紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 劇団京弥 水車小屋 2022/10/06

☆ 見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます。

    先月の瓢簞山劇場に続ききょうはこちらの劇場へ、ここへ来るのは2度目。

 

本日昼、入りは4

 

手抜きなしの三部構成、熱演。

 

水車小屋のスケジュール

◆木戸や管理もすべて劇団まかせの貸し小屋 

◆ 来月の公演場所・夢芝居の1/10 の広さの水車小屋 

かつて、天六にあったナニワミュージックホールような小屋だ

 

劇団京弥のスケジュール

11  和歌山・夢芝居

 

★ 劇団の見どころ

・手抜きなしの熱演。爽やかなファミリー劇団の麗しさ。

 

オープニングショー

 座長、そうま、まりんが熱演。変化ある舞踊ショー

所作がきまる、眼がきまる、舞踊が冴える。

 

 

★ ☆芝居「浅間の喜太郎」

 

大衆演劇の鉄板ネタでひねり方に劇団の個性が表れる。

 

外題名も多様で、『越中山中母恋鴉』、『喜太郎街道』、『浅間しぐれ』、『母恋鴉』としているところもあるがほぼ同じ筋書き。

 

人情喜劇として演じる場合が多く、ほとんどの劇団でアドリブ・客席いじりがはいる。

 

劇団京弥においても座長が演じる老母のお百と喜太郎の掛け合い、テンポのよいやりとりが楽しめる。ご当地ネタをふんだんに入れながら進行する。

 

 

女房の病を治す為め、薬代を稼ぐために人斬りをした喜太郎という設定になっているが病の女房はどうなったのか

 

不義理を働きながら舞い戻り、母と親子名のりをしたくなった訳が芝居から読み取れなかったのが

いささか説明不足で残念だ。

 

アドリブの噛ませかたと喜劇仕立ては難しいものだ。

 

その場の空気、土地柄、客層で笑いのシンが動く、だが座長とそうまは軽妙にこなす。

芝居運びに卒が無い劇団だ。

 

 

 

★ 口上挨拶の内容     座長・白富士一馬

 

役者ごとの祭りをするが「そうま祭りロング公演」以外は通常料金です。と

六甲(兵庫県)の家からこの劇場へ車で通っている。

 

 

★新歌舞ショー

◎ おそろしくうまい白富士だいきくん、将来が楽しみだ

◎ 眼力のある白富士そうま、キレのある力強い舞姿

◎ まりんちゃんほかアットホームなメンバーの舞台に癒される

 

メンバー

座長 白富士一馬

白富士そうま

白富士まりん

白富士ほのか

白富士ちか  

大夫元 胡蝶つき子

初代 白富士龍子

 

特選画像

 

人数は少ないが芝居の切れ味は飛び上がるほど鋭い・紀州屋良五郎

▩ 一竜座 九条笑楽座 2022.10.03

〇一竜座の観劇は4年ぶりになるかな。メンバーも随分変わってしまっている。

 

☆ 結成直後から見てきた。なかでも圧巻はオーエス劇場だった。きら星のようなメンバーをよりすぐり集めた華やかさは目をひいたものだった。

 

☆芝居のほか歌唱力・舞踊の素晴らしさは見応え充分「座長の力」で勝負する劇団だ。

 

▲年内のラインナップは上のようになる。なを、今月の「一竜座」はこの劇場は初乗りとなる。座長によると今までの興業系列から離れ、現在はフリースタイルになったためと語っていた。

 

☆連名表をみたら「花形・あおい龍一」の名はテープで消しているが退団したのではないらしい。

☆天昇屋心竜は「劇団要・座長だった長谷心平から改名」

☆友情出演は劇団澤村から花形の天海翔と天海琴音、時に座長の澤村謙之介も

大衆演劇でも値上げするところが多くなった(呉服座・羅い舞座など)が、田岡系列は今のところ値上がりはなさそうだ。

 

 

芝居「天竜  筏流し」

 

【あらすじ】

 

旅から帰った佐太郎は親分は死去し桔梗屋の跡目を継ぐことになった。

先代親分から預かった檜の山の采配は今は佐太郎。

 

