紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 劇団紫吹 梅南座 2023/05/29

〇見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます。

 

 

大衆演劇というより本格派芝居、見応え200パーセント、渋さます紫吹洋之介。

 

メンバー

 

紫吹洋之介

茜大介

愛染菊也

愛寿々女

紫吹未美(しぶきみみ)

染弥あかり

若葉隆之介

ほか

 

 ☆ 芝居「続・花街の母~奴の浪花の恋物語

 

【配役】

愛染菊也‥娘の夫

紫吹未美‥奴の娘・千代子

染弥あかり‥置屋女将

茜大介‥船場呉服問屋・木村

若葉隆之介‥車夫

紫吹洋之介座長‥芸者・奴

 

〈あらすじ〉

「花街の母」の続編

大阪から東京へ修行に来ていた呉服問屋の若壇那と知り合い、気に入られた奴。趣味も合いぞっこん一目ぼれ。早速、座敷にと声かかる。

 

奴は検診の結果、再度の検査を進められていた。

デートの日、遅れてきた奴。やにわに、結婚したいことを告白されうろたえる。

年の差が‥とためらうも、50でも100でもと迫られ、のぼせ上がってしまう奴だった。

 

が、しかし、待ち合わせ場所へきたときから尿意をもよおし堪えきれなくなる奴。

その仕草がなんとも、絶妙。

しばらくして、こんどは激痛に見舞われる。

 

検査の結果がわかり、がんの宣告、本人には告げられず、家族もためらう。本人は、若壇那との約束で三日後に大阪へ行くという。何もしらない奴は、けなげに大阪弁になれないと‥

とても、切り出せることができないまま、時が‥

 

芸者を辞めて、若壇那と一緒なり、大阪へ行くと若壇那の叔母に告げるも別れてやってくれと言い渡され、お金で自由なくらしをしないかと説得される。我慢ならない奴に病名を告げ諦めるしかないと車夫が話してしまう。

 

やっとの思いで女の幸せ掴めると思ったのにと

奴はただ呆然とするばかり。思い余った奴は若壇那に車夫が私の夫と嘘までついて、諦めさせようとする。今までの私の言葉は全て嘘だといい。

子供みたいな貴方にはついていけないと‥

 

怒りに震える若壇那、拳振り上げるも涙で振り下ろす、そして、奴のもとを去るのだった‥

 

  どんでん返しは㊙️にしておこう

  花街の母がどんな思いで生きてきたかを遠くを

望むように客席に語りかける座長。師・若葉しげるが憑依したような錯覚に見舞われた一瞬だった。

じんわり泣かせる劇団紫吹。

 

年増芸者の無念を情感たっぷりに好演する紫吹洋之介座長。ああ、いい芝居を見せてもらった。

 

舞台口上   座長 紫吹洋之介

 

*この劇団はきっちり「舞台口上」と表現。

「口上挨拶」は表現としては大衆演劇だけが使う。

・言葉が細かいところまで行き届いた座長なのだ

・この「花街の母」シリーズは五作まであるのですが、だいたいは、前作と今日の続編を演じています。

・前売り券&グッズ販売

・来月の浪花劇団の紹介を丁寧に

 

【画像】

舞踊ショー 

 

 

 

 

 

 

 

 

・ラスト舞踊

 

 

大衆演劇の至宝、若葉しげるの藝魂を受け継ぐ劇団紫吹・紀州屋良五郎

 

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