紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

■ 桐龍座恋川劇団 梅田呉服座 2023/03/19

〇見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます

〇洗練された舞台照明もトップクラス

 

メンバー  

座長 恋川純

恋川千弥

鈴川眞子

鈴川桃子

鈴川純加

鈴川かれん

ほか

 

東映メンバー

 

本日のゲスト

伍代孝雄

伍代つかさ

 

 

 

〇グランドショー  よりの開幕

・舞踊もコミカルにする工夫

・ハンチョウ完全復活のステージ

 

〇ラストショー    

夢芝居

 

 

口上挨拶   恋川純座長   

 

 

 

 

▼本日のお外題

 

〇特別狂言「夏祭浪花鑑」

▩キャスト

座長‥団七九郎兵衛

伍代孝雄‥親分&こどもの石松

恋川かれん‥団七の義妹

恋川千弥‥一寸徳兵衛

鈴川眞子‥女親分

鈴川桃子‥女房

鈴川純加‥義平次

ほか

 

 

☆ あらすじ簡略メモ

 

「夏祭浪花鑑(なつまつり・なにわ・かがみ)」は舅殺しの場で『泥場』と呼ばれ歌舞伎では本当の水を使っての殺し場面がある著名な芝居。

 

大衆演劇版としてアレンジし魅せ場を巧くまとめ上げている。

歌舞伎とは物語や登場人物とは少し違うのが大衆演劇のやりかただ。

各劇団それぞれに工夫を凝らしていて大変興味が尽きない。

桐龍座恋川劇団版「夏祭浪花鑑」は以下のようになる。

 

【あらすじ】

 

🌀第1景 髪結い床屋の前

兇状旅と上方での男修行から

江戸へ帰って来た男、団七九郎兵衛

 

花道から登場。髪結いで髪もさっぱりし浴衣に着替えした団七

 

団七の義妹に横恋慕する侍に金目当てに近寄る守銭奴の舅・義平次。

その他、義兄弟となる徳兵衛との出会いの場を歌舞伎調で繰り広げる。

 

こどもになった伍代孝雄の石松

石松に背負われて舞台袖に入る団七。面白おかしく。

 

 ★3枚目に徹する伍代孝雄に喝采、拍手!

名優はなんでもこなすんだなぁ

 

 

🌀第2景 親分の家

義妹を親分の所にかくまってくれるよう頼む団七。去った後に義平次が侍たちを連れて妹をさらって逃げる。

 

 ★この場でも3枚目に徹する伍代孝雄に喝采、拍手!名優はなんでもこなす

 

 拉致された事を知った団七が後を追う 

 

 

🌀第3景 泥場

 

★ 舞台に設置された泥場に見立てたセツト使っての名場面

 

義平次に追いた団七は義妹を返してくれと頼むも金の為なら何でもする義平次はこれを断固はねのけた

 

すると、団七はわしの懐に30両の金があると騙し翻意を促す。

態度が変わった義平次は義妹を団七に渡す。

 

カネをと迫る義平次、懐を探れば出て来る石ころ。

義妹を逃がす団七に騙されたと気づいた義平次は「義理の仲とはいえ親を騙すとは」と罵り二人は争いに。額に傷つけられた団七は‥

 

親殺しは極刑重罪。道義があったこの時代、悪人になりきれない団七の苦しみを好演。

 

魅せる泥場、迫力ある舅殺し、本水は使えないが水に見立てた水色の紙吹雪が舞う。

 

大きな大きな拍手おこる

 

 

🌀4 大殺陣

六尺棒、縄、戸板、梯子を使っての大捕物。

 

機敏な動きと歌舞伎の所作、ビジュアルな舞台。

座長・伍代孝雄・千弥が魅せる立ち回りはみごと。ここが大衆演劇の迫力。

外国人には歌舞伎より大衆演劇の夏祭浪花鑑が多分うけるだろう

 

東映剣友会6人の共演で本格的な大立ちまわりがはじまった。

 

見応え充分、桐龍座恋川劇団の夏祭浪花鑑

 

拍手!拍手!拍手!拍手!拍手!ブラボー

 

勇壮な地車囃子が鳴り響くなか 幕

 

 

【画像】

やはり、芝居の中身がトップクラスの絶対条件だ・紀州屋良五郎

 

 

【参考】