紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『すばらしき世界』をみた

〇 まいどおおきに〜映画メモです。

 

〇 欠かさず見てきた西川美和監督の話題作である。

 

 

 


 


 

 

 

 

STORY

下町で暮らす短気な性格の三上(役所広司)は、強面の外見とは裏腹に、困っている人を放っておけない優しい一面も持っていた。過去に殺人を犯し、人生のほとんどを刑務所の中で過ごしてきた彼は、何とかまっとうに生きようともがき苦しむ。そんな三上に目をつけた、テレビマンの津乃田(仲野太賀)とプロデューサーの吉澤(長澤まさみ)は、彼に取り入って彼をネタにしようと考えていた。

キャスト

役所広司、仲野太賀、六角精児、北村有起哉、白竜、キムラ緑子長澤まさみ、安田成美、梶芽衣子橋爪功

スタッフ

原案:佐木隆三
脚本・監督:西川美和
プロデューサー:西川朝子、伊藤太一、北原栄治
撮影:笠松則通
照明:宗賢次郎
録音:白取貢
美術:三ツ松けいこ
音楽:林正樹
編集:宮島竜治
衣装デザイン:小川久美子
ヘアメイク:酒井夢月
サウンドエフェクト:北田雅也

上映時間
126分

〇 見たまま感じるまま 〇

役所広司の演技が素晴らしいくいい。もうこれに尽きる。収監された時の「身分帳」をたどるようにゆっくりと丁寧に物語が始まる。凄惨さはない。誰もがふと気がつけば塀の向こうに足を踏み入れる自然さが鮮やかに実に上手く描かれる。アリの目のように人間の『底』を描く西川美和監督には敬服する。とても細かく、微細なものも見落とさない。極道に身を置いた人間がこの裟婆で生き抜く事のむずかしをテーマしたこの映画は『弱きもの、虐げられたもの、もたざるもの』にも眩い閃光を注ぎ込む。

そして、音楽とともにそれがたまらなく温かい。裟婆で生きていく自信を掴み、愛妻とも会うことになった嵐の夜に彼が夢見た世界がきっと『素晴らしき世界』だったと想う。けっして覚めることのない永眠の夢だったのだ。

ひとりでも多くの人にぜひ、見て欲しい作品だ。

人は有限の生き物だ。刑期を終えても命の刑期は万人に訪れる。だからこそ自らの『素晴らしい世界』を見つける為に求道者のようにもがき続けたい。

▩ 映画『騙し絵の牙』をみた

◯ まいどおおきに映画メモでおます~たっぷりたっぷり

 

 


 


 

 

 

 

STORY

大手出版社の薫風社で創業一族の社長が急死し、次期社長の座を巡って権力争いが勃発する。専務の東松(佐藤浩市)が断行する改革で雑誌が次々と廃刊の危機に陥り、変わり者の速水(大泉洋)が編集長を務めるお荷物雑誌「トリニティ」も例外ではなかった。くせ者ぞろいの上層部、作家、同僚たちの思惑が交錯する中、速水は新人編集者の高野(松岡茉優)を巻き込んで雑誌を存続させるための策を仕掛ける。

キャスト

大泉洋松岡茉優宮沢氷魚池田エライザ斎藤工中村倫也坪倉由幸和田聰宏石橋けい、森優作、後藤剛範、中野英樹赤間麻里子、山本學佐野史郎リリー・フランキー塚本晋也國村隼木村佳乃小林聡美佐藤浩市

スタッフ

原作:塩田武士
監督・脚本:吉田大八
脚本:楠野一郎
音楽:LITE
製作:高橋敏弘、堀内大示、木下直哉、有馬一昭、藤田浩幸、荒木宏幸、五老剛、伊藤亜由美、安部順一、井田寛
エグゼクティブプロデューサー:吉田繁暁、栗橋三木也
企画・プロデュース:新垣弘隆
プロデューサー:池田史嗣、秋田周平、二木大介
撮影:町田博
照明:渡邊孝一
美術:富田麻友美
録音:鶴巻仁
整音:矢野正人
編集:小池義幸
装飾:山川邦彦
衣裳:小里幸子、石原徳子
ヘアメイク:千葉友子
VFXスーパーバイザー:白石哲也
音響効果:伊藤瑞樹
スクリプター:工藤みずほ
助監督:甲斐聖太郎
製作主任:中谷康紀、緒方裕士
製作担当:篠宮隆浩
プロダクションマネージャー:岩田均
ラインプロデューサー:入交祥子
音楽プロデューサー:緑川徹
宣伝プロデューサー:大庭闘志、阿部未菜美、松浦健

上映時間
113分
 
◯ 見たまま感じたまま◯
出版社の凄まじいプロモーションをハラハラさせるシーンを盛り込み見せる快作だ。
どのように話題作をつくるか仕掛けがおもしろい。現代の出版業界の断面が見える。やがて紙の文化は情報化の流れとともにデジタルに収斂していく。その中でネットに乗らない作品を扱う書店・出版社だけが脚光を浴びるシーンには喝采を贈りたい。本好きの人にはとくに楽しめる作品だ。
 
