紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 若手で決める名作の舞台 長谷川劇団 浪速クラブ 2022/11/21

☆ まいどおおきに〜観劇メモでおます

長谷川劇団公式Twitterより
 

☆ 夜の部 芝居から  

     お客様は夜は60余名、本日はトリプル

昨日は芝居・三婆のみの3時間でフィフスの大入。

今月の浪速クラブは熱すぎる

 

 

☆ コロナ禍の中で苦闘を続けて来た長谷川劇団だからこそ舞台を誰よりどこより必死に務める思いが客席まで伝わってくる。

 

メンバー

総座長  愛京花

座長  長谷川武弥

副座長  長谷川乱之助

花形 長谷川一馬

花形 京未来  

長谷川舞

京詩音

長谷川礼音

長谷川愁

長谷川桜

ゲスト

都京弥

藤仙太郎

駒澤輝馬

駒澤優輝

 

 

芝居からの始まり

 

芝居「狐狸狐狸ばなし」

 

<主な配役>

京未来‥おきわ

長谷川武弥‥寺男の甚平

愛京花‥又市

長谷川一馬‥伊之助

長谷川詩音‥弔いひと

長谷川桜‥牛娘おそめ

長谷川乱之助

長谷川舞‥弔いひと

都京弥‥福蔵

駒澤輝馬‥法印(重善)

駒澤優輝‥うどん屋

 

ほか

 

〈あらすじ〉

 

吉原田圃で手拭屋をしている伊之助はもと上方芝居の女形

 

その女房おきわも元下座で三味線をひいていた女だが、酒飲みで怠け者の上、今では近所の閻魔堂に住む法印の重善と深い仲である。

 

ところがその重善に婿養子の話が持ち上がった。

 

相手は上方下りの財産家「山権」の娘で世間では「牛娘」と評判のおそめ。

 

これを聞いて嫉妬するおきわに、重善は「伊之助が気がつかないうちに別れよう」と持ちかけるが、おきわは「亭主は自分たち二人の仲を知っている」と言い出す。

 

こちらは重善のすむ閻魔堂。

 

おそめとの間を仲介した福蔵がやってきて重善に婿入りを催促する。

 

そこへおそめも忍んできて重善に口移しでお酒を飲ませたり、ベロベロ嘗め回したりしていると、おきわがやってきて刃物をふりまわし、おそめは逃げ帰る。

 

おきわが「いっしょに逃げて」と頼むと「それなら亭主を殺せ」と重善は言う。

 

伊之助のうちでは、伊之助が女房のお腰を洗濯しているところ。

 

そこへ帰ってきたおきわと、用意しておいたふぐ鍋を食べ始める。

 

するとちょっと頭の弱い手伝いの又市が、染め粉を買って帰ってくる。

 

伊之助は「染め粉は毒だから注意するように」と言う。

 

それを聞いていたおきわは、伊之助が部屋を出た隙に、染め粉をふぐ鍋に入れる。戻ってきた伊之助はふぐ鍋を食べて、苦しみだし倒れる。

 

翌日、「伊之助はふぐにあたって死んだ」ということにして重善が経を読んで葬式をだし、火葬場に運ぶ。

 

又市を番に残し重善とおきわは閻魔堂へ引き上げる。その後から亡者の姿の伊之助が付いていく。

 

その次の朝、二人のところへ青い顔をした又市が「だんなさんがお上さんを呼んで来いといっている」と言いにくる。

 

たしか昨日火葬にしたはずなのにと、皆はぞっとする。そこへおきわを迎えに来た伊之助見て、重善は狂ったように木魚をたたき出す。

 

伊之助はどうも幽霊ではなさそうなので、重善、甚平、福蔵、又市とおきわは一計を案じ、古沼のほとりでもう一度伊之助を殺すことにする。

 

すると又市が「今までこき使われてきた恨みをはらしたいので、自分にやらせてくれ」と言い出し、後の連中はうどんを食べながら待つ事にする。

 

しばらくたって又市が「死体は沼の底に沈めた」と帰ってくる。

 

しかしまたもやその後から伊之助の亡霊がついてくるので皆恐れおののいて逃げ出す。

 

閻魔堂ではおきわが重善に一緒に逃げてくれるよう必死にたのむが、重善は伊之助の亡霊から逃れたい一心で、牛娘の親の世話になることにひそかに決めている。

 

それを悟ったおきわは重善に、伊之助に飲ませたと同じ毒を酒にまぜて飲ませ、自分もそれを飲みほす。

 

毒を飲まされたと知って重善はも今にも死ぬと動転するが、なぜだか何事もおこらない。

 

しかしここにも伊之助の亡霊がやって来るので、重善は泡を喰らって逃げ出し、おきわは気を失う。

 

それからしばらくたったある日、伊之助の家では気のふれたおきわが庭先で三味線を弾いている。

 

実は伊之助を殺したはずの又市は狂言作者で、おきわの浮気に気をもんだ伊之助に頼まれて一芝居うったのだった。毒だという染め粉もわざと仕掛けた嘘だった。

 

何もわからなくなったおきわの口にご飯を食べさせてやる伊之助も、今ではちょっぴり後悔している。だが「もう浮気される心配もなくなった」と伊之助はおきわをおいて又市と遊びに出かける。

 

ところがそこへ寺男の甚平がやってくると、皆がてっきり気がふれたとばかり思っていたおきわは、なんとウキウキしながら重善からの便りを聞いているではないか。

 

だましたと思ったらだまされていた、狐と狸の化かしあいのような夫婦だったのだ。

 

 いや〜恐れいりました。テンポも間もよい、お色気もちりばめた素晴らしい喜劇だ。

しかも、若手でこれだけ演じるとは長谷川劇団は盤石の体制だ。

 

 ほんまに、細かい芝居するな〜おっさん、たまらんで〜

 

 おきわに扮する京未来が三味線で金比羅ふねふね奏で余韻残して幕となる。

 

 

北条秀司作の傑作喜劇、「狐狸狐狸ばなし」は昭和36年に伊之助に森繁、重善に勘三郎、おきわに山田五十鈴、又市に三木のり平に当てはめて書かれた芝居である。

 

 

☆ 口上挨拶 

     座長  長谷川武弥、駒澤輝馬、長谷川一馬

 

 

☆ 舞踊ショー

写真はすべて公式Twitter、公式ブログからの引用です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

画像★ *劇団発表で当面禁止

 画像はすべて、長谷川劇団公式ブログ、長谷川劇団公式Twitterからの転載です

 

洋々とした未来が見える長谷川劇団、溌剌と若手が実力磨く・紀州屋良五郎