紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 大衆演劇・人気劇団の大前提について考える ぎょうさん出た奴が勝つ

まいどおおきに観劇関連メモでおます~

 

 

どうしてお客さん(いちげんさん)が来ないのかを考える前にこんな話を聞いて欲しい。

私が進路に迷い苦悶していたときのことだ。ある先輩がこんな事を話してくれた。

 

『光あるうち光の中を歩め』(トルストイ)ということばを通し、自ら光ることだけではダメで光のあるところに身を置くことが大事だと。

 

意訳したら(運命・神に)見つけてもらえる努力をつづけることやと。

神がかった話のようだが、あ・うんの呼吸が『人気』にはある。

 

これは他の商売も同じで売れると思ってつくってみても売れない一方、突然売れ出す事もある。

 

大衆演劇の場合、気流のようなものがある。

 

大阪の場合、劇場が非常に多い。

いわば地デジ・BS・CS全部の放送からいくつかの番組をえらぶようなものだ。

 

よほどいろいろな劇団を見尽くした人でないと基準がない。

ではどうして絞るかとなると当然、知名度のある劇団、評判の高い劇団が有利だ。

とくにはじめて見る場合やはり口コミが一番となる。次にはネット情報がくるだろう。

 

そうなると、その土地での公演回数がものをいう。

舞台を見た人が多くないと伝わらないからだ。

 

だから何年かに一度しか大阪に乗らない劇団は中々評判にのらないし、のっても知れ渡る前におわりだ。陣容・芝居・ショーすべてがよくても2年乗らないと忘れられる、それが大阪の怖いところだ。お客様が薄情なのではなく選択肢が多いのだ。

 

さらに、回数においても最低、年間、府内で3箇所、欲言えば4箇所以上継続して廻らなければ勝負にならないだろう。

 

コースが決まる過程の多くは興行主さんと小屋主さんが決定権を握っていることは確かだろう。

しかし、興業は水商売だから次に売れる劇団はどこかを考えない人いない。

 

劇団にとってはチャンスこそがすべて、ならば今日、来ていただいたお客さんがリピーターになれば増えるだけなのだから。もっともいつもきてくれる人の目は進歩がないと厳しい。たんさん見ているのだからあたたかいけど違いはわかる。

 

いずれにしても、今日来たお客様が喜び誰かにも見せたいと思っていただけたら未来は明るい。

 

光がさしているうちに、光の中を駆け上がった劇団だけが次の人気劇団の切符を手にするのだろう。

 

回数が人気を呼び、人気が再演につながる。

数多く一つのマーケツトで勝負したところが大手をかけるというのが私の仮説だ。

全国一になるには激戦の大阪でまず五番以内にはいることだ。

 

近距離・連続そして、やることに魂があり、ど派手で目立ったもんが最後は勝つ。

亜流はいけない。

 

 

紀州屋良五郎