〇 やっときたか、KANSAI 橘鈴丸‼
感慨もひとしおだ。
鈴丸&龍丸時代から見てきた。ある時はけやき座、おぐら座、近くはゆうゆう会館へよく足を運んだものだ。尼崎で見る日がくるとは‥
★劇団初乗り オリジナル通し狂言で90分、観客を圧倒的に魅了 。
関西初乗りは芝居で大手をかけた。その意気込みを高くかいたい。
☆舞踊ショーのSNS写真OKだが、曲名は伏せてと
〇 芝居『遠すぎる恋』
〇配役
重太‥座長
親分‥太夫元橘小竜丸
西海屋お嬢さん・おさえ‥橘一知花
西海屋店の者‥橘
辰次‥橘醍醐
兄貴‥三河屋扇弥
一家の者‥扇勝弥
ほか
〇あらすじ
一家に恋の仲立ちを頼みにきた娘おさえ。
出会った顔にあざのある重太に打ち明ける。
達次もかねてからお嬢さんには気があるが、なにせ不器用な男。なんとか、仲立ちを頼みたいと切り出す。実は、引き受けた重太もお嬢さんには「ほの字」。さて、さてどんな展開になるのやら‥思いあまり堅気になろうとする辰次。
親分に必死に堅気にしてくれと願い出る。おりしも、
川向こうから喧嘩状がきた。この、喧嘩が終わり、渡世の義理を果たしたら二人を一緒にしてやると難題。
重太にどうか辰次を助けてとすがる娘おさえ。
五体満足で喧嘩場から連れ戻してやると約す重太。
瀕死で喧嘩場から戻る達次の懐には重太が代筆してやったおさえに宛てた遺文。
末尾の『生き続けろ‥』がおさえの生きる支えになった。
こときれ、今世の別れを遂げたおさえと辰次。
歳月流れ、あれから20年。明治の世。
年老いた重太は、西海屋をたたみ、東京へ旅立つおさえを見送る。
好きな女に思いは告げずとも辰次の遺文は私が書いた私の切ない思いだ。
遠すぎる恋だがきっと、きっと、わかってくれると重太は思いたかったとしておきたい。
余韻のあるエンディングに酔った‥いい芝居だ。
〇感想
この芝居の隠し味は外題にある『遠すぎる』だ。
重太が達次に代わって書いた恋文は、まさに重太の思い。
その思いを秘めて20年、おさえもまた、その手紙に支えられ生き抜いてきた。
互いに思いを告げないその思いは応に『遠すぎる恋』だ。
初日にずっしりとしたオリジナル狂言をひっさげ関西初乗り登場。
この公演にかけた気迫に参加者は圧倒され、思いがしっかりと伝わった。
〇 口上挨拶 橘小竜丸 太夫元
関西は20年ぶりになります。師匠は紀伊国屋章太郎です。商店街が懐かしく、昨日はうろうろ歩いていました。今日のお芝居が合わない方はぜひ、また次の日の芝居もご覧いただければ幸いです。そうすれば毎日足を運んでくださることになります。と
〇 舞踊ショー
Adoの曲があまりにもf映える鈴丸。
この曲が大衆演劇の舞台でこれほど映える役者はそうはいない。
芝居の斬新さとともに、ここに橘鈴丸の魅力がある。
エネルギッシュにエンディング やりまっせ関西。
力いっぱいのステージを盛り上げる橘鈴丸座長は気さくでお客の心をしっかりつかむ。
送り出しでめったに話さない私もおもわず話しかけた。
ゆうゆう会館までよく行きましたよ、関西で見れるのはありがたいと言えばニッコリ笑顔で『いつもありがとうございます』とすかさず返ってきた。
関東で拝見する雰囲気とガラリとかわり関西風味に一段パワーUPしたように見えた。
さすがは橘鈴丸。
紀州屋良五郎