そんな時に訪ねてきたのが草津大五郎。今はこの地の親分だった。

その草津大五郎が手に入れたいのが桔梗屋の権利だった。

 

偽証文まででっちあげ亡き親分の借財50両をふっかける。

佐多郎は山のせりが終わったら返すと言うも額を割られる責め苦を受ける。

 

山の競りには元手がかかる。だが…そっと工面する先代の娘。

苦労の甲斐あり再び手にする檜の山

 

草津の仕返しは筏流しだ

艱難辛苦のすえ、親分殺しを自白させ、見事、大恩かえすという筋書き。

 

 

配役 

親分・草津大五郎‥座長  桔梗屋の佐多郎‥天昇屋心竜  ほか

 

 

多彩な座長のアドリブがいろいろ飛び出すが巧みに受け返すのがこぎみよい。

どれだけ脱線しても本筋の芝居に引き戻す力に大衆演劇の間を掴む力量を感じさせる。

 

 

☆歌謡ショー 歌&舞踊 途中で前売りと口上挨拶

 座長  あおい竜也

☆花の新歌舞ショー  

 

【画像】

一竜座は一流座であってほしい、再びの隆盛を願う・紀州屋良五郎

 

劇団雪月花 の 「天竜筏流し」 記事

 

 

 

▩ 映画『アイ・アム まきもと』を見た

〇 今日はこんな映画をみました。

 

STORY

とある市役所で、人知れず亡くなった人を埋葬する「おみおくり係」として働く牧本壮(阿部サダヲ)。空気が読めず人の話を聞かない彼は、故人を思うがあまり周囲を振り回すこともしばしばだった。そんなある日、おみおくり係の廃止が決定する。孤独に亡くなった老人・蕪木孝一郎(宇崎竜童)の葬儀が最後の仕事となった牧本は、故人の身寄りを探すために友人や知人を訪ね歩き、蕪木の娘・津森塔子(満島ひかり)のもとにたどり着く。

キャスト

阿部サダヲ満島ひかり、宇崎竜童、松下洸平、でんでん、松尾スズキ坪倉由幸宮沢りえ國村隼

スタッフ

監督:水田伸生
脚本:倉持裕
原作・エグゼクティブプロデューサー:ウベルト・パゾリーニ
製作総指揮:ウィリアム・アイアトン、中沢敏明
エグゼクティブプロデューサー:堤天心、志賀司、中西一雄、島本雄二、井川泉
プロデューサー:上木則安、厨子健介
コプロデューサー:藤村哲也、丸山典由喜
ラインプロデューサー:鈴木嘉弘
撮影:中山光一
照明:宗賢次郎
美術:磯見俊裕
装飾:柳澤武
録音:鶴巻仁
音楽:平野義久
人物デザイン監修:柘植伊佐夫
編集:洲崎千恵子
キャスティング:田端利江
助監督:相沢淳、村田淳志
制作担当:井上純

上映時間
104分
〇 私の見たまま、感じたまま 〇
とてもユニークな映画である。原作は2013年製作のイギリス・イタリア合作映画「Still Life」(邦題「おみおくりの作法」)をリメイクした作品だそうで当初のタイトルも「Still Life」だったらしい。
個性派の名優・阿部サダヲが好演している。まさに、この人ならではの個性が光る作品である。

しかも、脇を固める俳優陣がまた、いい。庄内平野の美しい光景はほっとした思いに浸らせてくれる。ラストシーンに流れる宇崎竜童の歌うOver the Rainbowが心に沁みてくる。

 

人知れず亡くなった人を埋葬する「おみおくり係」として小さな市役所で働く人物まきもと。

実直すぎて空気の読めないキャラクターがまきおこすコメディタッチの作品だが扱っている素材はとってもシリアスな社会問題ー孤独死ーだ。

 

孤独死」をみおくる福祉課の職員が自費を負担してまで葬儀まで出して大切に「おみおくり」するという作品になのだが、このぶっとんだ設定には共感より、あまりに浮き上がった感触を与え思考が停止してしまう。

 