 

▩ 映画『ノマドランド』をみた

◯ まいどおおきに映画メモでおまんねやわ

 

  

 

 

 

 
STORY

アメリカ・ネバダ州に暮らす60代の女性ファーン(フランシス・マクドーマンド)は、リーマンショックによる企業の倒産で住み慣れた家を失ってしまう。彼女はキャンピングカーに荷物を積み込み、車上生活をしながら過酷な季節労働の現場を渡り歩くことを余儀なくされる。現代の「ノマド遊牧民)」として一日一日を必死に乗り越え、その過程で出会うノマドたちと苦楽を共にし、ファーンは広大な西部をさすらう。

キャスト

フランシス・マクドーマンドデヴィッド・ストラザーン、リンダ・メイ、スワンキー、ボブ・ウェルズ

スタッフ

監督・脚色・編集・製作:クロエ・ジャオ
原作:ジェシカ・ブルーダー
製作:フランシス・マクドーマンド、ピーター・スピアーズ、モリー・アッシャー、ダン・ジャンヴィー
撮影監督:ジョシュア・ジェームズ・リチャーズ
音楽:ルドヴィコ・エイナウディ

上映時間
108分
 
◯ 見たままを感じたままに◯
 
ノマド」という生活形態は時代が生んだ形だ。主人公が「ホームレス?」と言われ「ハウスレス」と答えるところに象徴された生き方だ。家が車、土地〜土地へと移動する。ある意味で車寅次郎的放浪人的生き方だ。人の一生は旅だ。西行行基も旅の中で果てていった。悟りもそんな生き方の中にある。思い切りと勇気が支えだ。ささやかな糧さえあればいい。わが国ではまだまだ高いハードルがある。少し働き、行きたいところに赴き、ほんのりと生きる本当は誰もがどこかあこがれている生き方なのだろう。それが誰でも実現出来る世の中は最高だ。生き方の選択肢はたくさんあるよとこの映画は教えてくれている。あなたも旅人、私も旅人なんだね。いつか、どこかでまた会える。
「緣」あるあいだ柄なんだよね。
 

▩ 2021年 3月 観劇総括

〇 まいどおおきに〜観劇メモでおます

 

〇 3月の観劇は以下のようになりました。

 

3  

 

☆ 尼崎・遊楽館  煌座(煌京一郎

 

☆☆☆ 堺東羅い舞座  劇団雪月花

 

☆ 香芝天満座  劇団都  

 

☆ 紀の国ぶらくり劇場  劇団松丸家  

 

 

4劇場  6舞台

 

 

 

 

 

 

▩ 大阪のお花見 穴場はここ水面に桜が舞い落ちる

◯ まいどおおきに観桜メモでおます~はじめておとずれた素晴らしい大阪の観桜スポット

 

 

 

 

 

▲もうすぐダム湖花筏が見られるよ

 

 

 

 

 

 

 

 

◯ 永楽ダム・永楽夢の森公園(熊取町)

 

 

 

 

▩ 大阪の桜はまだ これから

〇 まいどおおきに〜観桜メモでおますがちょっと早すぎました。

なじみの住吉界隈を訪ねましたが桜はまだこれからというところです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

🔻寒ざらし蕎麦  芦生

 

 

 

🔻豆腐なら  粉浜商店街の井川豆腐

 

 

 

 

 

絶品の味は伝統秘伝

▩ 映画『太陽は動かない』を見た

◯ まいどおおきに~映画メモでおます

 

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STORY

秘密組織に所属するエージェントの鷹野(藤原竜也)と相棒の田岡(竹内涼真)は、心臓に爆弾を埋め込まれてしまう。24時間ごとに死の危険が迫る中、人類の未来を左右する次世代エネルギーに関する極秘情報の争奪戦が始まる。各国のエージェントたちを相手にする二人に、次々と困難が降り掛かる。

キャスト

藤原竜也竹内涼真ハン・ヒョジュ、ピョン・ヨハン、市原隼人南沙良、日向亘、加藤清史郎、横田栄司、翁華栄、八木アリサ勝野洋宮崎美子鶴見辰吾佐藤浩市

スタッフ

原作:吉田修一
監督:羽住英一郎
脚本:林民夫
主題歌:King Gnu

上映時間
110分
 

 

 

 

◯見たままをそのままに◯

 

藤原竜也ははすきな役者だ。蜷川の身毒丸の舞台以来ずっと注目してきた。今回の作品もすさまじいアクションとアジアを背景にした奇想天外なストーリーだ。次世代エネルギーが太陽光発電であることは既定路線とはいえ日本、ロシア、インド、中国を舞台にしたのはおもしろい。

なぜ、彼らが技術スパイ組織に名を借りたエージェントになったか?背景に児童虐待のなかで育ってきた過去を背負っているのもおもしろい展開になっている。もうそろそろ原発は終わりにしましょうという映画だ。カイジで魅せたハラハラドキドキの展開はストレスの発散になる。

『正義』なるものがわからない時代にあって少しは希望がもてる映画だ。