〇見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます

〇 ゲストなし、劇団あやめ5人による奮闘大興行。
★ 座長以外全て実力ある女優だけの5人編成で140席の舞台を務める。
いわば、小さな旅芝居の壮大な実験なのだ。成功して欲しいと願う。
和歌山・新宮の小さな20席ぐらいの舞台や、全国廻りで積み上げてきた劇団だ。
ここで見ていると、ずっと見続けてきた私は胸が熱くなる。
天下分け目の勝負が弥生三月に始まった。
〇 今月はショー写真撮影可
☆劇団あやめ スケジュール
4月 単発?
5月 御所羅い舞座
☆羅い舞座堺東スケジュール
04月 劇団輝
〇 12日 羅い舞座スタンプ5倍
〇ケレンの王様猿之助、面白い演目を次々
〇独創的な創作衣装・電飾衣装で乱舞する姿はインターナショナル。
〇創作ショーと創作衣装、創作舞台セットにかなり力を入れるビジュアル大衆演劇が特徴。
☆メンバー
座長 姫猿之助
貴妃 咲之阿国
花形 初音白猿
ひよこ(マスゴッド)
千鳥
*
☆ 舞踊ショー
「羅生門」 ひよこ
「千曲川」 貴妃 咲之阿国
「傷だらけの人生」 座長
「先生ほか歌のステージ」 千鳥
「銃爪」
* 初音白猿&座長 姫猿之助
*座長のバク転が見れるのは「劇団あやめ」だけ
《休憩》
☆芝居『鶴八鶴次郎』
【キャスト】
・座長‥鶴次郎
・咲之阿国‥鶴八
・白猿‥料理店伊豫善の主人松崎
・千鳥‥左平に替わるおしげ
・ひよこ‥おとよ
【あらすじ】
あやめ版はちょいと違う。
名場面をダイジェスト的に繋ぎつつ、枝葉をそぎ落とし、オリジナルの部分とアドリブで創造加筆する。余計な説明はない。
だが魂部分は、蝶々発しとした座長と咲之阿国の絶妙な掛け合いが花道で進行する。
まあ、この芝居の骨は鶴八と鶴次郎の愛と芸の確執をどう描くかだ。
芝居は少人数でも芸の力で見せるものという原点を改めて教えてくれるいい芝居を見た。
あやめ版はオリジナルとして見るのがいいというのが私の見方、というか大衆演劇はこういう捻り方をしないといけないと私は高く評価したい。
参考までに原題のながれは、こうである‥
大正時代の東京に鶴賀鶴八、鶴次郎という新内の名コンビがいた。二人は心の中ではお互いを尊敬し憎からず思っていたが、芸のこととなると譲らないのでいつも喧嘩していた。
大正8年正月も大入りの舞台を終え、部屋へ帰ってきた二人は上機嫌でお互いに褒め合っていたが、鶴次郎が三味線の手について一ヶ所注文を出すと鶴八はカチンときて喧嘩になり、支配人の竹野に諭される始末。
鶴八は自分のあまりの気の強さから鶴次郎に嫌われているのではないかと女心に案じていた。彼女には料理店伊豫善の主人・松崎という贔屓があり、求婚されているのだ。
鶴八は鶴次郎を慕いつつも、鶴次郎の頑固さからいっそ伊豫善の申し込みを受けようかと考えることもあった。その年の4月、鶴八は大阪の名人会が済むと高野山に亡き母・先代鶴八の遺骨を納めに行く予定を果たそうと鶴次郎と出かけた。そこで鶴八は思い切って伊豫善へ嫁に入ろうかと思うと明かす。
鶴次郎が愕然とし、嫁に行くなら私の所に来てくれと泣くのを見て、鶴八は胸をときめかし、二人は意地を忘れてお互いの恋心を打ち明け、夫婦の誓いを交わすのだった。それから1ヵ月後、鶴八は亡き母の願いだった鶴賀の名のついた寄席を伊豫善の資金援助で経営することになった。
その打ち合わせで伊豫善が鶴八の自宅へ来て話し合っていると、嫉妬にかられた鶴次郎が血相を変えて飛び込んできた。鶴八も伊豫善も色気抜きの後援だと宥めたが鶴次郎はいきり立つばかり。
ついに鶴八も頭にきて強い言葉を返すと、鶴次郎はお前との仲もこれきりだと言い放って飛び出してしまった。
それから2年。場末のうらびれた寄席にいる鶴次郎の元に、伊豫善の妻となった鶴八が訪ねて来る。鶴次郎の事が忘れられず、彼をもう一度晴れの舞台に復活させたいと迎えに来たのだ。
鶴次郎は、夫の許しを得た鶴八と二人で再び名人会に出演した。昔以上に芸が上がっていると絶賛を博した2人だったが、楽屋へ引き揚げてきたところで鶴次郎は鶴八の三味線に難癖をつけ始めた。
鶴八は烈火の如く怒り、鶴次郎も引かないので二人は再びもの別れになってしまった。その夜、鶴八の番頭・佐平が居酒屋で酔いつぶれている鶴次郎を発見し短慮を諌めると、鶴次郎は、鶴八を心から愛していて、だからこそ芸道に引き戻して今の幸せを損ねたくなかったと本心を明かす。佐平は何も言わずに盃をさし、鶴次郎は再び酔いつぶれるのだった。
☆☆☆
▪️あやめ版では鶴次郎ががんで余命宣告を受け、やがて舞台に立てなくあるという設定になる。
それもあり、鶴八(おしん)の女としての幸せを考えると若旦那と一緒になれば一番いいと思って、
鶴八の大事にしていた形見の三味線をわざと乱暴に壊して芸から身を引けと難題をつきつけるのだった。
肩を震わせて涙ながらに鶴八が嫁ぐ姿を見送る鶴次郎。猿之助の名演がキラリと光った。
やがて、酒に溺れ血を吐きながら「鶴八」の名を叫ぶところで 幕
【補足】
※花道で言い争う二人。咲之阿国の上手い絡みは見応えある。
※巧みなアドリブでかわす姫猿之助に対し、負けていない咲之阿国。いい勝負だ。
※鶴八(おしん)がいつしか松崎に心を寄せているのではないかとの疑念と嫉妬から鶴次郎は立腹。
※原題の芝居にオリジナルな演出を施した芝居は見事だ。拍手を贈りたい。
※泣かせどころがわかる姫猿之助。芸の力を魅せる公演だ。






《 座長の口上より 》
きょうの芝居は思い入れのある芝居です。
昔、父の劇団にあやめという役者がいました。
事故で亡くなったのですがその人と父に連れられて小学生の私が中座で見た芝居がこの「鶴八鶴次郎」でした。
勘三郎と玉三郎の歌舞伎でした。でも、小学生の私は入場を制止され、入れなかったところを「あやめ」さんが頼み込んで入らせてもらえました。
私にとって身体に焼付けたかけがえのない芝居なんです。
(座長・談)
☆ 花の新歌舞SHOW
*息つく間もない場面転換と激しい舞踊、舞踊、個性が万華鏡のように光るのが劇団あやめの舞踊ショー
【ラストショー】
特選ショー「天竜しぶき笠」

【画像】


























新境地をつくる大衆演劇の革命児は姫猿之助・紀州屋良五郎