まきもと氏の人生が全く描かれることなく、さまざまな孤独死にかかわり、仕事の一線を超えてまで私費で葬儀まで出すのは何故なのだろう。推量の範疇を飛び出し、見る人に突き放された疎外感を与えはしまいか心配になる感じを抱いた。

 

葬儀の簡素化、墓じまい、が人の関心を呼ぶ現代。

人のエンディングにかかわり、寄り添う「まきもと」が何故、「葬儀」という「儀式やかたち」にこだわったのかが私にはわからない。

 

どうせ、ぶっとんだ人物として「まきもと」を登場させるなら既存の儀礼をぶち壊すような、この人ならではの様式で「おみおくり」するのがもっと、もっとおもしろくなるはずだ。

 

人の物差しが通用しないこの「まきもと」という人物に私が期待するのは一般儀礼を飛び越えた「寄り添いかた」だとはたと気付いた。

 

残念ながら何を伝えたいのかよくわからない映画であった。私はあまりお勧めはしない。

 

**

▩ 映画『川っぺりムコリッタ』を見た

〇 今日はこんな映画をみました。

 

 

川っぺりムコリッタ (本編:120分)

 

『レンタネコ』『彼らが本気で編むときは、』などの荻上直子が監督と脚本を務めたドラマ。

 

STORY

できるだけ人と関わらずに生きたいと思い、北陸の小さな街にある塩辛工場で働くことにした青年・山田(松山ケンイチ)。工場の社長からハイツムコリッタという古い安アパートを紹介されて住み始めた彼は、風呂上がりに飲む冷えた牛乳をささやかな楽しみにする静かな毎日を送る。そんな中、隣人の島田(ムロツヨシ)が風呂を貸してほしいと部屋に上がりこんでくる。それを機に島田との間に友情のような感情が芽生え、ほかの住人とも触れ合うようになるが、北陸にやってきた理由を島田に知られてしまう。

 

キャスト

松山ケンイチムロツヨシ満島ひかり江口のりこ黒田大輔知久寿焼、北村光授、松島羽那、柄本佑田中美佐子薬師丸ひろ子笹野高史緒形直人吉岡秀隆

 

スタッフ

監督・脚本・原作:荻上直子
音楽:パスカルズ
製作:堀内大示、五老剛、多湖慎一、中西一雄、益田祐美子、亀山暢央、竹内力五十嵐淳之、鈴木貴幸、川村岬、中西修、駒澤信雄
企画プロデュース:水上繁雄、飯田雅裕
プロデューサー:野副亮子、永井拓郎、堀慎太郎
共同プロデューサー:成瀬保則、神保友香
撮影監督:安藤広樹
照明:重黒木誠
録音:池田雅樹
美術:富田麻友美
装飾:山崎悠里
スタイリスト:堀越絹衣
衣裳:村上利香
ヘアメイク:須田理恵
編集:普嶋信一
VFX:古橋由衣
整音:瀬川徹夫
音響効果:大河原将
フードスタイリスト:飯島奈美
スクリプター:天池芳美
助監督:藤森圭太郎
制作担当:鳥越道昭

 

上映時間
120分

 

川っぺりムコリッタ (講談社文庫)
Amazon(アマゾン)
704円

 

映画パンフレット 川っぺりムコリッタ
Amazon(アマゾン)
3,880円

 

 

この映画は見る人ごとに、プリズムのように違う光を放つ不思議な映画である。

スタッフ
監督・脚本・原作:荻上直子、音楽:パスカルズ、製作:堀内大示、五老剛、多湖慎一、中西一雄、益田祐美子、亀山暢央、竹内力五十嵐淳之、鈴木貴幸、川村岬、中西修、駒澤信雄、企画プロデュース:水上繁雄、飯田雅裕、プロデューサー:野副亮子、永井拓郎、堀慎太郎、共同プロデューサー:成瀬保則、神保友香、撮影監督:安藤広樹、照明:重黒木誠、録音:池田雅樹、美術:富田麻友美、装飾:山崎悠里、スタイリスト:堀越絹衣、衣裳:村上利香、ヘアメイク:須田理恵、編集:普嶋信一、VFX:古橋由衣、整音:瀬川徹夫、音響効果:大河原将、フードスタイリスト:飯島奈美スクリプター:天池芳美、助監督:藤森圭太郎、制作担当:鳥越道昭
 
〇 私の見たまま、感じたまま 〇
 
監督は「かもめ食堂」の荻上直子荻上監督は、南カリフォルニア大学大学院で映画製作を学んだ国際派。
 
この映画、はじめにタイトルに引きつけられた。ムコリッタって何んだろう?
 
