紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信 はてな版

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 映画『宮松と山下』を見た

香川照之の快作だ。エキストラ俳優の男を主人公に据えたユニークな作品

〇予告編 

 

 

STORY

エキストラ役者の宮松(香川照之)は、あるときは時代劇で弓矢に撃たれ、またあるときはヤクザの一人として路上で銃撃されるなど、さまざまな劇中で殺され続けていた。エキストラとしてひたすら殺される役柄に取り組む彼には過去の記憶がなく、自分が何者で何を好み、どこで何をしていたのか一切思い出せない。それでも宮松は毎日数ページだけ渡される主人公ではない人生を演じ続けるのだった。

キャスト

香川照之津田寛治尾美としのり中越典子野波麻帆大鶴義丹、尾上寛之、諏訪太朗黒田大輔

スタッフ

監督・脚本・編集:関友太郎、平瀬謙太朗、佐藤雅彦

上映時間
87分
 
〇 私の見たまま、感じたまま 〇
 
まさにこの人ならではの怪演だ。
 
グイグイ引き込まれる映像に釘付けとなる。
 
はてには、どこが、エキストラとしてのシーンなのか、私生活を描いたパートなのか判然としなくなり迷路にはまる。
 
ひょっとして主人公もいま、何の役を演じているのか?自分はいったい誰なのか?わからなくなってしまったのかと思わせて実は自分をしっかり生きている。
 
実に面白い。今まで見たことのないストーリー展開にドギマギする。
だが、見る人にとってハッキリ評価が別れる作品だろう。
 
印象的なセリフがあった。妹のセリフだ。「お兄ちゃんはもう記憶を取戻していると思う」の呟きだ。それは、肉親ゆえの直感なのか?いや、わたしには、はじめからわかっていたように思う。
 
演じ続けなければ生き続ける意味と場所を失う怖さを‥
快作だ。芝居をやる人には必見だろう。
 
わたしはもう一度見たくなった。