〇 まいどおおきに〜映画メモでおます
〇 セブンシアターの感染対策はしっかりしています。大阪コロナ追跡システムやら、発熱チェック、消毒、完全指定席でのソーシャルディスタンスなどだ。幸い私が見た回は五人だった。
子どもたちをよろしく
〈以下はセブンシアターWebから引用〉
2019年/日本/105分/配給 太秦
監督隅田靖
出演鎌滝えり、杉田雷麟、椿三期、川瀬陽太、村上 淳、有森也実
公式サイトhttp://kodomoyoroshiku.com/
ぼくたちの叫びが聞こえますか
東京にほど近い北関東のとある街。デリヘルで働く優樹菜(鎌滝えり)は、実の母親・妙子(有森也実)と義父・辰郎(村上淳)そして、辰郎の連れ子・稔(杉田雷麟)の四人家族。辰郎は酒に酔うと、妙子と稔には暴力、血の繋がらない優樹菜には性暴力を繰り返した。母の妙子は、まったくなす術なく、見てみぬふり。義弟の稔は、父と母に不満を感じながら優樹菜に淡い想いを抱いていた。優樹菜が働くデリヘル「ラブラブ48」で運転手をする貞夫(川瀬陽太)は、重度のギャンブル依存症。一人息子・洋一(椿三期)をほったらかし帰宅するのはいつも深夜。洋一は暗く狭い部屋の中、帰ることのない母を待ち続けていた。稔と洋一は、同じ学校に通う中学二年生。もとは仲の良い二人だったが、洋一は稔のグループからいじめの標的にされていた。ある日、稔は家の中で、デリヘルの名刺を拾う。姉の仕事に疑問を抱いた稔は、自分も洋一と同じ、いじめられる側になってしまうのではないかと、一人怯えるようになる。
稔と洋一、そして優樹菜。家族ナシ。友だちナシ。家ナシ。
居場所をなくした彼らがとった行動とは――
◎所感◎
コロナ禍以前が映画の背景だがコロナ禍の渦中に見たらいっそう深刻化が増しているように思える。
経済失速の影響はもろに家庭を直撃する。そしてその犠牲は子どもたちに生きる力を奪う形で重苦しくのしかかる。イジメの背景に壊されていく家族、家庭がある。
いま、何かにつけ「夜の街」を標的にした差別化がされる。それはあのハンセン病差別を生み出した社会病理ににている。歴史を学ばない愚かな指導者がいる国は不幸だ。自らの感染対策の不作を弱者に振り向けるのは卑怯だ。
それはともすれば職業差別を生み出す。人は生きるために仕事の選択を限られた中で行わねばならない時があるという許容度、想像力を欠いたリーダーがこの国を仕切っている。
なかなか見えない断面を切り取り見せてくれるのがこの映画だ。子ども達のうめき声が聞こえる現実はもっと残酷で悲惨だ。映画以上に現実を垣間見てきた私にはそう見えた。