紀州屋良五郎の大衆演劇・上方芸能 通信

大衆演劇については全国の劇場や公演場所に出かけ、その地での公演の所感・演出効果・劇団の印象を綴ります。さらに大道芸や上方落語、講談、音頭、漫才、見世物、大道芸、放浪芸、映画評についても思いつくままに書き留めてまいります。 末永くのおつきあいをよろしくお願いいたします。

▩ 大衆演劇・人材募集の考察

〇 まいどおおきに〜観劇関連メモでおます

 

 

 

・劇団も人材不足なのだろうがどんな人材が欲しいのかがわかりにくい。まだまだ大衆演劇の役者のイメージが知られていないのが実状であるからだ

 

・一から訓練するために下働きから芸を身につけて欲しいというイメージなのだろうが今どき、それではなかなか難しい

 

・今は落語家も住み込みで作法から叩き込む形から通いで稽古をつけて貰う形になっている

 

大衆演劇に人が集まらないのは旧態依然とした徒弟制のような働き手を求めているからではないのか

 

 

・大抵の劇団さんは家族的で親子、血族が座の中心を構成している。

だいたい次の座長は子息や血縁者が務める場合が多く全くの素人が入団してもその劇団で座長になることは稀である。

 

・暖簾分け的な道が望めないなら独自のタニマチを見つけ資金力を蓄え頃合いを待って独立するしかない。はじめから棘の道を歩む覚悟が必要となる。

 

・先の見えない零細企業の劇団に、ただ舞台が好きと夢だけを求める若い人に未来まで満たすだけの余地はあるのだろうか

 

・もし、劇団が若い人を獲得したいならば成功へのプロセス、夢を実現する方途、後ろ盾になる確かな希望と座長の人間的器量、魅力、実力、経営感覚が求められるのではないか

 

 

・この課題の代案としてはインターンシップだ。

大衆演劇に興味をもつ学生などをアルバイトとして募集し、まず大衆演劇の世界を知って貰うことから始めるのがいいのではないか。あくまで入団を前提にしないことがツボだ。

 

・その中から次の芽を見出せればよしとするぐらいがちょうどよい。劇団にとってみれば一つの撒き餌だ。彼ら彼女らの中からこの世界に魅入られる者も出てくるに違いない。なぜなら若者たちは

どこかで濃い人間的な繋がりを求めているからだ。家庭でも、友人間でも得られない劇団における熱い繋がりはきっと魅力に映るだろう。

 

・また募集についても、大衆演劇ファンの口コミルートだけではなく高校、大学の演劇部や芸能スクールの生徒へのアピールに加えて行政のコミュニティペーパー、劇団ホームページやSNSを通して誘いをかけるのがいいだろう

 

・誘い方のノウハウは人材派遣会社、求人サイトのやり方は大変参考になると思う。

春、夏、冬の季節限定スタッフもありだ。旅廻りに抵抗があっても○○エリア限定座員もありだ。

やりたい人に有料で体験してもらう大衆演劇体験コースを設けてもいい。お金(受講料)をもらって臨時座員になってもらうのだ。

 

・入口を広くソフトにしないとなかなか人はあつまらない。

本格的に旅芝居の劇団に入団するのは、家を捨てて仏門に出家するぐらいに勇気のいることだからである。

 

 


こんなことを書いていると間違われるから云うときますけど、私は大衆演劇と一切の利害関係はありませんし仕事としても何らの利益関係、共通点はありません。

 

ただの物好きな大衆演劇ファンでありまして特に決まった劇団だけを贔屓にしている立場ではありません。