調べると仏教語で時間の単位だ。サンスクリット語の音訳で牟呼栗多と書く。わかりやすく云うと1/30日の時間にあたるらしい。1牟呼栗多は48分に換算できる。
 
考えながら映像を見る。あらわれる風景はまさに、日本の原風景。河川敷とその川っぺりにあるハイツムコリッタという古びたアパートに暮らすまことに不思議で奇妙で個性的な人達のストーリーだ。
 
終始一貫、カメラワークは生き物を追う。『なめくじ』『蜘蛛』『うじ虫』『金魚』『ヤギ』『蚊』…それらの生と死を丁寧に追い続ける。それに呼応するように登場人物も生から死への流れを抜き出すように丁寧に描く。
 
わかりやすいかと問われれば「否」というしかない。なのに、余りに詩的すぎて浸り込んでしまう魔術に掛かってしまう。どこまでが、現実で、どこが幻想なのか。いいのだ。それが、ひとの生そのものなのだから。
 
そして。それらの出来事は「ムコリッタ」とい限られた時間、有限の中に繰替えされていく。
小さな「いのち」の瞬きが、大空にも宇宙にも溶け込み渾然一体となっていく。
「いのち」というものを映像で表現したらこんな作品になるという事を示唆してくれている。
 
なぜか、どこか、以前見た黒沢監督の『どですかでん』という作品を思い起こさせた。
 
この映画では、飯を食うという「いのち」をつなぐリアルな行動が素晴らしくうまく描かれている。
とくに白米と、そのおかず、特に発酵食品や自作食材への愛が満ちていて極めて特徴的な作品だ。
 
また、穏やかな川がほんの一ムコリッタで牙を剥く荒川に変貌し洗い流す、おなじように人の不幸な過去も一ムコリッタで大きな変化を遂げるものなのかもしれないことをきづかせてくれる。
 
理屈はいい。鉄道、鉄橋、河川敷、川、使い捨てられた廃品、そして、日本の原風景としての人情アパート、生き物を慈しむ人たち。
 
自分自身を見つめ続ける人の『念』が伝わるいい映画だったとしてまとめておこう。

▩ 森川竜馬劇団&ちんどん通信社 コラボ企画 大阪風竜座 2022/09/23

☆ まいどおおきに〜観劇メモでおます  ※

☆ 今月、柿落としの劇場、遅まきながら、大阪風竜座にやってきた

 

 

▼劇場は2階

 

見やすいつくり 開演40分前 小さい店がたくさんあった雑居ビルに立派な劇空間。さぞかし改造が大変だったろう。天井も高いし舞台の高さもほどよい。各種、照明機器も配備できるようになっている。 提灯をみて知った。あの錦はやと座長が福正企画の社長を継がれたのだ。

 食事のスペースもありくつろげる  11時〜食事歓談ができる。

入場するとワンドリンクがついてくる。

 

クリア板もあり、感染対策の気配りがいき届く。

 

食事メニューも充実 座長が忙しく駆け回っておられる。すべてが陣頭指揮。食事もつくる。

本日のゲスト出演

ちんどん通信社一行

 

林幸次郎

林風見花

ジャージ川口

ウッチー内野

竺原みなみ

ピンキー

ほか

 

座長  森川竜馬

森川竜馬

桜美はるひ

桜美照乃

桜美琴乃

森栄都

蘭竜華

 

 

 

★ 10 劇場スケジュール 2ヶ月サイクルか?

