紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 元気が沸く倭マジック 賀美座(不動倭) 鈴成り座 2020/09/14

☆ 写真、動画、ジャンジャンお撮りくださいとのアナウンス!

☆ 賀美座はSNSアップ解禁になりました

 

まいどおおきに〜観劇メモでおます。

ショー写真撮影のSNS UPが解禁となった!

満員が連日、桟敷もお客の鈴なり。ダブル、フォースの大入りが連日ナノだ。昼も夜もだ。

拍手、ハンチョウと飛び、飛び、飛び‥

年々充実する照明・音響機材は目を見張る、座長はハイテクを使いこなす猛者でもある。最新鋭のメカには目がない。

YouTube発信のトップを快走。

芝居で魅せ、ショーで楽しませる賀美座

桜咲りえさんのテーマ曲「よろこび」でオープニング

 

劇団スケジュール

10 三吉演芸場(横浜)

 

鈴成り座スケジュール

10 劇団錦

11 劇団花組むらさき

 

メンバー

座長 不動倭

代表 勝小虎

若手リーダー  宝華紗宮子

宝華弥寿

叶夕晏

叶夕茶々

叶タ優々

叶タ純々

心動亘

心動那月花

彪華

 

 

ほか

          

顔見せミニショー

・群舞  〜転がる石

・劇場空間を生かす演出は群を抜く

・新感覚の振付も秀逸、エネルギッシュなだけでなく随所にコミカルな笑いを織り込み盛り上げていく舞台は極上のショーだ。

・劇場ところ狭しと駆け回る座長!

・ミニショーラスト  まつり

 

芝居『地蔵の宇之吉』

キャスト

勝小虎‥ならず者親分

座長‥小金井小次郎

宝華弥寿‥巡礼の母

叶夕茶々‥茶店の女

宝華紗宮子‥足抜けの女

彪華‥宇之吉

ほか

 

【あらすじ】

 

家出した息子を訪ね歩く目の見えない巡礼姿の母が茶店の女に息子を探していると語る。その息子は宇之吉といい、背中に地蔵の刺青があるという。

 

探す母とすれ違うも気づかず通りかかった宇之吉は足抜けしたふたりをならず者一家から助ける。

 

母を追う宇之吉が茶店で水を飲んでいると再び足抜けのふたりに会う。

 

宇之吉はならず者に20両の金を払えば二人を許すと言われ支払う約束をしてしまうが実は無一文。

 

そこで宇之吉、もらった酒に虫が入っていると因縁をつけ居合わした旅人から金をせしめようと企む。

 

旅人は金でかたをつけてくれないかと切り出し、思い通りの20両で話がうまくいく。

 

喜ぶ二人は宇之吉を小金井と言った一言から小金井小次郎という大親分と間違えてしまう。

 

宇之吉は自分を小金井小次郎と名乗ってしまう

しかし、その難癖をつけた旅人こそ本物の小金井小次郎だったのだ。

 

理由がなくなればかたがつかない。

母親が札所に向かったと聞いた宇之吉は大胆にも落し前として自分の指を噛み切り小金井に渡し母を追う。

 

小金井小次郎親分は宇之吉の肝の座った振る舞いに侠客としての一分を見いだしたのだった。

 

地蔵の前でようやく対面した母と子は抱き合い涙にむせび泣く。全てはお地蔵さまのご利益と母は喜ぶ。しかし、そこに現れたのがならず者一家だ。

 

ならず者一家親分は金は返してもらったが子分が痛めつけられた落とし前はついていないと因縁をつける。度胸の座った宇之吉は腕を差し出し斬ってくれと願いでるも母をなじられた宇之吉は一人歯向かう。

 

*古典的、歌舞伎的演出 に加え芝居の細部にこだわった座長の演出に共感。アドリブ押さえ目にしたのは、このようなシリアスな芝居にはほどよい。

 

母が呼ぶ「宇之よ」の声が耳に響く‥段々、命のともしびが消えようとしている。

 

目の見えぬ母が宇之吉の身体に触れようとする杖を頼りに繋がる母子。数珠を地蔵にかけようとする母に小金井小次郎の思いが宇之吉へと

 

小次郎親分はそっと宇之吉を地蔵に見立て母を誘い数珠を掛けさせる。

 

「卯之吉〜」と、おっかぁ〜の声が

互いを呼びあう声が何度も響く

 

母親は瀕死の宇之吉をしりつつ断腸の思いで‥別れる。余韻ある芝居には満点の出来栄え

 

大きな拍手と涙で幕‥

 

口上挨拶    座長 不動倭

・吉村知事が19日から定員を満席にしていいと言ってますが‥どうするか検討中ですと。

(歌舞伎、クラシックと違い、うちはかなり賑やかなんでね‥)

・大入り100本目指して奮闘公演中

▲ソーシャル配席は通常にもどるのか

 

 

 

グランドショー  

・群舞が鮮やかに決まる賀美座

・オープニング〜他人の関係〜

・コント、組ショー、相舞踊、個人舞踊、群舞、あらゆるバリュエーションと演出、選曲の全てが素晴らしい。

ラストショー  BANBAN

*コロナ蔓延以来、どこか拍手、声援も自粛モードでハンチョウもかからない舞台が続いているがここ鈴成り座は一足早く復活の兆し。舞踊ショーの拍手、ハンチョウも飛び交い座長がエアータッチしながら座席通路から登場で大衆演劇ならではの触れ合いが復活した。

 

客席に大きな拍車と声援が巻き起こるパワフルな劇団。一部のファンだけじゃなく客席全体を引き込み、一人一人と座長がアイコンタクトとる倭マジックの世界だ・紀州屋良五郎

 

*ぜひとも、来月、三吉演芸場へも大きな波が押し寄せますように

パワーアップした賀美座を目に焼き付けて欲しい