紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 劇団鯱 鈴成り座 2022/09/11

☆ 見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます。

 

芝居「ラクダの馬」   *昼夜外題替え 

配役

丁の目の半次‥兜獅子丸

ラクダの馬‥松川翔也

屑屋‥朝陽政次

大家…美奈月好次

大家の倅…美鈴華

 

★ 芝居の見どころ・私はこう見た

 

古典落語の『らくだ』を大衆演劇でどう見せるか、これも劇団により、さまざまだろう。 さて、劇団鯱はどう料理するのだろうか

 

・喜劇なのか、私的には哀感を帯びた人情喜劇が好みだ。

 

・喜劇としても顔を崩した化粧とドタバタ風がいいのか

劇団鯱は「ドリフの大爆笑的」「どつき漫才風」、顔メイクで笑わせる手法。

 

確かにわかりやすいが好みが分かれる。

「ヘチマの花」でも同じ傾向が見られる。

 

・この話の見どころの一つは、屑屋が酒を煽るたびに強気に豹変するところ、ここで主客逆転する面白さ。逆転の妙味だ。日頃、恐れられているヤクザものの兄貴が屑屋にやり込められ立ち往生するおかしさ。

 

・死の恐怖を逆手にとり、人情味のない大家に死骸を踊らせ懲らしめる死人踊りのシーン。歌舞伎、落語では「カンカン」踊りのシーンだ。

 

劇団鯱では「かっぽれ」にしている。かっぽれは「陽」、かんかんのうは「怪奇の中の陽」で不気味な中の面白さは後者だと私は思う。

 

かっぽれは俗謡で踊りの形があり、なじみもある。一方、『かんかん踊り』は意味不明の【かんかんのう】を用いる。こちらの方が不気味で神秘的で興味がそそる。

 

 

参考・かんかんのう 

▲映画『寝ずの番』のワンシーン 中島らも原作 長門裕之主演

 

*劇団鯱版では「かっぽれ」を踊らせる。

 

この点、喜劇という事にこだわり過ぎているからかもしれない。

蹴るドツく漫才的アクションで笑いをとる手法やドギツイ顔メイクで笑いを狙う舞台はは、評価が分かれるところ。

 

たしかに、見ていて分かりやすいのはこちらかもしれないが…

 

大衆演劇は何でもありで、一生懸命でお客様が満足すれば勝ちだ。

 

*熱演の長丁場、85

 

*オバはんが2人集まれば笑いになるというのが関西。

「笑い」でウケルのはなかなか難しい。

 

 

☆参考・落語『らくだ』(笑福亭 松喬)

 

 

 

口上  若座長 兜獅子丸

 

・外題スケジュール紹介

掲示

image

 

・昼の部、終演後、夜の部の前にイブニングショーあり

 

トーク    兜蛇々丸

負傷中の療養の話 さまざまなエピソード

 

 

★おもなメンバー★

 

座長 朝陽政次

若座長 兜獅子丸

兜蛇々丸

兜天馬

獅童礼斗

孔槻麗華

鈴華

美奈月好次

松川翔也

 

 

★ 劇団の見どころ

 

 

新歌舞ショー ★ 舞踊ショーの見どころ

 

・変化に富んだダイナミックなショー展開は素晴らしい。

・場面の転換や群舞、相舞踊、選曲やバリュエーションも息つく間もなく楽しませてくれる。

 

・華ある兜獅子丸、天夜叉を思わせる「松川翔也」は劇団美松へ戻るのは暫く延期し劇団鯱の舞台に立つ。キレのある舞踊はひときわ目をひく。

 

ラスト  四人花魁

 

特選画像

 

 ★まとめの一言

 

チームワークがしっかりした劇団、華ある役者が幾人もいる、総合力はそろっている上昇間違いなし・紀州屋良五郎

 

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*大劇場も小劇場も手加減無しの全力奮闘は共感できる