森川竜馬劇団

 

★ 11月・12月 劇場スケジュール 2ヶ月サイクルのようだ

劇団天虎  七星泰河

 

 

★ 森川竜馬劇団 スケジュール ここは、劇場オーナーは旅芝居として各地を廻る

10  和歌山七福座

11  瓢簞山劇場

 

★ 本日のプログラム

 

 

★ 人情劇 「三人芝居」

 

まさに、三人が主役の芝居。 だが、演じる三人に技量がないとピシッとは決まらない難しい芝居でもある。

 
屋台のうどん屋を営む老夫婦の元に、腹を空かした無一文の遊び人がやってくる。
うどんを三杯平ら上げた後、勘定を支払う段階で「一文無しなので番屋に突き出して欲しい」と言う。
 
事情を聴いた老夫婦は、泊まるところがないと言うので家に招き入れることになった。
どんな展開になるのか、一気に引き込まれる。
 
子供のいない老夫婦。この若い男に頼み込み息子になったつもりでひと芝居やってもらうことになる。
苦労は山ほどしてきたが、子がない寂しさはうめられない。
 
おとっつあん、おっかさんと人並みに呼ばれてみたいもんだ。
数ある苦労はしてきても、一度きりの人生で埋めるに埋められないものがある。
 
父さん、お母さんと呼ばせたり、叱ったり。いろんなことを金をやりやってもらう。
いつしか、この疑似息子に情がわきなんともいえない満ち足りた気分に浸ることができた。
 
若い男も喜んで芝居を演じ実の息子のように受け答えをしてやる。
老夫婦の財産をもらい、家を出ていこうとする。が…はっと気づいた若者。それは金より大事なもの。
 
自分には、親と呼べる人はいなかった。その寂しさが自然に消えていた。
そうだ、この老夫婦のほんとうの子どもになりたいと心底思った。
 
「お父さん、おっかさん、今、頂いたこのお金でどうか私をほんとうの息子にしてください。」
若者は天涯孤独の身。金が足りないんじゃなく家族の愛に飢えていた事にいま気がついた。
 

じつに、よくできた余韻のある芝居だ。

森川竜馬座長と蘭竜華さんの絶妙コンビが織りなす人情劇は極秀作だ。

 

【配役】

うどんや老父・座長 森川竜馬

老母・蘭竜華

遊び人新太郎・森栄都

ほか

 

口上挨拶   森川竜馬劇団座長 

 

今日のゲスト ちんどん通信社さんとは10代の頃、鈴なり座で舞台をご一緒したことがあります。

やはり、生のちんどん音楽をこの舞台で聞けるのはうれしい。

次は、ぜひ、「ちんどん演芸館」にもゲストで出演をと林さんからも要請。 

 

★ ちんどん通信社のショータイム

 

毎週水曜日、あべのハルカスのスペース9で「ちんどん演芸館」という公演をやっています。

ぜひ、昼はそちらにも足をお運びください。

 

 

 

舞踊ショー  旅役者・竜馬の華舞台

 

ラストはちんどん通信社とのコラボ  お祭りマンボ

 

 芝居の見どころ

親が子を棄てる、殺して棄てる。そんな時代になってしまった今の日本。少子化の背景は人として大切なものを見失った姿かもしれない。大衆演劇はふと、我に気づかせてくれる心のオアシスなんだな。

 

★ コラボ&舞踊ショーの見どころ

チンドン屋さんの頂点に立つ東西屋さん一行とのコラボはそうそうに見れる機会はない。

しかし、時代は大きな転換点に立っている。神田伯山とストリッパー武藤つぐみのコラボもやる時代。

浪曲、講談、落語、大衆演劇、歌舞伎が垣根を越えて交流する事は新しいものを創造する力になると信じる。

 

特選画像

 

まとめの一言

大阪風竜座は来月も引き続き森川竜馬劇団の公演となります。移動がないため千秋楽なしで月末30日まで公演があります。ぜひ新しい劇場・大阪風竜座へ

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関西で月末29・30日まで公演しているのはここ、大阪風竜座、賀美座のシアター YOROKOBIと和歌山のすわん江戸村だけです。

 

