紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『風よ嵐よ(劇場版)』を見た。

〇 テレビ公開話題作の映画版である。

 

 〇 概要

 
〇 概要
 
STORY

伊藤野枝。大正時代の女性解放運動家。 100年前、筆一本の力で、結婚制度や社会道徳に真正面から異議を申し立てた。 あふれんばかりの情熱をただ一つのよりどころに。 「原始、女性は太陽であった」と書いた平塚らいてうへの憧れ、第一の夫、ダダイスト辻潤との暮らし、生涯のベターハーフとなる無政府主義者大杉栄との出会い…。 自由を求めて奔放に生き、文筆家としてさらに開花しようとしたやさき理不尽な暴力がわずか28歳の彼女の命を奪うが、貧困・ジェンダー格差など、現代に通じる社会矛盾に果敢に立ち向かったその生涯は、閉塞感に満ちた現在を、今改めて、強烈に揺さぶっている。 吉川英治文学賞を受賞した村山由佳の評伝小説を原作に、向田邦子賞受賞の矢島弘一が脚本を担当、吉高由里子が主人公・伊藤野枝を演じ、自由を守ろうと懸命に生きた一人の女性の“炎”を描く。

キャスト

吉高由里子永山瑛太松下奈緒、美波、玉置玲央、山田真歩朝加真由美山下容莉枝、渡辺哲、栗田桃子、高畑こと美金井勇太、芹澤興人、前原滉、池津祥子音尾琢真石橋蓮司稲垣吾郎

スタッフ

原作:村山由佳
演出:柳川強
脚本:矢島弘
音楽:梶浦由記
制作統括:岡本幸江

上映時間
127分
〇 予告編

 

 

 

〇 私が見たまま、感じたまま〇

 

私が好きな女優が吉高由里子である。どのくらい好きかと言われれば、「ウニいくら丼」ぐらい好きであるというしかない。そんな訳で、とかく評は甘くなることを最初にお断りしておく。

吉川英治文学賞を受賞した村山由佳の評伝小説を原作とした作品である。

 

伊藤野枝の生き方は当時としては革命的で激情に突き動かされた人生の中にも、屈託のなさと明るさが悲壮感を打ち消すのに余りある。これも、ひとえに、吉高由里子を主役にした作品によるところが大きいと感じるのである。

 

小気味よく生きていく、奔放で、躊躇いなく、この時代には珍しい快活な生き方である。だが、最期に共に生きたパートナー大杉栄との別れは凄惨だった。

 

まさに、時代の汚濁を背負うかのような結末だった。

エンディング曲の梶浦由記ソロプロジェクト・FictionJunctionの新曲「風よ、吹け」がずば抜けてよい。

 

画像