紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『レジェンド&バタフライ』を見た

〇 話題作を見た。おそらく、かなりの観客動員数をあつめるだろう。

 

 

〇 予告編

〇 作品概要

 

STORY

尾張国織田信長木村拓哉)は大うつけと呼ばれるほどの変わり者だった。敵対する隣国・美濃国斎藤道三の娘・濃姫綾瀬はるか)と政略結婚という形で出会った信長は、彼女と激しくぶつかるが、今川義元との戦で一緒に戦術を練ったことから二人は固い絆で結ばれるようになる。そこから二人は、天下統一に向かって歩みだす。

キャスト

木村拓哉綾瀬はるか宮沢氷魚市川染五郎和田正人高橋努、浜田学、本田大輔、森田想、見上愛、増田修一朗、斎藤工北大路欣也本田博太郎尾美としのり池内万作橋本じゅん音尾琢真伊藤英明中谷美紀

スタッフ

監督:大友啓史
脚本:古沢良太
企画プロデュース:須藤泰司
撮影:芦澤明子
録音:湯脇房雄
音楽:佐藤直紀
装飾:極並浩史
ヘアメイクディレクター:酒井啓介
プロデューサー:井元隆佑、福島聡
美術:橋本創
編集:今井剛
スーパーヴァイジングサウンドエディター:勝俣まさとし
キャラクターデザイン:前田勇弥
床山:大村弘二
照明:永田英則
VFXスーパーバイザー:小坂一順
スタントコーディネーター:吉田浩之
衣裳:大塚満

 

上映時間  168分
 
〇 私の見たまま、感じたまま 〇
 
時代劇らしかぬタイトルが意表を突き興味をそそる。まして、木村拓哉綾瀬はるかの共演とくれば「信長と濃姫」のストーリーとはいえ関心は集まる。
 
タイトルの「レジェンド」とは伝説に残るようなことを達成した偉大な人で信長を指し「バタフライ」は「帰蝶」という呼び名があったと言われる信長の正室濃姫を意味するらしい。 
 
織田信長濃姫、政略結婚で出会った2人が対立しながらも、やがて強い絆で結ばれ、天下統一という夢に向かっていく姿を描く。
 
信長より濃姫綾瀬はるかの好演が光っている。気丈で奔放でありながらやがては信長の戦友という側面を光らせながら生き生きとした濃姫が迫ってくる。
 
後半の信長は濃姫にも制御できない、大量殺りくも辞さない魔王になっていくが、最後には濃姫への真実の愛へとたどり着く。
 
ただ、スリを捕まえるシーンで下層の民をことごとく惨殺するシーンだけはいただけない。
あの場面が信長の魔王としての側面を描くために果たして必須のものなのか私には疑問符が残る。
 
そのように、各所に飽きさせない工夫、ダイナミックな場面展開、豪華なロケと背景が肉厚の見応えを与えてくれる。多くの人を魅了する娯楽作品といえるだろう。
 
どこまでも上をめざし、夢に生きる信長。
挫折感を乗り越え励ます夫婦愛は見る人に共感を呼ぶのであろう。
 
ここには、書けないのは残念だが、予想だにもしないおもしろいラストの展開には歴史を超えたエンターティメントが凝縮している必見の作品である。
 
3時間という大作ながら時間はあっという間に過ぎさった。