文責・紀州屋良五郎

▩ 嵐瞳劇 梅南座 2022/09/21

 見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます。

  燃えたぎる座長の芝居魂

 

 

 味のある深い芝居は嵐瞳劇  充実の演目が連日

南座 スケジュール

10 黒潮劇団

 

嵐瞳劇  スケジュール

10  国立文楽劇場  10/19

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芝居「泣き虫兄弟がらす」

 

《配役》

嵐山瞳太郎座長‥兄・源太

嵐山心次郎‥弟・清次

葉山萌香‥若旦那

高野花子‥婆や

葉山桃羽‥おかよ

長縄龍郎…熊五郎親分

ほか

 

 

芝居の流れ

 

大衆演劇定番の芝居。

 

とっつあんが亡くなり旅にでていた喧嘩場にいる兄弟のもとに婆やがやってくる

兄弟のどちらかでも古里に戻り、庄屋の跡をついでくれと懇願する。

すぐに戻れない兄は弟に先に故郷へ帰り、堅気になり、あとを任すと告げる。

 

かねて好きだった、おかよが待つと思うとうれしくなり、故郷へ足を向ける弟だったが、おかよには

かねてから思いを寄せた若旦那がいた。

 

行く末が気になり、兄が故郷に帰ってみたら…酒浸りの毎日をおくる弟がいた。

訳をきけば、それは、おかよを好きな男と一緒にさせるため敢えて仕向けた振る舞いだった。

 

この芝居のラストは、二人してお面で涙を隠し、故郷を出ていく、なんともいえない兄弟愛を描いている。

 

私には、愛弟子・心次郎の卒業に思いを託した座長の涙のような気がしてならなかった。

 

泣くな愛する弟よ、そういう兄も泣けてくる

 

一途な座長に、真剣な弟子の道。

 

五年間、ほんとうに素晴らしい舞台を綴ってくれた嵐山心次郎さんのこれからの

人生に幸多かれと祈らずにいられない。

 

(心次郎さんの卒業公演は25日梅南座・上州三盗伝、在籍は10月公演まで)

 

ありがとう、嵐山心次郎。

 

………………………………………………

 

舞台口上  (嵐山瞳太郎座長)

・いつも芝居にかける熱い思いを語る

・同じ芝居でも劇団が異なると演出・音楽にも違いが出て趣の違ったものになると芝居観を語る

・座長率先で前売り券&グッズ販売

 

歌と踊りのグランドショー

 

☆ ラストショー

・舞踊「一本釣り」

 

 

 

【画像】

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旅立つ愛弟子心次郎への熱き思いが満ちて胸に迫る・紀州屋良五郎

 

 

メンバー

座長  嵐山瞳太郎

葉山萌香

葉山桃羽

葉山花凜

嵐山心次郎

葉山京香(太夫)

高野花子

長縄龍郎(劇団龍の風 座長)

 

▩ 劇団京弥 瓢簞山劇場 2022/09/15

見てもろておおきに〜まいどおなじみの観劇メモでおます。かたちを変えました。

 

本日昼、入りは15

 

☆ 7月に柿落としをした新劇場。初めて来てみた。駅から至便、Pも付近にある。周りは商店街で、まあ立地はいいほうだ。あえて、難点は地下1階が劇場である。関西で階段で地下におりる劇場は「紀の国ぶらくり劇場」とここだけだ。

 

座席40席の超最小劇場だ。貸しビルを簡易造作でしつらえた劇場、舞台の高さは10センチほど。プランツプロモーション系列として4劇場目になる。

 

 

 

劇場付近にある瓢簞山稲荷は日本三大稲荷に名を連ね(諸説あり)、「辻占」の元祖にあたる。また、『河内音頭』の聖地でもあり、芸能人の参拝も多く祭は盛大である。

 

そりゃ役者さんにとって劇場は花道、緞帳、檜舞台があるのが誉れなことに違いない。だが、大衆演劇は場所・設備がどうあれ、そこを華舞台、夢舞台に変えていくエネルギーが魅力と私は思う。

 

手の届くスターは触れ合う距離も魅力に変えてしまうのだ。

 

たこ焼きの名店・ざいるさんに立寄るも木曜日休みで残念!

