☆ まいどおおきに~観劇メモです。復活・劇団源之丞
☆ 所用あり、夜の部からの観劇でした
☆ この芝居、過去3回見ていますがそのたびにバージョンアップしていました。
まさに、進化する源之丞版四谷怪談です。
〇 劇団源之丞 澤村龍司座長の談
主旨要略 過日の聞き取りを加筆 文責・紀州屋良五郎
この芝居は祖父 澤村源之丞が伝え当劇団が継承した芝居です。皆さんがあちこちで色んな芝居をご覧にならるでしょうが、だいたいは大衆演劇定番の芝居で、その劇団だけしかやらないオリジナルな芝居を見てほしいという劇団は少ないとおもいます。
この四谷怪談はうちの劇団にとって、特に思い入れのある芝居で、通常5時間以上かけてやります。今回は夜の部は少し短めになりましたがそれでも芝居だけで通算5時間越えです(昼の部、夜の部、更にそれぞれ前編・後編に分けて上演)。この芝居で使用する鬘も琵琶湖座にのった頃、四谷怪談用につくった特注のものです。あまり四谷怪談をやるところがないのは、怨霊とか祟りとかなにか忌まわしいことがしばしばあると言われるのを畏れ、禁忌の思いから避けてきたからとおもわれています。(歌舞伎でも入口の清め塩、お札と供物等を備え鎮魂とします)。
私自身も何度も命を落としそうな事故に遭ったり、再起を危ぶまれるような災難にも直面しました。不思議なことに、うちの劇団でも、公演中に決まって着物の片袖がなぜか剥がれのです。
本来、この四谷怪談は忠臣蔵外伝ともいうべき芝居なのです。赤穂浪士の一人として加わるべき伊右衛門が恋仲になった女性と欲にまみれ脱落することが背景になっています。先代の祖父・源之丞から受け継ぎうちの劇団でこれからも継承していきたいと思っている拘りの作品です。
祖父源之丞は沢山の作品を残し演じました。四つ綱の名手で、空中の綱の上で見栄を切り所作をするケレン芝居を得意とし、怪猫劇も演じ一世を風靡しました。その時使った綱を止めるかんぬきは今も朝日劇場の柱に残っています。源之丞は木馬座出演中に楽屋で生涯を終えたという根っからの役者でした。
わたしは50になれば役者をやめたいと思い続けていましたが、考えを変えました。このたび祖父・出身の地の尼崎にもどり、新しい流れも吸収しながら若い人達を育てあげ、もう一度、旗揚げした初心に立ち返り一から劇団を作り上げたいと思っています。どうか、ご支援ください。
そして、機会がめぐってくれば「澤村源之丞」の大名跡を継がせてほしいと願っています。
息子達は来月一ヶ月、羅い舞座で公演の劇団華様にお世話に成り、修行に参ります。
今まで他の劇団で薫陶をうけることも経験させていませんので、いいチャンスだと考えています。
これからは、ショー構成・演出はすべて若いメンバーに任せていくと決めました。どうかお客様、あたたかく、また、厳しく𠮟咤もし、見守ってやってください。ほめるだけでは役者は育ちません。まずいところがありましたら、遠慮なくきっちり云ってやってください。役者をそだてるのもお客様のお力が必要なのです。どうかよろしくお願いします。
★メンバー
座長 澤村龍司
副座長 澤村幸四郎
澤村天地
澤村あすか
澤村蒼愛
澤村もも
他
☆第1部 舞踊ショー
〈キャスト〉
・お岩/お袖‥澤村龍司座長
・長兵衛‥澤村蒼愛
・勘造‥澤村天地
・父伊藤喜兵衛/宅悦‥澤村あすか
・ほか
〈あらすじ〉
・後半は伊右衛門に殺された岩やその他。
お岩の妹(お袖・座長)が登場するところから始まる。
お袖に無念を晴らしてくれとお岩の声がする。
・伊藤喜兵衛の屋敷に乗り込み証拠を掴もうとするお袖。
お袖と一緒になろうとしていた直助は伊右衛門と仲間だった。
お袖は直助を殺して姉の仇をうつ。
伊藤喜兵衛の屋敷に乗り込み、仇討ちする妹お袖。
一方、伊藤家の随所にお岩の呪いの現症があらわれ恐れられている。
影で呪いをかけるお袖。
まずは共犯者の中村勘蔵を殺害してしまう。
・殺害し、首を切り取るお袖。
お岩の声がどこからからか聞こえ、伊藤喜兵衛も、梅も、伊右衛門が殺してしまう。
最後は伊右衛門が全てを悔いて懺悔し、詫びて武士らしく切腹しお岩の元へ参ると誓い伝えるところで幕。
終わり方に余韻と格調を残す。
2017年 此花演劇館公演の画像【座長の許可画像】