紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 森川竜馬劇団&ちんどん通信社 コラボ企画 大阪風竜座 2022/09/23

☆ まいどおおきに〜観劇メモでおます  ※

☆ 今月、柿落としの劇場、遅まきながら、大阪風竜座にやってきた

 

 

▼劇場は2階

 

見やすいつくり 開演40分前 小さい店がたくさんあった雑居ビルに立派な劇空間。さぞかし改造が大変だったろう。天井も高いし舞台の高さもほどよい。各種、照明機器も配備できるようになっている。 提灯をみて知った。あの錦はやと座長が福正企画の社長を継がれたのだ。

 食事のスペースもありくつろげる  11時〜食事歓談ができる。

入場するとワンドリンクがついてくる。

 

クリア板もあり、感染対策の気配りがいき届く。

 

食事メニューも充実 座長が忙しく駆け回っておられる。すべてが陣頭指揮。食事もつくる。

本日のゲスト出演

ちんどん通信社一行

 

林幸次郎

林風見花

ジャージ川口

ウッチー内野

竺原みなみ

ピンキー

ほか

 

座長  森川竜馬

森川竜馬

桜美はるひ

桜美照乃

桜美琴乃

森栄都

蘭竜華

 

 

 

★ 10 劇場スケジュール 2ヶ月サイクルか?

森川竜馬劇団

 

★ 11月・12月 劇場スケジュール 2ヶ月サイクルのようだ

劇団天虎  七星泰河

 

 

★ 森川竜馬劇団 スケジュール ここは、劇場オーナーは旅芝居として各地を廻る

10  和歌山七福座

11  瓢簞山劇場

 

★ 本日のプログラム

 

 

★ 人情劇 「三人芝居」

 

まさに、三人が主役の芝居。 だが、演じる三人に技量がないとピシッとは決まらない難しい芝居でもある。

 
屋台のうどん屋を営む老夫婦の元に、腹を空かした無一文の遊び人がやってくる。
うどんを三杯平ら上げた後、勘定を支払う段階で「一文無しなので番屋に突き出して欲しい」と言う。
 
事情を聴いた老夫婦は、泊まるところがないと言うので家に招き入れることになった。
どんな展開になるのか、一気に引き込まれる。
 
子供のいない老夫婦。この若い男に頼み込み息子になったつもりでひと芝居やってもらうことになる。
苦労は山ほどしてきたが、子がない寂しさはうめられない。
 
おとっつあん、おっかさんと人並みに呼ばれてみたいもんだ。
数ある苦労はしてきても、一度きりの人生で埋めるに埋められないものがある。
 
父さん、お母さんと呼ばせたり、叱ったり。いろんなことを金をやりやってもらう。
いつしか、この疑似息子に情がわきなんともいえない満ち足りた気分に浸ることができた。
 
若い男も喜んで芝居を演じ実の息子のように受け答えをしてやる。
老夫婦の財産をもらい、家を出ていこうとする。が…はっと気づいた若者。それは金より大事なもの。
 
自分には、親と呼べる人はいなかった。その寂しさが自然に消えていた。
そうだ、この老夫婦のほんとうの子どもになりたいと心底思った。
 
「お父さん、おっかさん、今、頂いたこのお金でどうか私をほんとうの息子にしてください。」
若者は天涯孤独の身。金が足りないんじゃなく家族の愛に飢えていた事にいま気がついた。
 

じつに、よくできた余韻のある芝居だ。

森川竜馬座長と蘭竜華さんの絶妙コンビが織りなす人情劇は極秀作だ。

 

【配役】

うどんや老父・座長 森川竜馬

老母・蘭竜華

遊び人新太郎・森栄都

ほか

 

口上挨拶   森川竜馬劇団座長 

 

今日のゲスト ちんどん通信社さんとは10代の頃、鈴なり座で舞台をご一緒したことがあります。

やはり、生のちんどん音楽をこの舞台で聞けるのはうれしい。

次は、ぜひ、「ちんどん演芸館」にもゲストで出演をと林さんからも要請。 

 

★ ちんどん通信社のショータイム

 

毎週水曜日、あべのハルカスのスペース9で「ちんどん演芸館」という公演をやっています。

ぜひ、昼はそちらにも足をお運びください。

 

 

 

舞踊ショー  旅役者・竜馬の華舞台

 

ラストはちんどん通信社とのコラボ  お祭りマンボ

 

 芝居の見どころ

親が子を棄てる、殺して棄てる。そんな時代になってしまった今の日本。少子化の背景は人として大切なものを見失った姿かもしれない。大衆演劇はふと、我に気づかせてくれる心のオアシスなんだな。

 

★ コラボ&舞踊ショーの見どころ

チンドン屋さんの頂点に立つ東西屋さん一行とのコラボはそうそうに見れる機会はない。

しかし、時代は大きな転換点に立っている。神田伯山とストリッパー武藤つぐみのコラボもやる時代。

浪曲、講談、落語、大衆演劇、歌舞伎が垣根を越えて交流する事は新しいものを創造する力になると信じる。

 

特選画像

 

まとめの一言

大阪風竜座は来月も引き続き森川竜馬劇団の公演となります。移動がないため千秋楽なしで月末30日まで公演があります。ぜひ新しい劇場・大阪風竜座へ

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関西で月末29・30日まで公演しているのはここ、大阪風竜座、賀美座のシアター YOROKOBIと和歌山のすわん江戸村だけです。

 

文責・紀州屋良五郎