 

 

劇団京弥は久しぶりになる。

2016年に14年ぶりに鈴成り座で関西公演が始まった。そのあとオーエス劇場にも足を運んだ。たぶん、それ以来になるか‥いや2019年も見ている。

 

劇団さまに舞踊ショー写真のブログ掲載の許可をお願いしたら、とても爽やかに、気持ちよくご了解頂いた。「動画」以外はドンドン載せてもらっていいですよと笑顔でお応え頂いた。

 

なんか、人柄のよさがにじみ出ているな、白富士一馬座長、そうまさん、ありがとうございます。

 

 

★★

 

座長  白富士一馬

 

 

オープニングショー

     座長、そうま、まりんが熱演。変化ある舞踊ショー。

 

 

★ ☆芝居「花かんざし」

 

・あらすじ簡略

・盲目の娘・おつる(まりん)が身投げするところからはじまる。それを助ける男・与三郎(座長)に訳をかたりはじめる。一緒に暮らしている兄弟分・松吉(そうま)が帰ってきたが、おつるに親しくするのを制して唖者になれと言いくるめる。

ここまでは、枝葉をそぎ落とした芝居はこびになっている。

 

背景幕も、道具立ても最小限で、スッキリした舞台構成。

なにも無くても絵になるのも芸のちから。

 

男は娘を長屋に連れ帰る‥

 

 

この劇団の「花かんざし」、善人、与三郎が魔に魅入られ悪人に豹変する展開がゾクッとするほど面白く引き込まれる。人生にはふと魔がさす一瞬がある善と悪は紙一重、振り子が振れる妙味をうまく盛り込んでいる。

 

 

この芝居、都合6劇団のものを見た。それぞれに味わいがある。ラストがハッピーエンドの演出もあったが劇団京弥のこの芝居は私のなかでは一、二を争う出来栄えだ。

 

 

役人に引かれる与三郎。絶妙な間合いの所作特急だけで芝居が流れる。

 

感極まる一瞬を破った役人の一言で泣かされた。

この芝居で泣かされたのは、はじめてだ。

 

『顔のあざ』がこの芝居のキモなのだが‥

しかし、なぜ、顔の痣を忌み嫌う芝居になるのだろうか、わかりやすく「顔の痣」にしているが、それは誰しも背負って生まれてきた『人の業』なのだろう。

 

 

他にも「喧嘩屋五郎兵衛」も同じだ。座頭市丹下左膳、ほか名役にはどこか、傷がある。

 

 

もって生まれた『業』を背負って生き抜く姿、それをえぐりだすのが大衆演劇的魅力なのだ。きれいごとですまない人生、かたわ=障害と業、差別され、翻弄されつつ、怯まない強さ、これが大衆演劇なのだ。

 

芝居の背景・補足説明

 

娘が自殺までしようとした動機の説明がもう少しほしいところだ。

 

娘を飢饉から吉原に売った老母に温情を寄せつつ、カネの沙汰から老婆の殺害に転じる与三郎。

座長の鬼気迫る熱演に心を打たれた。

取り縄にかかった与三郎、娘との別れで唖者になりきるも、役人があえて名を呼ぶシーンには救われ、泣かされた。

 

★ 芝居の見どころ・私はこう見た

この劇団の戯れごとなしの真剣な芝居が好きだ。

隙間のないきっちりした芝居は小気味がいい。

 

★ 舞踊ショーの見どころ

曲のながれ、相舞踊〜組ショーの変化、メリハリのある力のこもったショーは引きつけてやまない。

 

★ 口上挨拶の内容   座長・白富士一馬

 

 

 

特選画像

 

メンバー

座長 白富士一馬

白富士ちか  

白富士まりん  

白富士そうま

白富士ほのか

胡蝶つき子

初代 白富士龍子

 

 

まとめの一言

鬼気迫る役者魂が光っている。『劇団京弥』を絶賛したい。

 

 

人数は少ないが芝居の切れ味は飛び上がるほど鋭い、劇団京弥は期待を裏切らない・紀州屋良五郎