〇 時代劇ブーム再来か‥続いて映画化『碁盤斬り』もか
〇 予告編
https://youtube.com/watch?v=TsxnM5ABN1U&si=iBfOxdoRXpmpv4p_
〇 概要
- STORY
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悪党たちから恐れられる火付盗賊改方長官・長谷川平蔵(十代目・松本幸四郎)の前に、若き日に世話になった居酒屋の娘・おまさ(中村ゆり)が現れ、密偵になることを申し出る。平蔵に断られた彼女は、彼が芋酒屋の主人と盗賊の二つの顔を持つ鷺原の九平(柄本明)を追っていることを知ると、独断で調査を開始。おまさは九平を探るうちに凶悪な盗賊・網切の甚五郎(北村有起哉)の悪計を知り、網切一味に潜り込む。
- キャスト
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松本幸四郎、市川染五郎、仙道敦子、中村ゆり、火野正平、本宮泰風、浅利陽介、山田純大、久保田悠来、柄本時生、松元ヒロ、中島多羅、志田未来、松本穂香、北村有起哉、中井貴一、柄本明
- スタッフ
- 上映時間
- 111分
〇 私の見たまま、感じたまま
やはり面白いところといえば、『悪を知らずして、悪を改めることはできない』という点だ。
主役の平蔵は稀代の遊び人の過去をもつ、人は何に泣き、何で苦しむか、そんな浮世の機微を
生き様で身につけてきた。悪と善は紙一重、悪には悪の道理があり、善にも善の筋がある。
重厚・達者・老練な役者がこれだけ脇を固めれば、それだけで話が面白くなると云うものだ。
単なる捕り物ではない。なるほどと思わせる隠された因果が薄皮を剥ぐようにあかされていく。
さすが、池波正太郎だ。話の組み立てが絶妙だ。
悪人だからといって、殺してしまえば又業を積む。それが、人の道というものだ。
どこかの国の道理なき大量虐殺とはちと違う。病者や弱者は殺しの対象とはしない。
こんな時代劇への共感は日本人特有の美学かもしれない。
『悪を知って外道を憎むか、悪を知って、外道に落ちるか』その違いは紙一重だ。
身を『悪』に染めなくては決着がつかない。悪の自覚は自らを知る鋭利さの表れだ。
大衆演劇で云えば「里美たかし」の悪役にさも似ている。そうそうに、この役者のような悪人表現は出来得るものではない。ちょっと脱線‥
人は生まれ落ちたところを選べないが依るべきひとを選べる。サイを振ることが出来る。
そんな遊女の宿命に泣く女の機微にまで触れる男・平蔵に惚れない女はいない。
しかし、なんだな‥ この物語、平蔵がひとりで切り込み、手下達がいつも遅れてやってくる。
平蔵が決着をつけてから、ご無事でしたか?とあらわれる。ここは、一つなんとかならないものか。ともかくも、時間を感じさせない力作を見た。