの持論だ。
人はみな昔、子どもだった。それを思い起こさせるのがこの映画。
この映画は見入るとそこは子どもの世界に引き戻される魅力に溢れている。
なつかしくて、微笑ましくて、純粋で、そして熱く泣ける、そんな映画だ。
すべてを受け止めてくれるあったかい家族は何にもまして人が求めるものだ。
尾野真千子が演じるお母ちゃんが気取りなく、さりげなく、そんな世界を切りとってみせてくれた。
素朴でいい映画だ。
子どもの中に秘めた「おとな」をいきいきと演じる子ども達が眩しい。
サバ缶を使った寿司を初めて知った。つくってみたくなった。
貧しさや不運をたくましく弾き飛ばす「生きるちから」が二人の友情を育む珠玉のシーンが煌めいて見える。
原作も音楽もすばらしい。みんなが主役で個性的に輝いている。いい映画をみた。