紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『イチケイのカラス』を見た

〇 こんな映画でおました

 

〇 予告編 〇

 

 

 

 

 

 

STORY

イチケイこと東京地方裁判所第3支部第1刑事部に在籍していた、裁判官の入間みちお(竹野内豊)。2年前に岡山県瀬戸内へと異動した彼は、史上最年少防衛大臣にまつわる傷害事件を担当する。だが、事件と関連するイージス艦衝突事故を調べるも航海内容が国家機密扱いになっており、裁判所主導で検証を行える職権発動も適用できない。一方、入間の相棒だった坂間千鶴(黒木華)は、裁判官の他職経験制度のもと弁護士として隣町で働き、地元企業をめぐる事件に携わっていた。

キャスト

竹野内豊黒木華斎藤工、山崎育三郎、柄本時生西野七瀬田中みな実桜井ユキ水谷果穂、平山祐介、津田健次郎八木勇征尾上菊之助宮藤官九郎、吉田羊、向井理小日向文世

スタッフ

原作:浅見理都
監督:田中亮
脚本:浜田秀哉
主題歌:Superfly

 

〇 私が見たまま、感じるままに 〇

 

民放の連続テレビドラマの映画化作品である。

リーガルサスペンスをうたっているように裁判、弁護人、法廷のやり取りがたて糸となり背景にさびれる町をまもり、そこに育つ人たちを描く地味な映画である。

 

森友事件しかり、それに纏わる公文書改ざんや原発事故の東電裁判など行政法(公法)にまつわる事件はつまるところ敗訴に追い込まれ、民事により処理されるか、民事、金銭で決着する筋立ては現実社会をそのまま移し出している。そこは、フジサンケイグループが関わる作品の色合いは濃い。

 

現実からかけ離れた結論は防衛大臣が潔く身を引くというストーリー展開と裁判長の職権捜査なるもの。(本人の殺人事件隠ぺいと軍事機密守秘もあるが)これこそ、フィクションとしてのエンタメのなせる技だ。

 

この映画が多くの関心を集めるのは連続テレビドラマの作品、原作の人気という裾野の広さと演技派俳優陣によるところが大である。

 

全編通して、見せ場があり、それぞれの視点で楽しめるところがあるのはやはり、魅力ある作品と言ってもいいかも知れない。