紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 飛翔座 池田呉服座 2023/01/13

〇見てもろておおきに~まいどおなじみの観劇メモでおます

★ 大入り

 

★ やはり、大阪の夜の客入りはきつい。劇団飛翔でも、ここ池田呉服座では7人と厳しい日があったらしい。

 

メンバー

座長  恋瀬川翔炎  

若座長  恋瀬川キャビア

長谷川海星

恋瀬川大吾

恋瀬川愛梨花

恋瀬川桜羽

 

 

【池田呉服座】

2 劇団丞弥

3 長谷川劇団

 

 

 顔見せミニショー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・大吾〜海星

・若座長 恋瀬川キャビア

・ラスト舞踊は翔炎座長の「津軽平野

 芝居のように舞う座長。そして、「命の華」

 

芝居「瞼の母  瓦焼きの家」 

 

 戯曲・番場の忠太郎の序幕(長谷川伸・原作)

 

-おいらの故郷はいったいどこにあるんでぃ-

 

配役

馬場の忠太郎‥恋瀬川翔炎 

金町の半次郎‥恋瀬川キャビア

ほか

 

【あらすじ】

 

一幕一景

 

半次が家の前で倒れている。それを起こしのは妹おぬいと母だった。

 

番場の忠太郎は、母親を探す旅を続けていた。

忠太郎は、渡世の足を洗い故郷に帰った弟分半次郎の実家を訪ねるがおっかさんは、やくざな忠太郎をみて訝しがり、まだ、かえってはいないと嘘をつく。

やむなく、忠太郎は一旦その場を引き返す。

 

 

入れ替わるように、飯岡助五郎の子分が半次の実家を訪れ、半次を出せと大声で叫び、母は半次郎は帰ってないと拒絶する。聞いていた半次はたまらず門先にでて争いになる。

 

半次郎は堅気になる前に、飯岡助五郎に傷を負わせており、子分どもはそのけじめを取るためやってきたのだった。

 

たちまち立ち回りとなるが、忠太郎が現れ、半次郎を救い、助五郎の子分たちをなで斬りにした。

 

 座長の立ち回りに拍手が

 

半次郎の母は忠太郎に思いを寄せ、ことばをおくる

それは「そなえどり、子の泣く方に植えていく」のたとえ話だった。

ことばの意味を聞くにつれ、改めて母を探して逢おうと心を決めるのだった。

 

忠太郎は、半次郎の母に当たり箱を持ってこさせ、

「お上様へ このものどもは悪人なり、こいつらを殺したのは、わっしに間違いありやせん 番場の忠太郎」と書こうとするが、忠太郎は無筆であった。

 

 字が書けない様を絶妙な仕種で芝居する翔炎座長。こんな芸当はベテランの味だ。

 

その様子をみた半次郎の母が、忠太郎の手をとり、一緒に文字を書いてやる。添えられた母の手の温かいこと、ふと、子ども心にもどる忠太郎であった。

 

最期に忠太郎と書いたところで、思わず知らず忠太郎はハラハラと涙をこぼすのであった。

 

あっしの生い立ちをきいておくれやすかと…ぽつり、ぽつりと語りはじめる忠太郎。

その生い立ちと母とのつらい別れ‥

 

どうやら長谷川伸の名作「瞼の母」には人の心のベルを鳴らす仕掛けがあるようだ。

 

それにしても、翔炎座長のこのセリフ回しと抑揚。

杉良太郎の「瞼の母」のセリフ部分を聞きくらべてみるとよい。

きっと瓜二つの気がしてくるだろう。

 

半次郎のおふくろさんにきっと母に会えますよと言われ、一条の光が差し込む忠太郎であった。

 

座席の隅でそっと涙を抑えるお客さんの姿があった。人の心を掴む旅役者、一幕の芝居にいくつもの見せ場をつくる・恋瀬川翔炎座長。

 

素晴らしい照明演出、スポットに照らし出された

ラストの熱の隠った語りはザ・名優だ。

 

 

なみだで半次郎の家をあとにし、旅にでる忠太郎  幕

 

 

考えたら、簡単なストーリーの芝居、だがたっぷり情が伝わり、見せ場がある。

これが、芸のちからなのだと妙に納得した

 

 

☆ 口上挨拶  恋瀬川翔炎座長  キャビア若座長

・前売り券&グッズ販売

・プログラム紹介

 

 

 

歌と踊りの花歌舞ショー  

・歌 座長 /    恋瀬川翔炎座長といえばこの曲

    歌詞入りの幕まであり全員唱和

・翔炎座長とキャビア中心のショー

 

【画像】

 

大衆演劇の古参、こまやかな情の熱演と舞踊は至芸の極みだ・紀州屋良五郎