紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 満劇団 梅南座 2023.10.25 30日が千穐楽

〇見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます

〇 12年ぶりの梅南座登場

★ マンスリーゲスト 

愛染菊也  染谷あかり

 

 座長 大日方皐扇 

責任者 大日方きよみ

大夫元 大日方満

花形 大日方忍

大日方小とら

仁童竜之介

裏方  

 

〇梅南座  公演予定

11月 劇団雪月花

12月 黒潮劇団  

 

☆顔見せミニショー

 

芝居  時代人情喜劇  「風の盆恋歌 母恋十手」 

*是の劇団は必ず詳しく配役を紹介する

 

配役

大日方忍‥役人左平

大日方きよみ‥目明かしおよし

大日方小とら‥およしの子吉松

大日方皐扇‥主演・七化の吉五郎 

仁道竜之介‥黒門町の伝七

愛染菊や‥おまつの子与太郎

染谷あかり‥左平の女房おまつ

 

 

【芝居所感】

 

それにしても、この吉五郎ものはよく大衆演劇で上演される。上方落語でいえば喜公、清やん。

江戸落語では八っあん、熊さんぐらいポピュラーだ。

 

きょうの吉五郎の設定は上方の有名な盗賊で七化けの吉五郎だが化けるそぶりは登場しない。

たいそうな盗賊で100両の賞金が出ている。

 

その吉五郎が逃げ飛び込んだ先がよりによって女目明かしの家だった。亭主は事件の中で殉死し

女房が十手を預かっていた。不憫なのはひとり息子の吉松だ。父ちゃん恋し恋しと母に帰りをせがむ。八歳では理解が覚束ないと知らされていない。しかし、母ひとりで必死に育ててくれる姿はずーと見てきた親思いの子だ。

 

ふれが回り上役から捕まえるよう目明かしのおよしにもお達しが出ている。

母の居ない間に飛び込んできた吉五郎。てっきり会いたいと恋い願った父が帰ったと思い込んだ吉松。

 

なにかにつけ、父が帰ったとてっきり思い込む。一緒に寝て云われ、とまどう吉五郎だが、身を隠すのに都合がいいかと、寝かしつけ、とりあえず父親の振りをして一緒に寝てやる。だが、そうなると情も通うというものだ。


子供が寝たのを見計らって、この女十手持ちの家を出ようとするが、子供に見つかり裾を引っ張られたり、表で待ち伏されたりして出れない。そこへ、十手持ちの母が帰宅する
手配の吉五郎が家に潜んでいるのに驚くが、子供が父親と勘違いしており、
たとえ一日だけでも、吉松の父親を演じて欲しいと七化けの吉五郎に伏して懇願する。

 

そんな中、いよいよ追っ手が迫る、黒門町伝八親分の大号令が轟く。事情を飲み込んだ伝七親分。なんともイキな采配で、明かりを落とし、縄に布かけ二人に別れのイキな計らいをしてやる。


とうちゃん、いつ帰ってくるんだい。と聞く吉松。吉五郎は「そうさな、来年の新盆には必ず帰ってくるからな 吉松」「父ちゃん、おいら、迷わないように迎え火炊いてまってるからな」と

 

泣けるのは、そのあとだ‥

 

子どもだ子どもだと思っていた吉松。

そっと吉五郎の耳元で、役人に聞かれないように小声で「おじちゃん‥ありがとう‥」と告げるのであった。

 

じーんとくる余韻のある子別れ、人情が織りなす名芝居。

大衆演劇でなけりゃ見れない世界が拡がる。芝居の大日方 余韻を残して幕となる。

 

*今の世に絶えて無きよな人情を舞台で演じる人情歌舞伎、これぞ大衆芸能の極地なり。

私が大臣・宮内庁なら大衆演劇の役者さんに人間国宝紫綬褒章アカデミー賞を贈りたい。

 

 劇団口上  (大日方忍+仁道竜之介)

・各種グッズ販売&前売り券販売

・来年もまた梅南座へ帰ってきたいと 

 

・12年は長かったよなと私はほんまに思う。兄弟の成長は未来の希望だ。

 せめて、大阪のど真ん中で勝負して、やがててっぺんへと願っている。


 


12年ぶりだがこの時点で30を上回る大入りをたたき出している。満劇団に幸あれ。

 

グランドショー  

 ・浪花の小とら、忍の兄弟が大活躍

 

◆忍の女形はまるでミニ大日方皐扇だ。

◆小とらの目を見張る成長がすばらしい

◆吉田・田岡系列を離れた場所での公演は久しい

 【画像】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明日29日は大日方皐扇座長まつり(昼1回のみ+イブニングショーあり)、こぞって梅南座へ・紀州屋良五郎