〇 開演前の注意事項‥劇場さん 連日大入り途切れず本日も
★ 関東からきた劇団の中でサービス精神随一
★ フレンドリーな応対でひと声かける鈴丸座長
★ 毎日、昼夜外題替えの意気込み
☆舞踊ショーのSNS写真OKだが、曲名は伏せてと
〇 芝居『村八分』‥劇団オリジナル
★配役★
橘鈴丸 座長‥およし
太夫元橘小竜丸‥徳蔵
橘一知花‥およしの妹・おふみ
橘佑季‥村人
橘醍醐‥およしの弟・唖者のよしろう
三河屋扇弥‥庄屋
扇勝弥‥村人
ほか
〇あらすじと所感
村人の場
村人の中から匿っていた忠治親分を役人に密告したものがいるという話を徳蔵がふれまわる。
そうなれば、村八分だと。その告げ口の主ははおよしの娘・知恵がたりない おふみの仕業だと決めつけいきなり、村八分と決められた。渋々、村人も庄屋も同意せざるを得なくなる。
およしの家
おふみに問い詰めるおよし。密告したことを詰る。そのために村八分になった。
★望まれる演出あれこれ
★村八分とは‥村のおきてに従わない者に対し、村民全体が申し合わせて、その家と絶交すること。 「はちぶ」については、火事と葬式の二つを例外とするところからきている。掟破りはどれだけキツいかあまりかたられてはいない。せめて、庄屋のセリフなどでふれてほしいところだ。
★忠治親分の立場について‥守り本尊として村人から尊敬されているとはされている。それはなぜか‥義民としての働きの為だ。赤城を降りて、信濃に向かう晩年の忠治だったが単なる罪人というより恩人として尊敬される存在だった。忠治という侠客は博打で儲けた私財を庶民救済に充てるなどの義侠心で慕われていたのだ。この村にかくまわれていたというのはおそらく信濃路落ちの渦中の村だと推察する。
しかし、芝居では罪人・忠治がどんな人物で、どれだけ慕われていたかなどは語られていない。ここは、セリフ、陰ナレなどで補ってほしいところだ。それがわかれば、富蔵にそそのかされて忠治の居所を密告したおふみを村人は悪とはしないはずである。
★美しいおよしに言い寄る流れ者の富蔵。この者についてもセリフにもあるように何度かおふみに手をかけようとしていた。だが、芝居の中で、この悪人の所業は描かれていない。それがゆえに共感の盛り上がりを欠く芝居になっていると思う。ここは、実際に富蔵がおよしを手にかけるシーンを入れてほしかったところである。しかも、弱い立場である。親をなくし、姉の手ひとつで唖者の弟と知恵遅れの妹を抱えた身なのだから‥
ひとけがないのを見計らい、徳蔵がおふみにそっと逢いにくる。どうやら大金の一両を渡しに来たらしい。その後のおふみの不自然な態度を、姉およしが気づかぬ筈はない。
これは、なんか ありそうだ。暗躍する徳蔵。案の定。
おふみに密告をそそのかし、役人からの報償金目当てで画策していたのだった。
徳蔵は根っからの極悪人、下心無しには動かない。
およしに見抜かれ、徳蔵の所へもらったカネを返しに行かせたがおふみは変わり果てた姿で徳蔵の手で運ばれてきた。
徳蔵が言うには誤って井戸に落ち、水を吞んで死んだとされていたが、役人の調べでどうやら首を絞められた跡があった。落胆するおよし、嘆く家族‥そんな折も折、およしに言い寄る悪人・徳蔵。盗み聞きしていた弟よしろう。見るに見かね釜を持ち徳蔵めがけ振り下ろし殺害する。
口がきけない よしろうになり代わりすべては私がやったことと姉のおよしが役人に引かれていく‥花道を行く鈴丸。
中幕
場面はかわりお白洲
奉行からおよしの取調べが始まった
村の衆までやって来て庇う
奉行は全てを了知しており、徳蔵の悪行を認め、およしを無罪とした
さらには、この村では「村八分」なる悪習はご法度となすと裁く
幕
〇 口上挨拶 橘小竜丸 太夫元
・連日の大入り、お客様のおかげでございます。
20年ぶりの関西公演、次に来させて頂く時もこの千成座からスタートさせて頂きたいと思っております。
・前売り券&グッズ販売
〇 舞踊ショー
ラスト・江戸ポルカ
【画像】※別掲載済
紀州屋良五郎