紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『ドキュメンタリー映画 センキョナンデス』を見た

〇 こんな映画を見た

 

 

 

劇場版 センキョナンデス

2023年 / 日本 / 109分 / ネツゲン 配給

監督ダースレイダープチ鹿島

プロデューサー大島 新

公式サイトhttps://www.senkyonandesu.com/

 

ロンドンで育ち海外メディアの情報に精通するラッパーのダースレイダー(東大 中退!)と、新聞 14 紙を毎日読み比べしている時事芸人のプチ鹿島(ニュース時 事能力検定 1 級!)。この異色のコンビが毎週配信する YouTube 番組『ヒルカラ ナンデス(仮)』は、二人の絶妙な掛け合いが人気を博し、全国に「ヒルマニア」 というコアなファン層を生み出している。二人が番組のスピンオフとして立ち上 げたのが選挙取材企画。2021 年の衆院選、2022 年の参院選、合計十数人の候補 者に突撃取材を敢行した。ドキュメンタリーのお作法などお構いなし、自らも喋 りまくり聞きたいことをズケズケ聞いて、相手から思わぬ本音を引き出していく ラッパーと芸人。二人の問題意識は、ジャーナリズムにも向けられる。とりわけ 自他ともに認める「新聞読みのプロ」であるプチ鹿島には、どうしてもその姿勢 を問い質したい新聞社があった。香川県四国新聞だ。本社に乗り込み、ド正論 という刃を突き付ける鹿島 vs 四国新聞のバトルが始まった。

選挙は祭り!参院選 でもヒリヒリする現場を取材しようと二人は大阪に乗り込んだ。その真っ最中に 起こった安倍元首相の銃撃事件。ドキュメンタリーは想定外の方向に展開してい く。街頭演説を取り止める候補者、敢えて行う者、対応が分かれるなか、ある候 補者の取材中に安倍氏の死を知る。事件の真相が分からぬままネット上に飛び交 う無責任な言説を憂い、民主主義とは何かという問いへの答えを探す旅となって いった......。

二人の活動を知り「日本のマイケル・ムーアになり得る!」と絶賛した『なぜ君 は総理大臣になれないのか』の大島新が、本作にプロデューサーとして参戦。異 色のコラボによって、破天荒なドキュメンタリー映画が誕生した。

 

▲上記は第七芸術劇場サイトからの引用です

 

〇 私の見たまま、感じるまま

 
いくつかの選挙にたずさわったものとして見たとき、実によく描かれているなぁと感嘆することしきりだ。
 
日本では選挙はまつりなのだ。駕籠に乗る人担ぐ人そのまた草鞋を作る人が総力で織りなす人間ドラマが選挙戦。そこには、涙があり、汗が光り、怒号が飛び交い、駆け引きが舞う。
 
男と女の交差点、「ハレ」と「ケ」の織りなす人間交差点
 
関わればなぜか病みつきになり選挙の神が憑依する空間がある。当然、愛が生まれ、恋も芽生える。
 
ふと、私は思う。なぜ、大阪で維新がこんなにつよいのか。その謎ときが選挙戦にあるようにおもう。維新にみなぎるパワーの源は『若さ』『権力ゲーム』『賑わい』なのだ。まつりに巻き込み、参加する中で神輿担ぎの共同体意識がうまれる。そして、そこに熱気と共感が生まれる。
 
それは、他の既成政党にはないものだから、はやり病のように感染する。新たなまつりの軍団が登場しないかぎり維新は伸び続ける。左翼っぽい怜悧でクールな分析や批判などでは到底太刀打ちはできないのだ。
 
(今、あたらしい運動の萌芽があるとすれば、しいて云えば『参政党』『れいわ』だろう。)
 
しかし、みんなが選挙というまつりに参加するプレーヤーになったときには新しい地域の未来が見えるかもしれない。この映画を見ていて、そんなことを思った。
 
この映画を見て多くの人にセンキョを体験してほしいと思う。