紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『崖上のスパイ』を見た

〇 映画メモでおます

 

〇 予告編

 

 

 

〇 概要 

STORY

1934年冬、ソ連で特殊訓練を受けた4人のスパイが、極秘作戦「ウートラ計画」実行のため満州国ハルビンに潜入する。彼らの目的は、日本軍の秘密施設から逃げた証人を国外に脱出させ、軍の蛮行を広く伝えることだった。しかし仲間の裏切りによって作戦が日本の特務警察に察知され、ついにはリーダーの張憲臣が敵の手に落ちる。

 

 

1934年冬、満州国ハルビンソ連で特殊訓練を受けた共産党スパイ・チームの男女4人が、極秘作戦“ウートラ計画”を実行するため現地に潜入する。ウートラ計画とは、秘密施設から逃れた同胞を国外に脱出させ、日本軍の蛮行を世界に知らしめること。だが、仲間の裏切りによって、そのミッションは共産党の天敵である特務警察に察知されていた。

 

キャスト

チャン・イー、ユー・ハーウェイ、リウ・ハオツン、チュウ・ヤーウェン、チン・ハイルー

スタッフ

監督:チャン・イーモウ

上映時間
120分
 
〇 私の見たまま、感じるままに 〇
 
ずっしりとしたモノトーンの重厚な画面。いかにも歴史サスペンスを感じさせるつくりの映画だ。
見ていて10数分たった頃、少し、予備知識を仕入れて見ればよかったと気づくことになる。
主要人物4人の相関関係がわからないとますます、筋が複雑に見えてくる。おまけに、欺し欺されのスパイものである。筋を追うのに必死になり面白さがついて行かない。
 
これから、見ようという方には主要人物の関係だけは押さえておいたほうがよいとお薦めしたい。
サスペンスに満ちた展開、暗号解読、毒薬の手法、潜入、二重スパイ、裏切りと拷問、残忍な刑罰、
銃撃戦とカーチェイス、そして凄まじいロシアの軍事技術をつぶさにみせてくれる貴重な映画である。
 
それでいて、ラストには家族の愛も描くという細かさがいき届いた作品だ。
スパイ戦の中の人間愛を巧みに描いているともいえるのではないだろうか。全編を通し、クラシカルな雪の旧満州の光景が歴史の向こうから甦ってくるような気分にさせられる。
 
最後まで、わからなかったのは「ウートラ計画」の中身、つまり、隠さねばならない「日本軍による蛮行
」の実態だ。もっとも隠したかったのは「何」なのか私は見終えた今もそれが喉に引っかかった魚のほねように気がかりでならない。